イザヤ書
第1章
1:1アモツの子イザヤがユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤのときに示されたるユダとヱルサレムとに係る異象
1:2天よきけ地よ耳をかたぶけよ ヱホバの語りたまふ言あり 曰く われ子をやしなひ育てしにかれらは我にそむけり
1:3牛はその主をしり驢馬はそのあるじの厩をしる 然どイスラエルは識ず わが民はさとらず
1:4ああ罪ををかせる國人よこしまを負ふたみ 惡をなす者のすゑ 壞りそこなふ種族 かれらはヱホバをすてイスラエルの聖者をあなどり之をうとみて退きたり
1:5なんぢら何ぞかさねがさね悖りて猶撻れんとするか その頭はやまざる所なくその心はつかれはてたり
1:6足のうらより頭にいたるまで全きところなくただ創痍と打傷と腫物とのみなり 而してこれを合すものなく包むものなく亦あぶらにて軟らぐる者もなし
1:7なんぢらの國はあれすたれなんぢらの諸邑は火にてやかれなんぢらの田畑はその前にて外人にのまれ旣にあだし人にくつがへされて荒廢れたり
1:8シオンの女はぶだうぞのの廬のごとく瓜田の假舎のごとくまた圍をうけたる城のごとく唯ひとり遺れり
1:9萬軍のヱホバわれらに少しの遺をとどめ給ふことなくば我儕はソドムのごとく又ゴモラに同じかりしならん
1:10なんぢらソドムの有司よヱホバの言をきけ なんぢらゴモラの民よ われらの神の律法に耳をかたぶけよ
1:11ヱホバ言たまはくなんぢらが獻ぐるおほくの犠牲はわれに何の益あらんや 我はをひつじの燔祭とこえたるけものの膏とにあけり われは牡牛あるひは小羊あるひは牡山羊の血をよろこばず
1:12なんぢらは我に見えんとてきたる このことを誰がなんぢらに要めしや 徒らにわが庭をふむのみなり
1:13むなしき祭物をふたたび携ふることなかれ 燻物はわがにくむところ 新月および安息日また會衆をよびあつむることも我がにくむところなり なんぢらは聖會に惡を兼ぬ われ容すにたへず
1:14わが心はなんぢらの新月と節會とをきらふ 是わが重荷なり われ負にうみたり
1:15我なんぢらが手をのぶるとき目をおほひ 汝等がおほくの祈禱をなすときも聞ことをせじ なんぢらの手には血みちたり
1:16なんぢら己をあらひ己をきよくしわが眼前よりその惡業をさり 惡をおこなふことを止め
1:17善をおこなふことをならひ 公平をもとめ 虐げらるる者をたすけ 孤子に公平をおこなひ 寡婦の訟をあげつらへ
1:18ヱホバいひたまはく 率われらともに論らはん なんぢらの罪は緋のごとくなるも雪のごとく白くなり紅のごとく赤くとも羊の毛のごとくにならん
1:19若なんぢら肯ひしたがはば地の美產をくらふことを得べし
1:20もし汝等こばみそむかば劍にのまるべし 此はヱホバその御口よりかたりたまヘるなり
1:21忠信なりし邑いかにして妓女とはなれる 昔しは公平にてみち正義その中にやどりしに今は人をころす者ばかりとなりぬ
1:22なんぢの白銀は滓となり なんぢの葡萄酒は水をまじへ
1:23なんぢの長輩はそむきて盗人の伴侶となり おのおの賄賂をよろこび 贓財をおひもとめ 孤子に公平をおこなはず 寡婦の訟はかれらの前にいづること能はず
1:24このゆゑに主萬軍のヱホバ、イスラエルの全能者のたまはく 唉われ敵にむかひて念をはらし仇にむかひて報をすべし
1:25我また手をなんぢの上にそへ なんぢの滓をことごとく淨くし なんぢの鉛をすべて取去り
1:26なんぢの審士を舊のごとく なんぢの議官を始のごとくに復すべし 然るのちなんぢは正義の邑忠信の邑ととなへられん
1:27シオンは公平をもてあがなはれ 歸來るものも正義をもて贖はるべし
1:28されど愆ををかすものと罪人とはともに敗れ ヱホバをすつる者もまた亡びうせん
1:29なんぢらはその喜びたる橿樹によりて恥をいだき そのえらびたる園によりて慙赧むべし
1:30なんぢらは葉のかるる橿樹のごとく水なき園のごとくならん
1:31權勢あるものは麻のごとく その工は火花のごとく 二つのもの一同もえてこれを撲滅すものなし
第2章
2:1アモツの子イザヤが示されたるユダとヱルサレムとにかかる言
2:2すゑの日にヱホバの家の山はもろもろの山のいただきに堅立ち もろもろの嶺よりもたかく擧り すべての國は流のごとく之につかん
2:3おほくの民ゆきて相語いはん 率われらヱホバの山にのぼりヤコブの神の家にゆかん 神われらにその道ををしヘ給はん われらその路をあゆむべしと そは律法はシオンよりいでヱホバの言はヱルサレムより出べければなり
2:4ヱホバはもろもろの國のあひだを鞫き おほくの民をせめたまはん 斯てかれらはその劒をうちかへて鋤となし その鎗をうちかへて鎌となし 國は國にむかひて劍をあげず 戰鬪のことを再びまなばざるべし
2:5ヤコブの家よきたれ 我儕ヱホバの光にあゆまん
2:6主よなんぢはその民ヤコブの家をすてたまへり 此はかれらのなかに東のかたの風俗みち 皆ペリシテ人のごとく陰陽師となり 異邦人のともがらと手をうちて盟をたてしが故なり
2:7かれらの國には黄金白銀みちて財寶の數かぎりなし かれらの國には馬みちて戰車のかず限りなし
2:8かれらの國には偶像みち 皆おのが手の工その指のつくれる者ををがめり
2:9賤しきものは屈められ尊きものは卑せらる かれらを容したまふなかれ
2:10なんぢ岩間にいり また土にかくれて ヱホバの畏るべき容貌とその稜威の光輝とをさくべし
2:11この日には目をあげて高ぶるもの卑せられ 驕る人かがめられ 唯ヱホバのみ高くあげられ給はん
2:12そは萬軍のヱホバの一の日あり すべて高ぶる者おごる者みづからを崇るものの上にのぞみて之をひくくし
2:13またレバノンのたかく聳たるすべての香柏バシヤンのすべての橿樹
2:14もろもろの高山もろもろの聳えたる嶺
2:15すべてのたかき櫓すべての堅固なる石垣
2:16およびタルシシのすべての舟すべての慕ふべき美はしきものに臨むべし
2:17この日には高ぶる者はかがめられ 驕る人はひくくせられ 唯ヱホバのみ高くあげられ給はん
2:18かくて偶像はことごとく亡びうすべし
2:19ヱホバたちて地を震動したまふとき人々そのおそるべき容貌とその稜威の光輝とをさけて巖の洞と地の穴とにいらん
2:20その日人々おのが拜せんとて造れる白銀のぐうざうと黄金のぐうざうとを鼹鼠のあな蝙蝠の穴になげすて
2:21岩々の隙けはしき山峽にいり ヱホバの起て地をふるひうごかしたまふその畏るべき容貌と稜威のかがやきとを避ん
2:22なんぢら鼻より息のいでいりする人に倚ることをやめよ斯るものは何ぞかぞふるに足らん
第3章
3:1みよ主ばんぐんのヱホバ、ヱルサレムおよびユダの頼むところ倚ところなる凡てその頼むところの糧 すべてその頼むところの水
3:2勇士 戰士 審士 預言者 卜筮者 長老
3:3五十人の首 貴顯者 議官 藝に長たる者および言語たくみなるものを除去りたまはん
3:4われ童子をもてかれらの君とし嬰兒にかれらを治めしめん
3:5民たがひに相虐げ 人おのおのその隣をしヘたげ 童子は老たる者にむかひて高ぶり 賤しきものは貴きものに對ひてたかぶらん
3:6そのとき人ちちの家にて兄弟にすがりていはん 汝なほ衣あり われらの有司となりてこの荒敗をその手にてをさめよと
3:7その日かれ聲をあげていはん 我なんぢらを愈すものとなるを得じ わが家に糧なくまた衣なし 我をたてて民の有司とすることなかれと
3:8是かれらの舌と行爲とはみなヱホバにそむきてその榮光の目ををかししが故に ヱルサレムは敗れユダは仆れたればなり
3:9かれらの面色はその惡きことの證をなし ソドムのごとくその罪をあらはして隱すことをせざるなり かれらの靈魂はわざはひなるかな自らその惡の報をとれり
3:10なんぢら義人にいへ かならず福祉をうけんと 彼等はそのおこなひの實をくらふべければなり
3:11惡者はわざはひなる哉かならず災禍をうけん その手の報きたるべければなり
3:12わが民はをさなごに虐げられ婦女にをさめらる 唉わが民よなんぢを導くものは反てなんぢを迷はせ汝のゆくべき途を絶つ
3:13ヱホバ立いでて公理をのべ起てもろもろの民を審判し給ふ
3:14ヱホバ來りておのが民の長老ともろもろの君とをさばきて言給はん なんぢらは葡萄園をくひあらせり 貧きものより掠めとりたる物はなんぢらの家にあり
3:15いかなれば汝等わが民をふみにじり貧きものの面をすりくだくやと これ主萬軍のヱホバのみことばなり
3:16ヱホバまた言給はくシォンの女輩はおごり 項をのばしてあるき 眼にて媚をおくり 徐々としてあゆみゆくその足にはりんりんと音あり
3:17このゆゑに主シオンのむすめらの頭をかぶろにしヱホバ彼らの醜所をあらはし給はん
3:18その日主かれらが足にかざれる美はしき釧をとり 瓔珞 半月飾
3:19耳環 手釧 面帕
3:20華冠 脛飾 紳 香盒 符嚢
3:21指環 鼻環
3:22公服 上衣 外帔 金嚢
3:23鏡 細布の衣 首帕 被衣などを取除きたまはん
3:24而して馨はしき香はかはりて臭穣となり 紳はかはりて繩となり 美はしく編たる髪はかぶろとなり 華かなる衣はかはりて麁布のころもとなり 麗顔はかはりて烙鐵せられたる痕とならん
3:25なんぢの男はつるぎにたふれ なんぢの勇士はたたかひに仆るべし
3:26その門はなげきかなしみ シオンは荒廢れて地にすわらん
第4章
4:1その日七人のをんな一人の男にすがりていはん 我儕おのれの糧をくらひ己のころもを着るべし ただ我儕になんぢの名をとなふることを許してわれらの恥をとりのぞけと
4:2その日ヱホバの枝はさかえて輝かん 地よりなりいづるものの實はすぐれ並うるはしくして逃れのこれるイスラエルの益となるべし
4:3而してシオンに遣れるもの ヱルサレムにとどまれる者 すべて此等のヱルサレムに存ふる者のなかに録されたるものは聖ととなへられん
4:4そは主さばきするみたまと燒つくす靈とをもてシオンのむすめらの汚をあらひ ヱルサレムの血をその中よりのぞきたまふ期きたるべければなり
4:5爰にヱホバはシオンの山のすべての住所と もろもろの聚會とのうへに 晝は雲と煙とをつくり夜はほのほの光をつくり給はん あまねく榮のうへに覆庇あるべし
4:6また一つの假廬ありて 晝はあつさをふせぐ陰となり 暴風と雨とをさけてかくるる所となるべし
第5章
5:1われわが愛する者のために歌をつくり 我があいするものの葡萄園のことをうたはん わが愛するものは土肥たる山にひとつの葡萄園をもてり
5:2彼その園をすきかへし石をのぞきて嘉ぶだうをうゑ そのなかに望樓をたて酒榨をほりて嘉葡萄のむすぶを望みまてり 然るに結びたるものは野葡萄なりき
5:3さればヱルサレムに住るものとユダの人よ 請なんぢら我とわがぶだうぞのとの間をさばけ
5:4わが葡萄園にわれの作たるほか何のなすべき事ありや 我はよきぶだうの結ぶをのぞみまちしに 何なれば野葡萄をむすびしや
5:5然ばわれわが葡萄園になさんとすることを汝等につげん 我はぶだうぞのの籬芭をとりさりてその食あらさるるにまかせ その垣をこぼちてその踐あらさるるにまかせん
5:6我これを荒してふたたび剪ことをせず耕すことをせず棘と荊とをはえいでしめん また雲に命せてそのうヘに雨ふることなからしめん
5:7それ萬軍のヱホバの葡萄園はイスラエルの家なり その喜びたまふところの植物はユダの人なり これに公平をのぞみたまひしに反りて血をながし これに正義をのぞみ給ひしにかへりて號呼あり
5:8禍ひなるかな彼らは家に家をたてつらね 田圃に田圃をましくはへて 餘地をあまさず 己ひとり國のうちに住んとす
5:9萬軍のヱホバ我耳につげて宣はく 實におほくの家はあれすたれ大にして美しき家は人のすむことなきにいたらん
5:10十段のぶだうぞの僅かに一バテをみのり一ホメルの穀種はわづかに一エパを實るべし
5:11禍ひなるかなかれらは朝つとにおきて濃酒をおひもとめ 夜のふくるまで止まりてのみ 酒にその身をやかるるなり
5:12かれらの酒宴には琴あり 瑟あり 鼓あり 笛あり 葡萄酒あり されどヱホバの作爲をかへりみずその手のなしたまふところに目をとめず
5:13斯るが故にわが民は無知にして虜にせられ その貴顯者はうゑ そのもろもろの民は渇によりて疲れはてん
5:14また陰府はその欲望をひろくし その度られざる口をはる かれらの榮華 かれらの群衆 かれらの饒富 および喜びたのしめる人みなその中におつべし
5:15賤しき者はかがめられ 貴きものは卑くせられ 目をあげて高ぶる者はひくくせらるべし
5:16されど萬軍のヱホバは公平によりてあがめられ 聖なる神は正義によりて聖とせられ給ふべし
5:17而して小羊おのが牧場にあるごとくに草をはみ 豐かなるものの田はあれて旅客にくらはれん
5:18禍ひなるかな彼等はいつはりを繩となして惡をひき 索にて車をひくごとく罪をひけり
5:19かれらは云 その成んとする事をいそぎて速かになせ 我儕これを見ん イスラエルの聖者のさだむることを逼來らせよ われらこれを知んと
5:20禍ひなるかな かれらは惡をよびて善とし善をよびて惡とし 暗をもて光とし光をもて暗とし 苦をもて甘とし甘をもて苦とする者なり
5:21わざはひなる哉 かれらは己をみて智しとし自らかへりみて聰とする者なり
5:22禍ひなるかな かれらは葡萄酒をのむに丈夫なり 濃酒を和するに勇者なり
5:23かれらは賄賂によりて惡きものを義となし 義人よりその義をうばふ
5:24此によりて火舌の刈株をくらふがごとく また枯草の火焰のなかにおつるがごとく その根はくちはてその花は塵のごとくに飛さらん かれらは萬軍のヱホバの律法をすててイスラエルの聖者のことばを蔑したればなり
5:25この故にヱホバその民にむかひて怒をはなち 手をのべてかれらを撃たまヘり 山はふるひうごきかれらの屍は衢のなかにて糞土のごとくなれり 然はあれどヱホバの怒やまずして尚その手を伸したまふ
5:26かくて旗をたててとほき國々をまねき彼等をよびて地の極より來らしめたまはん 視よかれら趨りて速かにきたるべし
5:27その中には疲れたふるるものなく眠りまたは寢るものなし その腰の帯はとけずその履の紐はきれず
5:28その矢は鋭その弓はことごとく張り その馬のひづめは石のごとくその車の輪は疾風のごとしと稱へられん
5:29その嘷ること獅のごとく また小獅のごとく嘷うなりつつ獲物をつかみて掠去れども之をすくふ者なし
5:30その日かれらが嘯響めくこと海のなりどよめくがごとし もし地をのぞまば暗と難とありて光は黒雲のなかにくらくなりたるを見ん
第6章
6:1ウジヤ王のしにたる年われ高くあがれる御座にヱホバの坐し給ふを見しにその衣裾は殿にみちたり
6:2セラピムその上にたつ おのおの六の翼あり その二をもて面をおほひ その二をもて足をおほひ 其二をもて飛翔り
6:3たがひに呼いひけるは聖なるかな聖なるかな聖なるかな萬軍のヱホバ その榮光は全地にみつ
6:4斯よばはる者の聲によりて閾のもとゐ搖うごき家のうちに煙みちたり
6:5このとき我いへり 禍ひなるかな我ほろびなん 我はけがれたる唇の民のなかにすみて穢たるくちびるの者なるに わが眼ばんぐんのヱホバにまします王を見まつればなりと
6:6爰にかのセラピムのひとり鉗をもて壇の上よりとりたる熱炭を手にたづさへて我にとびきたり
6:7わが口に觸ていひけるは 視よこの火なんぢの唇にふれたれば旣になんぢの惡はのぞかれ なんぢの罪はきよめられたりと
6:8我またヱホバの聲をきく曰く われ誰をつかはさん誰かわれらのために往べきかと そのとき我いひけるはわれ此にあり我をつかはしたまヘ
6:9ヱホバいひたまはく往てこの民にかくのごとく告よ なんぢら聞てきけよ然どさとらざるべし 見てみよ然どしらざるべしと
6:10なんぢこの民のこころを鈍くしその耳をものうくし その眼をおほヘ 恐らくは彼らその眼にて見その耳にてきき その心にてさとり翻ヘりて醫さるることあらん
6:11ここに我いひけるは 主よいつまで如此あらんか 主こたヘたまはく 邑はあれすたれて住むものなく 家に人なく 邦ことごとく荒土となり
6:12人々ヱホバに遠方までうつされ 廢りたるところ國中におほくならん時まで 如此あるべし
6:13そのなかに十分の一のこる者あれども此もまた呑つくされん されど聖裔のこりてこの地の根となるべし彼のテレビントまたは橿樹がきらるることありともその根ののこるがごとし
第7章
7:1ウジヤの子ヨタムその子ユダヤ王アハズのとき アラムの王レヂンとレマリヤの子イスラエル王ペカと上りきたりてヱルサレムを攻しがつひに勝ことあたはざりき
7:2ここにアラムとエフライムと結合なりたりとダビデの家につぐる者ありければ 王のこころと民の心とは林木の風にうごかさるるが如くに動けり
7:3その時ヱホバ、イザヤに言たまひけるは今なんぢと汝の子シヤルヤシユブと共にいでて布をさらす野の大路のかたはらなる上池の樋口にゆきてアハズを迎へ
7:4これに告べし なんぢ 謹みて靜かなれ アラムのレヂン及びレマリヤの子はげしく怒るとも二の燼餘りたる煙れる片柴のごとし 懼るるなかれ心をよわくするなかれ
7:5アラム、エフライム及びレマリヤの子なんぢにむかひて惡き謀ごとを企てていふ
7:6われらユダに攻上りて之をおびやかし我儕のためにこれを破りとり タビエルの子をその中にたてて王とせんと
7:7されど主ヱホバいひたまはく この事おこなはれずまた成ことなし
7:8アラムの首はダマスコ、ダマスコの首はレヂンなり エフライムは六十五年のうちに敗れて國をなさざるべし
7:9またエフライムの首はサマリヤ、サマリヤの首はレマリヤの子なり 若なんぢら信ぜずばかならず立ことを得じと
7:10ヱホバ再びアハズに告ていひたまはく
7:11なんぢの神ヱホバに一の豫兆をもとめよ 或はふかき處あるひは上のたかき處にもとめよ
7:12アハズいひけるは我これを求めじ 我はヱホバを試むることをせざるべし
7:13イザヤいひけるは ダビデのいへよ請なんぢら聞 なんぢら人をわづらはしこれを小事として亦わが神をも煩はさんとするか
7:14この故に主みづから一の豫兆をなんぢらに賜ふべし 視よをとめ孕みて子をうまん その名をインマヌエルと稱ふべし
7:15かれ惡をすて善をえらぶことを知ころほひにいたりて乳酥と蜂蜜とをくらはん
7:16そはこの子いまだ惡をすて善をえらぶことを知ざるさきになんぢが忌きらふ兩の王の地はすてらるべし
7:17ヱホバはエフライムがユダを離れし時よりこのかた臨みしことなき日を汝となんぢの民となんぢの父の家とにのぞませ給はん是アツスリヤの王なり
7:18其日ヱホバ、エジプトなる河々のほとりの蠅をまねきアツスリヤの地の蜂をよびたまはん
7:19皆きたりて荒たるたに岩穴すべての荊棘すべての牧場のうヘに止まるべし
7:20その日主はかはの外ふより雇へるアツスリヤの王を剃刀として首と足の毛とを剃たまはん また髯をも除きたまふべし
7:21その日人わかき牝犢ひとつと羊ふたつとを飼をらん
7:22その出すところの乳おほきによりて乳酥をくらふことを得ん すべて國のうちに遺れるものは乳酥と蜂蜜とをくらふべし
7:23その日千株に銀一千の價をえたる葡萄ありし處もことごとく荊と棘はえいづべし
7:24荊とおどろと地にあまねきがゆゑに人々矢と弓とをもて彼處にゆくなり
7:25鋤をもて掘たがへしたる山々もいばらと棘のために人おそれてその中にゆくことを得じ その地はただ牛をはなち羊にふましむる處とならん
第8章
8:1ヱホバ我にいひたまひけるは一の大なる牌をとり そのうへに平常の文字にてマヘル シャラル ハシ バズと録せ
8:2われ信實の證者なる祭司ウリヤおよびエベレキヤの子ゼカリヤをもてその證をなさしむ
8:3われ預言者の妻にちかづきしとき彼はらみて子をうみければ ヱホバ我にいひたまはく その名をマヘル シャラル ハシ バズと稱へよ
8:4そはこの子いまだ我が父わが母とよぶことを知らざるうちに ダマスコの富とサマリヤの財寳はうばはれてアツスリヤ王のまへに到るべければなり
8:5ヱホバまた重て我につげたまへり云く
8:6この民はゆるやかに流るるシロアの水をすててレヂンとレマリヤの子とをよろこぶ
8:7此によりて主はいきほひ猛くみなぎりわたる大河の水をかれらのうヘに堰入たまはん 是はアツスリヤ王とそのもろもろの威勢とにして 百の支流にはびこり もろもろの岸をこえ
8:8ユダにながれいり 溢れひろごりてその項にまで及ばん インマヌエルよ そののぶる翼はあまねくなんぢの地にみちわたらん
8:9もろもろの民よ さばめき騒げなんぢら摧かるべし 遠きくにぐにの者よ きけ 腰におびせよ 汝等くだかるべし 腰に帯せよ なんぢら摧かるべし
8:10なんぢら互にはかれ つひに徒勞ならん なんぢら言をいだせ遂におこなはれじ そは神われらとともに在せばなり
8:11ヱホバつよき手をもて此如われに示し この民の路にあゆまざらんことを我にさとして言給はく
8:12此民のすべて叛逆ととなふるところの者をなんぢら叛逆ととなふるなかれ 彼等のおそるるところを汝等おそるるなかれ慴くなかれ
8:13なんぢらはただ萬軍のヱホバを聖としてこれを畏みこれを恐るべし
8:14然らばヱホバはきよき避所となりたまはん 然どイスラエルの兩の家には躓く石となり妨ぐる磐とならん ヱルサレムの民には網罟となり機濫とならん
8:15おほくの人々これによりて蹶きかつ仆れやぶれ 網せられまた捕へらるべし
8:16證詞をつかね律法をわが弟子のうちに封べし
8:17いま面をおほひてヤコブの家をかへりみ給はずといヘども 我そのヱホバを待そのヱホバを望みまつらん
8:18視よわれとヱホバが我にたまひたる子輩とはイスラエルのうちの豫兆なり奇しき標なり 此はシオンの山にいます萬軍のヱホバの與へたまふ所なり
8:19もし人なんぢらにつげて巫女および魔術者のさえづるがごとく細語がごとき者にもとめよといはば民はおのれの神にもとむべきにあらずや いかで活者のために死者にもとむることを爲んといへ
8:20ただ律法と證詞とを求むべし 彼等のいふところ此言にかなはずば晨光あらじ
8:21かれら國をヘあるきて苦みうゑん その飢るとき怒をはなち己が王おのが神をさして誼ひかつその面をうへに向ん
8:22また地をみれば艱難と幽暗とくるしみの闇とあり かれらは昏黒におひやられん
第9章
9:1今くるしみを受れども後には闇なかるべし 昔しはゼブルンの地ナフタリの地をあなどられしめ給ひしかど 後には海にそひたる地ヨルダンの外の地 ことくに人のガリラヤに榮をうけしめ給へり
9:2幽暗をあゆめる民は大なる光をみ 死蔭の地にすめる者のうへに光てらせり
9:3なんぢ民をましその歡喜を大にしたまひければ かれらは收穫時によろこぶがごとく掠物をわかつときに樂むがごとく汝の前によろこべり
9:4そは汝かれらがおへる軛とその肩の笞と虐ぐるものの杖とを折り これを折りてミデアンの日のごとくなし給ひたればなり
9:5すべて亂れたたかふ兵士のよろひと血にまみれたる衣とはみな火のもえくさとなりて焚るべし
9:6ひとりの嬰兒われらのために生れたり 我儕はひとりの子をあたヘられたり 政事はその肩にあり その名は奇妙また議士 また大能の神とこしへのちち 平和の君ととなヘられん
9:7その政事と平和とはましくははりて窮りなし 且ダビデの位にすわりてその國ををさめ今よりのちとこしへに公平と正義とをもてこれを立これを保ちたまはん 萬軍のヱホバの熱心これを成たまふべし
9:8主一言をヤコブにおくり之をイスラエルの上にのぞませ給へり
9:9すべてのこの民エフライムとサマリヤに居るものとは知ならん かれらは高ぶり誇る心をもていふ
9:10瓦くづるるともわれら斫石をもて建 くはの木きらるるともわれら香柏をもて之にかヘんと
9:11この故にヱホバ、レヂンの敵をあげもちゐてイスラエルを攻しめ その仇をたけび勇しめたまはん
9:12前にアラム人あり後にペシリテ人あり 口をはりてイスラエルを呑んとす 然はあれどヱホバの怒やまずして尚その手をのばしたまふ
9:13然どこの民はおのれをうつものに歸らず萬軍のヱホバを求めず
9:14斯るゆゑにヱホバ一日のうちに首と尾と椶櫚のえだと葦とをイスラエルより斷切たまはん
9:15その首とは老たるもの尊きもの その尾とは謊言をのぶる預言者をいふなり
9:16この民をみちびく者はこれを迷はせその引導をうくる者はほろぶるなり
9:17このゆゑに主はその少壯者をよろこびたまはず その孤兒と寡婦とを憐みたまはざるべし 是その民はことごとく邪まなり惡をおこなふ者なり おのおのの口は愚かなる言をかたればなり 然はあれどヱホバの怒やまずして尚その手をのばしたまふ
9:18惡は火のごとくもえ棘と荊とを食つくし茂りあふ林をやくべければみな煙となりむらがりて上騰らん
9:19萬軍のヱホバの怒によりて地はくろく燒 その民は火のもえくさとなり人々たがひに相憐むことなし
9:20人みぎに攫めどもなほ飢 ひだりに食へども尚あかず おのおのその腕の肉をくらふべし
9:21マナセはエフライムを エフライムはマナセをくらひ 又かれら相合てユダを攻めん 然はあれどヱホバの怒やまずして尚その手をのばしたまふ
第10章
10:1不義のおきてをさだめ暴虐のことばを録すものは禍ひなるかな
10:2かれらは乏きものの訴をうけず わが民のなかの貧しきものの權利をはぎ寡婦の資產をうばひ孤兒のものを掠む
10:3なんぢら懲しめらるる日きたらば何をなさんとするか 敗壞とほきより來らんとき何をなさんとするか なんぢら逃れゆきて誰にすくひを求めんとするか また何處になんぢらの榮をのこさんとするか
10:4ただ縛められたるものの下にかがみ 殺されたるもののしたに伏仆れんのみ 然はあれどヱホバのいかり止ずして尚ほその手をのばしたまふ
10:5咄アツスリヤ人 なんぢはわが怒の杖なり その手の笞はわが忿恚なり
10:6われ彼をつかはして邪曲なる國をせめ我かれに命じて我がいかれる民をせめてその所有をかすめその財寶をうばはしめ かれらを街の泥のごとくに蹂躪らしめん
10:7されどアツスリヤ人のこころざしは斯のごとくならず その心の念もまた斯のごとくならず そのこころは敗壞をこのみ あまたの國をほろぼし絶ん
10:8かれ云 わが諸侯はみな王にあらずや
10:9カルノはカルケミシの如く ハマテはアルパデの如く サマリヤはダマスコの如きにあらずや
10:10わが手は偶像につかふる國々を得たり その彫たる像はヱルサレムおよびサマリヤのものに勝れたり
10:11われ旣にサマリヤとその偶像とに行へるごとく亦ヱルサレムとその偶像とにおこなはざる可んやと
10:12このゆゑに主いひたまふ 我シオンの山とヱルサレムとに爲んとする事をことごとく遂をはらんとき 我アツスリヤ王のおごれる心の實とその高ぶり仰ぎたる眼とを罰すべし
10:13そは彼いヘらく われ手の力と智慧とによりて之をなせり 我はかしこし 國々の境をのぞき その獲たるものをうばひ 又われは丈夫にしてかの位に坐するものを下したり
10:14わが手もろもろの民のたからを得たりしは巣をとるが如く また天が下を取收めたりしは遺しすてたる卵をとりあつむるが如くなりき あるひは翼をうごかし あるひは口をひらき あるひは喃々する者もなかりしなりと
10:15斧はこれをもちゐて伐ものにむかひて己みづから誇ることをせんや 鋸は これを動かす者にむかひて己みづから高ぶることをせんや 此はあだかも笞がおのれを擧るものを動かし杖みづから木にあらざるものを擧んとするにひとし
10:16このゆゑに主萬軍のヱホバは肥たるものを瘠しめ 且その榮光のしたに火のもゆるが如き火焰をおこし給はん
10:17イスラエルの光は火のごとく その聖者はほのほの如くならん 斯て一日のうちに荊とおどろとを燒ほろぼし
10:18又かの林と土肥たる田圃の榮をうせしめ 靈魂をも身をもうせしめて病るものの衰へたるが如くなさん
10:19かつ林のうちに殘れる木わづかにして童子も算へうるが如くになるべし
10:20その日イスラエルの遺れる者とヤコブの家ののがれたる者とは再びおのれを撃し者にたよらず誠意をもてイスラエルの聖者ヱホバにたよらん
10:21その遺れるものヤコブの遺れるものは大能の神にかヘるべし
10:22ああイスラエルよ なんぢの民は海の沙のごとしといへども遺りて歸りきたる者はただ僅少ならん そは敗壞すでにさだまり義にて溢るべければなり
10:23主萬軍のヱホバの定めたまヘる敗壞はこれを徧く國内におこなひ給ふべし
10:24このゆゑに主萬軍のヱホバいひたまはく シオンに住るわが民よアツスリヤ人エジプトの例にならひ笞をもて汝をうち杖をあげて汝をせむるとも懼るるなかれ
10:25ただ頃刻にして忿恚はやまん 我がいかりは彼等をほろぼして息ん
10:26萬軍のヱホバむかしミデアン人をオレブの巖のあたりにて撃たまひしごとくに禍害をおこして之をせめ 又その杖を海のうへに伸しエジプトの例にしたがひてこれを擧たまはん
10:27その日かれの重荷はなんぢの肩より下 かれの軛はなんぢの頸よりはなれ その軛はあぶらの故をもて壞れん
10:28かれアイにきたりミグロンを過ミクマシにてその輜重をとどめ
10:29渡口をすぎてゲバに宿る ここに於てラマはをののきサウルギべア人は逃れはしれり
10:30ガリムの女よなんぢ聲をあげて叫べ ライシよ耳をかたぶけて聽け アナトテよなんぢも聲をあげよ
10:31マデメナはさすらひゲビムの民はのがれ走れり
10:32この日かれノブに立とどまり シオンのむすめの山ヱルサレムの岡にむかひて手をふりたり
10:33主ばんぐんのヱホバは雄々しくたけびてその枝を斷たまはん 丈高きものは伐おとされ聳えたる者はひくくせらるべし
10:34また銕をもて茂りあふ林をきり給はん レバノンは能力あるものに倒さるべし
第11章
11:1ヱツサイの株より一つの芽いで その根より一つの枝はえて實をむすばん
11:2その上にヱホバの靈とどまらん これ智慧聰明の靈 謀略才能の靈 知識の靈 ヱホバをおそるるの靈なり
11:3かれはヱホバを畏るるをもて歡樂とし また目みるところによりて審判をなさず 耳きくところによりて斷定をなさず
11:4正義をもて貧しき者をさばき 公平をもて國のうちの卑しき者のために斷定をなし その口の杖をもて國をうちその口唇の氣息をもて惡人をころすべし
11:5正義はその腰の帯となり 忠信はその身のおびとならん
11:6おほかみは小羊とともにやどり 豹は小山羊とともにふし 犢 をじし 肥たる家畜ともに居てちひさき童子にみちびかれ
11:7牝牛と熊とはくひものを同にし 熊の子と牛の子とともにふし 獅はうしのごとく藁をくらひ
11:8乳兒は毒蛇のほらにたはふれ 乳ばなれの兒は手をまむしの穴にいれん
11:9斯てわが聖山のいづこにても害ふことなく傷ることなからん そは水の海をおほへるごとくヱホバをしるの知識地にみつべければなり
11:10その日ヱツサイの根たちてもろもろの民の旂となり もろもろの邦人はこれに服ひきたり榮光はそのとどまる所にあらん
11:11その日主はまたふたたび手をのべてその民ののこれる僅かのものをアツスリヤ、エジプト、パテロス、エテオピア、エラム、シナル、ハマテおよび海のしまじまより贖ひたまふべし
11:12ヱホバは國々の爲に旂をたててイスラエルの逐やられたる者をあつめ地の四極よりユダの散失たるものを集へたまはん
11:13またエフライムの猜はうせ ユダを惱ますものは斷れ エフライムはユダをそねまず ユダはエフライムを惱ますことなかるべし
11:14かれらは西なるペリシテ人の境にとびゆき相共にひがしの子輩をかすめ その手をエドムおよびモアブにのべアンモンの子孫をおのれに服はしめん
11:15ヱホバ、エジプトの海汊をからし河のうへに手をふりて熱風をふかせ その河をうちて七の小流となし 履をはきて渉らしめたまはん
11:16斯てその民ののこれる僅かのものの爲にアツスリヤより來るべき一つの大路あり 昔しイスラエルがエジプトの地よりいでし時のごとくなるべし
第12章
12:1その日なんぢ言ん ヱホバよ我なんぢに感謝すべし 汝さきに我をいかり給ひしかどその怒はやみて我をなぐさめたまへり
12:2視よ神はわが救なり われ依頼ておそるるところなし 主ヱホバはわが力わが歌なり ヱホバは亦わが救となりたまへりと
12:3此故になんぢら欣喜をもて救の井より水をくむべし
12:4その日なんぢらいはん ヱホバに感謝せよ その名をよべ その行爲をもろもろの民の中につたヘよ その名のあがむべきことを語りつげよと
12:5ヱホバを頌うたヘ そのみわざは高くすぐれたればなり これを全地につたヘよ
12:6シオンに住るものよ聲をあげてよばはれ イスラエルの聖者はなんぢの中にて大なればなり
第13章
13:1アモツの子イザヤが示されたるバビロンにかかる重負の預言
13:2なんぢらかぶろの山に旂をたて聲をあげ手をふり彼等をまねきて貴族の門にいらしめよ
13:3われ旣にきよめ別ちたるものに命じ わが丈夫ほこりかにいさめる者をよびて わが怒をもらさしむ
13:4山におほくの人の聲きこゆ大なる民あるがごとし もろもろの國民のよりつどひて喧めく聲きこゆ これ萬軍のヱホバたたかひの軍兵を召したまふなり
13:5かれらはとほき國より天の極よりきたる これヱホバとその忿恚をもらす器とともに全國をほろぼさんとて來るなり
13:6なんぢら泣號ぶべしヱホバの日ちかづき全能者よりいづる敗亡きたるべければなり
13:7この故にすべての手はたれ凡の人のこころは消ゆかん
13:8かれら慴きおそれ艱難と憂とにせまられ 子をうまんとする婦のごとく苦しみ互におどろき 相みあひてその面は燄のごとくならん
13:9視よヱホバの日苛くして忿恚とはげしき怒とをもて來り この國をあらしその中よりつみびとを絶滅さん
13:10天のもろもろの星とほしの宿は光をはなたず 日はいでてくらく月は その光をかがやかさざるべし
13:11われ惡ことのために世をつみし 不義のために惡きものをばつし 驕れるものの誇をとどめ 暴ぶるものの傲慢をひくくせん
13:12われ人をして精金よりもすくなくオフルの黄金よりも少なからしめん
13:13かくて亦われ萬軍のヱホバの忿恚のとき烈しき怒りの日に天をふるはせ地をうごかしてその處をうしなはしむべし
13:14かれらは逐るる鹿のごとく集むるものなき羊のごとくなりて各自おのれの民にかへりおのれの國にのがれゆかん
13:15すべて其處にあるもの見出さるれば 刺れ 拘留らるるものは劍にたふされ
13:16彼等の嬰兒はその目前にてなげくだかれ その家財はかすめうばはれ その妻はけがさるべし
13:17視よわれ白銀をもかへりみず黄金をもよろこばざるメデア人をおこして之にむかはしめん
13:18かれらは弓をもて若きものを射くだき腹の實をあはれむことなく小子をみてをしむことなし
13:19すべての國の中にてうるはしくカルデヤ人がほこり飾となせるバビロンはむかし神にほろぼされたるソドム、ゴモラのごとくならん
13:20ここに住むもの永くたえ世々にいたるまで居ものなく アラビヤ人もかしこに幕屋をはらず牧人もまたかしこにはその群をふさすることなく
13:21ただ猛獸かしこにふし 吼るものその家にみち 鴕鳥かしこにすみ 牡山羊かしこに躍らん
13:22豺狼その城のなかになき野犬えいぐわの宮にさけばん その時のいたるは近きにあり その日は延ることなかるべし
第14章
14:1ヱホバ、ヤコブを憐みイスラエルをふたたび撰びて之をおのれの地におきたまはん 異邦人これに加りてヤコブの家にむすびつらなるべし
14:2もろもろの民はかれらをその處にたづさへいたらん而してイスラエルの家はヱホバの地にてこれを奴婢となし曩におのれを虜にしたるものを虜にし おのれを虐げたるものを治めん
14:3ヱホバなんぢの憂と艱難とをのぞき 亦なんぢが勤むるからき役をのぞきて安息をたまふの日
14:4なんぢこの歌をとなヘバビロン王をせめていはん虐ぐる者いかにして息みしや 金をはたる者いかにして息みしやと
14:5ヱホバあしきものの笞ともろもろの有司の杖とををりたまへり
14:6かれらは怒をもてもろもろの民をたえず撃てはうち 忿恚をもてもろもろの國ををさむれど その暴虐をとどむる者なかりき
14:7今は全地やすみを得おだやかを得 ことごとく聲をあげてうたふ
14:8實にまつの樹およびレバノンの香柏さへもなんぢの故により歡びていふ 汝すでに仆たれば樵夫のぼりきたりてわれらを攻ることなしと
14:9下の陰府はなんぢの故により動きて汝のきたるをむかへ世のもろもろの英雄の亡靈をおこし國々のもろもろの王をその位より起おこらしむ
14:10かれらは皆なんぢに告ていはん 汝もわれらのごとく弱くなりしや 汝もわれらと同じくなりしやと
14:11なんぢの榮華となんぢの琴の音はすでに陰府におちたり 蛆なんぢの下にしかれ蚯蚓なんぢをおほふ
14:12あしたの子明星よいかにして天より隕しや もろもろの國をたふしし者よいかにして斫れて地にたふれしや
14:13汝さきに心中におもへらく われ天にのぼり我くらゐを神の星のうへにあげ北の極なる集會の山にざし
14:14たかき雲漢にのぼり至上者のごとくなるべしと
14:15然どなんぢは陰府におとされ坑の最下にいれられん
14:16なんぢを見るものは熟々なんぢを視なんぢに目をとめていはん この人は地をふるはせ列國をうごかし
14:17世を荒野のごとくし もろもろの邑をこぼち 捕へたるものをその家にときかへさざりしものなるかと
14:18もろもろの國の王たちはことごとく皆たふとき狀にておのおのその家にねぶる
14:19然どなんぢは忌きらふべき枝のごとく おのが墓のそとにすてられその周圍には劍にて刺ころされ坑におろされ 石におほはれたる者ありて踐つけらるる屍にことならず
14:20汝おのれの國をほろぼし おのれの民をころししが故に かれらとおなじく葬らるることあたはず それ惡をおこなふものの裔はとこしへに名をよばるることなかるべし
14:21先祖のよこしまの故をもて その子孫のために戮場をそなへ 彼等をしてたちて地をとり世界のおもてに邑をみたすことなからしめよ
14:22萬軍のヱホバのたまはく 我立てかれらを攻めバビロンよりその名と遺りたるものとを絶滅し その子その孫をたちほろぼさんと これヱホバの聖言なり
14:23われバビロンを刺蝟のすみかとし沼とし且ほろびの箒をもてこれを掃除かんと これ萬軍のヱホバのみことばなり
14:24萬軍のヱホバ誓をたてて言給はくわがおもひし事はかならず成 わがさだめし事はかならず立ん
14:25われアツスリヤ人をわが地にてうちやぶり わが山々にてふみにじらん ここにおいて彼がおきし軛はイスラエル人よりはなれ 彼がおはせし重負はイスラエル人の肩よりはなるべし
14:26これは全地のことにつきて定めたる謀略なり 是はもろもろの國のうへに伸したる手なり
14:27萬軍のヱホバさだめたまへり誰かこれを破ることを得んや その手をのばしたまへり誰かこれを押返すことを得んや
14:28アハズ王の死たる年おもにの預言ありき
14:29曰く ペリシテの全地よなんぢをうちし杖をれたればとて喜ぶなかれ 蛇の根より蝮いでその果はとびかける巨蛇となるべければなり
14:30いと貧しきものはものくひ乏しきものは安然にふさん われ飢饉をもてなんぢの根をしなせ汝がのこれる者をころすべし
14:31門よなげけ邑よさけべ ペリシテよなんぢの全地きえうせたり そはけぶり北よりいできたり その軍兵の列におくるるものなし
14:32その國の使者たちに何とこたふべきや 答ヘていはん ヱホバ、シオンの基をおきたまへり その民のなかの苦しむものは避所をこの中にえん
第15章
15:1モアブにかかる重負のよげん 曰く/モアブのアルは一夜の間にあらされて亡びうせ モアブのキルは一夜のまに荒されてほろびうせん
15:2かれバイテおよびデボンの高所にのぼりて哭き モアブはネボ及びメデバの上にてなげきさけぶ おのおのその頭を禿にしその鬚をことごとく剃たり
15:3かれら麁服をきてその衢にあり 屋蓋または廣きところにて皆なきさけび悲しむこと甚だし
15:4ヘシボンとエレアレと叫びてその聲ヤハズにまで聞ゆ この故にモアブの軍兵こゑをあげ その靈魂うちに在てをののけり
15:5わが心モアブのために叫びよばはれり その貴族はゾアルおよびヱグラテシリシヤにのがれ 哭つつルヒテの坂をのぼり ホロナイムの途にて敗亡の聲をあぐ
15:6ニムリムの水はかわき草はかれ苗はつきて緑蔬あらず
15:7このゆゑに彼等はその獲たる富とその藏めたる物をたづさへて柳の河をわたらん
15:8その泣號のこゑはモアブの境をめぐり 悲歎のこゑはエグライムにいたり なげきの聲はべエルエリムにいたる
15:9デモンの水は血にて充 われデモンの上にひとしほ禍害をくはへ モアブの遁れたる者とこの地の遺りたるものとに獅をおくらん
第16章
16:1なんぢら荒野のセラより羔羊をシオンの女の山におくりて國の首にをさむべし
16:2モアブの女輩はアルノンの津にありてさまよふ鳥のごとく巣をおはれたる雛のごとくなるべし
16:3相謀りて審判をおこなひ 亭午にもなんぢの蔭を夜のごとくならしめ 驅逐人をかくし 遁れきたるものを顯はすなかれ
16:4わが驅逐人をなんぢとともに居しめ 汝モアブの避所となりて之をそこなふ者のまへより脱れしめよ 勒索者はうせ害ふものはたえ暴虐者は地より絶れん
16:5ひとつの位あはれみをもて堅くたち眞實をおこなふ者そのうヘに坐せん 彼ダビデの幕屋にをりて審判をなし公平をもとめて義をおこなふに速し
16:6われらモアブの傲慢をきけり その高ぶること甚だし われらその誇とたかぶりと忿恚とをきけり その大言はむなし
16:7この故にモアブはモアブの爲になきさけび民みな哭さけぶべし なんぢら必らず甚だしく心をいためてキルハレステの乾葡萄のためになげくべし
16:8そはヘシボンの畑とシブマのぶだうの樹とは凋みおとろヘたり その枝さきにはヤゼルにまでいたりて荒野にはびこりのびて海をわたりしが 國々のもろもろの主その美はしき枝ををりたり
16:9この故にわれヤゼルの哭とひとしくシブマの葡萄の樹のためになかん ヘシボンよエレアレよわが涙なんぢをひたさん そは鬨聲なんぢが果物なんぢが收穫の實のうへにおちきたればなり
16:10欣喜とたのしみとは土肥たる畑より取さられ 葡萄園には謳ふことなく歡呼ばふことなく酒榨にはふみて酒をしぼるものなし 我そのよろこびたつる聲をやめしめたり
16:11このゆゑにわが心腸はモアブの故をもて琴のごとく鳴ひびき キルハレスの故をもてわが衷もまた然り
16:12モアブは高處にいでて倦つかれその聖所にきたりて祈るべけれど驗あらじ
16:13こはヱホバが曩にモアブに就てかたりたまへる聖言なり
16:14されど今ヱホバかたりて言たまはくモアブの榮はその大なる群衆とともに傭人の期にひとしく 三年のうちに恥かしめをうけ 遺れる者はなはだ少なくして力なからん
第17章
17:1ダマスコにかかはる重負の預言 いはく/視よダマスコは邑のすがたをうしなひて荒墟となるべし
17:2アロエルの諸邑はすてられん獸畜のむれそこにすみてその伏やすめるをおびやかす者もなからん
17:3エフライムの城はすたりダマスコの政治はやみ スリアの遺れる者はイスラエルの子輩のさかえのごとく消うせん 是は萬軍のヱホバの聖言なり
17:4その日ヤコブの榮はおとろへその肥たる肉はやせて
17:5あだかも收穫人の麥をかりあつめ腕をもて穂をかりたる後のごとくレパイムの谷に穂をひろひたるあとの如くならん
17:6されど橄欖樹をうつとき二つ三の核を杪にのこし あるひは四つ五をみのりおほき樹の外面のえだに遺せるが如く採のこさるるものあるべし 是イスラエルの神ヱホバの聖言なり
17:7その日人おのれを造れるものを仰ぎのぞみイスラエルの聖者に目をとめん
17:8斯ておのれの手の工なる祭壇をあふぎ望まず おのれの指のつくりたるアシラの像と日の像とに目をとめじ
17:9その日かれが堅固なるまちまちは 昔イスラエルの子輩をさけてすてさりたる森のなか嶺のうへに今のこれる荒跡のごとく荒地となるべし
17:10そは汝おのがすくひの神をわすれ 己がちからとなるべき磐を心にとめざりしによる このゆゑになんぢ美くしき植物をうゑ異やうの枝をさし
17:11かつ植たる日に籬をまはし朝に芽をいださしむれども 患難の日といたましき憂の日ときたりて收穫の果はとびさらん
17:12唉おほくの民はなりどよめけり海のなりどよめく如くかれらも鳴動めけり もろもろの國はなりひびけり大水のなりひびくが如くかれらも鳴響けり
17:13もろもろの國はおほくの水のなりひびくがごとく鳴響かん されど神かれらを攻たまふべし かれら遠くのがれて風にふきさらるる山のうヘの粃糠のごとく また旋風にふきさらるる塵のごとくならん
17:14視よゆふぐれに恐怖あり いまだ黎明にいたらずして彼等は亡たり これ我儕をかすむる者のうくべき報われらを奪ふもののひくべき鬮なり
第18章
18:1唉エテオピアの河の彼方なるさやさやと羽音のきこゆる地
18:2この地蒹のふねを水にうかべ海路より使者をつかはさんとてその使者にいへらく 疾走る使よなんぢら河々の流のわかるる國にゆけ丈たかく肌なめらかなる 始めより今にいたるまで懼るべく繩もてはかり人を踐にじる民にゆけ
18:3すべて世にをるもの地にすむものよ 山のうへに旗のたつとき汝等これを見ラッパの鳴響くときなんぢら之をきけ
18:4そはヱホバわれに如此いひ給へりいはく 空はれわたり日てり收穫の熱むしてつゆけき雲のたるる間 われわが居所にしづかに居てながめん
18:5收穫のまへにその芽またく生その花ぶだうとなりて熟せんとするとき かれ鎌をもて蔓をかり枝をきり去ん
18:6斯てみな山のたけきとりと地の獸とになげあたへらるべし 猛鳥そのうヘにて夏をすごし地のけものその上にて冬をわたらん
18:7そのとき河々の流のわかるる國の丈たかく肌なめらかなる 始めより今にいたるまで懼るべく繩もてはかり人をふみにじる民より 萬軍のヱホバにささぐる禮物をたづさへて 萬軍のヱホバの聖名のところシオンの山にきたるべし
第19章
19:1エジプトにかかる重負のよげん いはく/ヱホバははやき雲にのりてエジプトに來りたまふ エジプトのもろもろの偶像はその前にふるひをののき エジプト人のこころはその衷にて消ゆかん
19:2我エジプト人をたけび勇ましめてエジプト人を攻しめん斯てかれら各自その兄弟をせめおのおのその鄰をせめ 邑は邑をせめ國はくにを攻べし
19:3エジプト人の靈魂うせてその中むなしくならん われその謀略をほろぼすべし かれらは偶像および呪文をとなふるもの巫女魔術者にもとむることを爲ん
19:4われエジプト人を苛酷なる主人の手にわたさん あらあらしき王かれらを治むべし是主萬軍のヱホバの聖言なり
19:5海の水はつき河もまた涸てかわかん
19:6また河々はくさき臭をはなちエジプトの堭はみな漸次にへりてかわき葦と蘆とかれはてん
19:7ナイルのほとりの草原ナイルの岸にほどちかき所すべてナイルの最寄にまきたる者はことごとく枯てちりうせん
19:8漁者もまた歎き すべてナイルに釣をたるる者はかなしみ網を水のうへに施ものはおとろふべし
19:9練たる麻にて物つくるもの白布を織ものは恥あわて
19:10その柱はくだけ一切のやとはれたる者のこころ憂ひかなしまん
19:11誠やゾアンの諸侯は愚なりパロの最もかしこき議官のはかりごとは癡鈍べし 然ばなんぢら何でパロにむかひて我はかしこきものの子 われは古への王の子なりといふを得んや
19:12なんぢの智者いづくにありや 彼らもし萬軍のヱホバの定めたまひしエジプトに係はることを暁得ばこれをなんぢに告るこそよけれ
19:13ゾアンのもろもろの諸侯は愚かなり ノフの諸侯は惑ひたり かれらはエジプトのもろもろの支派の隅石なるに却てエジプトをあやまらせたり
19:14ヱホバ曲れる心をその中にまじへ給ひしにより 彼等はエジプトのすべて作ところを謬らせ恰かも酔る人の哇吐ときによろめくが如くならしめたり
19:15エジプトにて或は首あるひは尾あるひは椶櫚のえだまたは葦すべてその作ところの工なかるべし
19:16その日エジプトは婦女のごとくならん 萬軍のヱホバの動かしたまふ手のその上にうごくが故におそれをののくべし
19:17ユダの地はエジプトに懼れらる この事をかたりつぐれば聽くもの皆おそる これ萬軍のヱホバ、エジプトに對ひて定めたまへる謀略の故によるなり
19:18その日エジプトの地に五の邑あり カナンの方言をかたりまた萬軍のヱホバに誓ひをたてん その中のひとつは日邑ととなへらるべし
19:19その日エジプトの地の中にヱホバをまつる一つの祭壇あり その境にヱホバをまつる一柱あらん
19:20これエジプトの地にて萬軍のヱホバの徴となり證となるなり かれら暴虐者の故によりてヱホバに號求むべければ ヱホバは救ふもの護るものを遣してこれを助けたまはん
19:21ヱホバおのれをエジプトに知せたまはん その日エジプト人はヱホバをしり犠牲と祭物とをもて之につかへん 誓願をヱホバにたてて成とぐべし
19:22ヱホバ、エジプトを撃たまはん ヱホバこれを撃これを醫したまふ この故にかれらヱホバに歸らん ヱホバその懇求をいれて之をいやし給はん
19:23その日エジプトよりアツスリヤにかよふ大路ありて アツスリヤ人はエジプトにきたり エジプト人はアツスリヤにゆき エジプト人とアツスリヤ人と相共につかふることをせん
19:24その日イスラエルはエジプトとアツスリヤとを共にし三あひならび地のうへにて福祉をうくる者となるべし
19:25萬軍のヱホバこれを祝して言たまはく わが民なるエジプトわが手の工なるアツスリヤわが產業なるイスラエルは福ひなるかな
第20章
20:1アツスリヤのサルゴン王タルタンを遣してアシドドにゆかしむ 彼がアシドドを攻てとりし年にあたり
20:2この時ヱホバ、アモツの子イザヤに托てかたりたまはく 往なんぢの腰よりあらたへの衣をとき汝の足より履をぬげ ここに於てかれその如くなし赤裸跣足にて歩めり
20:3ヱホバ言給く わが僕イザヤは三年の間はだかはだしにてあゆみ エジプトとエテオピアとの豫兆となり奇しき標となりたり
20:4斯のごとくエジプトの虜とエテオピアの俘囚とはアツスリヤの王にひきゆかれ その若きも老たるもみな赤裸跣足にて臀までもあらはしエジプトの恥をしめすべし
20:5かれらはその恃とせるエテオピアその誇とせるエジプトのゆゑをもて懼れはぢん
20:6その日この浜邊の民いはん 視よ われらの恃とせる國われらが遁れゆきて助をもとめアツスリヤ王の手より救出されんとせし國すでに斯のごとし 我儕はいかにして脱かるるを得んやと
第21章
21:1うみべの荒野にかかる重負のよげん いはく/荒野よりおそるべき地より南のかたの暴風のふきすぐるが如くきたれり
21:2われ苛き默示をしめされたり 欺騙者はあざむき荒すものはあらすべし エラムよ上れメデアよかこめ 我すでにすべての歎息をやめしめたり
21:3この故にわが腰は甚だしくいたみ 產にのぞめる婦人の如き苦しみ我にせまれり われ悶へ苦しみて聞ことあたはず我をののきて見ことあたはず
21:4わが心みだれまどひて慴き怖ること甚だし わが樂しめる夕はかはりて懼れとなりぬ
21:5彼らは席をまうけ筵をしきてくひのみす もろもろの君よたちて盾にあぶらぬれ
21:6ヱホバかく我にいひ給へり 汝ゆきて斥候をおきその見るところを告しめよ
21:7かれ馬にのりて二列にならび來るものを見 また驢馬にのりたると駱駝にのりたるとをみば 耳をかたぶけて詳細にきくことをせしめよと
21:8かれ獅の如く呼はりて曰けるは わが主よわれ終日やぐらに立よもすがら斥候の地にたつ
21:9馬にのりて二列にならびたる者きたれり 彼こたへていはくバビロンは倒れたり 倒れたりそのもろもろの神の像はくだけて地にふしたり
21:10蹂躙らるるわが民よわが打場のたなつものよ 我イスラエルの神萬軍のヱホバに聞るところのものを汝につげたり
21:11ドマに係るおもにの預言 いはく/人ありセイルより我をよびていふ 斥候よ夜はなにのときぞ 斥候よ夜はなにの時ぞ
21:12ものみ答へていふ 朝きたり夜またきたる 汝もしとはんとおもはば問 なんぢら歸りきたるべし
21:13アラビヤにかかる重負のよげん 曰く/デダンの客商よなんぢらはアラビヤの林にやどらん
21:14テマの地のたみよ水をたづさへて渇ける者をむかへ 糧をもて逃遁れたるものを迎へよ
21:15かれらは刃をさけ 旣にぬきたる劍すでに張たる弓およびたたかひの艱難をさけて逃きたれり
21:16そは主われにいひたまはく 傭人の期にひとしく一年のうちにケダルのすべての榮華はつきはてん
21:17そののこれる弓士のかずとケダルの子孫のますらをとは少なかるべし 此はイスラエルの神ヱホバのかたり給へるなり
第22章
22:1異象の谷にかかる重負のよげん 曰く/なんぢら何故にみな屋蓋にのぼれるか
22:2汝はさわがしく喧すしき邑ほこりたのしむ邑 なんぢのうちの殺されたるものは劍をもて殺されしにあらず 亦たたかひにて死しにもあらず
22:3なんぢの有司はみな共にのがれゆきしかど弓士にいましめられ 汝の民はとほくにげゆきしかど見出されて皆ともに縛められたり
22:4この故にわれいふ回顧てわれを見るなかれ 我いたく哭かなしまん わが民のむすめの害はれたるによりて我をなぐさめんと勉むるなかれ
22:5そは主萬軍のヱホバ異象のたにに騒亂ふみにじり惶惑の日をきたらせたまふ 垣はくづれ號呼のこゑは山々にきこゆ
22:6エラムは箙をおひたり 歩兵と騎兵とありキルは盾をあらはせり
22:7かくて戰車はなんぢの美しき谷にみち 騎兵はその門にむかひてつらなれり
22:8ユダの庇護はのぞかる その日なんぢは林のいへの武具をあふぎのぞめり
22:9なんぢらダビデのまちの壞おほきを見る なんぢら下のいけの水をあつめ
22:10またヱルサレムの家をかぞへ且その家をこぼちて垣をかたくし
22:11一つの水坑をかきとかきとの間につくりて古池の水をひけりされどこの事をなし給へるものを仰望まず この事をむかしより營みたまへる者をかへりみざりき
22:12その日主萬軍のヱホバ命じて哭かなしみ首をかぶろにし麁服をまとへと仰せたまひしかど
22:13なんぢらは喜びたのしみ牛をほふり羊をころし肉をくらひ酒をのみていふ 我儕くらひ且のむべし明日はしぬべければなりと
22:14萬軍のヱホバ默示をわが耳にきかしめたまはく まことにこの邪曲はなんぢらが死にいたるまで除き清めらるるを得ずと これ主萬軍のヱホバのみことばなり
22:15主ばんぐんのエホバ如此のたまふ ゆけ宮ををさめ庫をつかさどるセブナにゆきていへ
22:16なんぢここに何のかかはりありや また茲にいかなる人のありとして己がために墓をほりしや 彼はたかきところに墓をほり磐をうがちて己がために住所をつくれり
22:17視よヱホバはつよき人のなげうつ如くに汝をなげうち給はん
22:18なんぢを包みかためふりまはして闊かなる地に球のごとくなげいだしたまはん 主人のいへの恥となるものよ汝そこにて死そのえいぐわの車もそこにあらん
22:19我なんぢをその職よりおひその位よりひきおとさん
22:20その日われわが僕ヒルキヤの子エリアキムを召て
22:21なんぢの衣をきせ汝の帯をもて固め なんぢの政權をその手にゆだぬべし 斯て彼ヱルサレムの民とユダの家とに父とならん
22:22我またダビデのいへの鑰をその肩におかん 彼あくればとづるものなく彼とづればあくるものなし
22:23我かれをたてて堅處にうちし釘のごとくすべし 而してかれはその父の家のさかえの位とならん
22:24その父の家のもろもろの榮は彼がうへに懸る その子その孫およびすべての器のちひさきもの皿より瓶子にいたるまでも然らざるなし
22:25萬軍のヱホバのたまはくその日かたき處にうちたる釘はぬけいで斫れておちん そのうへにかかれる負もまた絶るべし こはヱホバ語り給へるなり
第23章
23:1ツロに係るおもにの預言 いはく/タルシシのもろもろの舟よなきさけベ ツロは荒廢れて屋なく入べきところなければなり かれら此事をキツテムの地にて告しらせらる
23:2うみべの民よもだせ 曩には海をゆきかふシドンの商賣くさぐさの物をかしこに充せたり
23:3ツロは大なる水をわたりくるシホルの種物とナイルがはの穀物とによりて収納をえたり ツロはもろもろの國のつどふ市なりき
23:4シドンよはづべし そは海すなはち海城かくいへり曰く われ苦しまずうまず壯男をやしなはず處女をそだてざりきと
23:5この音信のエジプトにいたるとき彼等ツロのおとづれによりて甚くうれふべし
23:6なんぢらタルシシにわたれ 海邊のたみよ汝等なきさけぶべし
23:7これは上れる世いにしへよりありし邑おのが足にてうつり遠くたびずまひせる邑なんぢらの樂しみの邑なりしや
23:8斯のごとくツロに對ひてはかりしは誰なるか ツロは冕をさづけし邑 その中のあきうどは君 その中の貿易するものは地のたふとき者なりき
23:9これ萬軍のヱホバの定め給ふところにして すべて華美にかざれる驕奢をけがし地のもろもろの貴者をひくくしたまはんが爲なり
23:10タルシシの女よナイルのごとく己が地にあふれよ なんぢを結びかたむる帯ふたたびなかるべし
23:11ヱホバその手を海の上にのべて國々をふるひうごかし給へり ヱホバ、カナンにつきて詔命をいだしその保砦をこぼたしめたまふ
23:12彼いひたまはく虐げられたる處女シドンのむすめよ 汝ふたたびよろこぶことなかるべし 起てキツテムにわたれ彼處にてなんぢまた安息をえじ
23:13カルデヤ人のくにを視よ この民はふたたびあることなし アツスリヤ人この國を野のけものの居所にさだめたり かれら櫓をたてもろもろの殿をこぼちて荒墟となせり
23:14タルシシのもろもろの舟よなきさけべ なんぢの保砦はくだかれたり
23:15その日ツロは七十年のあひだ忘れらるべし ひとりの王のながらふる日のかずなり七十年終りてのちツロは妓女のうたの如くならん
23:16さきに忘れられたるうかれめよ琴をとりて城市をへめぐり 巧に弾じておほくの歌をうたひ人にふたたび記念らるべし
23:17七十年をはりてヱホバまたツロを顧みたまはん ツロはふたたびその利潤をえて地のおもてにあるもろもろの國と淫をおこなふべし
23:18その貿易とその獲たる利潤とはきよめてヱホバに獻ぐべければ之をたくはへず積ことをせざるなり その貿易はヱホバの前にをるものの用となり飽くらふ料となり華美なるころもの料とならん
第24章
24:1視よヱホバこの地をむなしからしめ荒廢れしめこれを覆へしてその民をちらしたまふ
24:2かくて民も祭司もひとしく 僕も主もひとしく 下婢も主婦もひとしく 買ものも賣ものもひとしく 貸ものも借ものもひとしく 利をはたるものも利をいだす者もひとしくこの事にあふべし
24:3地はことごとく空しくことごとく掠められん こはヱホバの言たまへるなり
24:4地はうれへおとろへ世は萎おとろへ地のたふときものも萎はてたり
24:5民おきてにそむき法ををかし とこしへの契約をやぶりたるがゆゑに 地はその下にけがされたり
24:6このゆゑに呪詛は地をのみつくしそこに住るものは罪をうけまた地の民はやかれて僅かばかり遺れり
24:7あたらしき酒はうれへ葡萄はなえ 心たのしめるものはみな歎息せざるはなし
24:8鼓のおとは寂まり歡ぶものの聲はやみ琴の音もまたしづまれり
24:9彼等はふたたび歌うたひ酒のまず濃酒はこれをのむものに苦くなるべし
24:10騒ぎみだれたる邑はすでにやぶられ毎家はことごとく閉て人のいるなし
24:11街頭には酒の故によりて叫ぶこゑあり すべての歡喜はくらくなり地のたのしみは去ゆけり
24:12邑はあれすたれたる所のみのこり その門もこぼたれて破れぬ
24:13地のうちにてもろもろの民のなかにて遺るものは橄欖の樹のうたれしのちの果の如く葡萄の収穫はてしのちの實のごとし
24:14これらのもの聲をあげてよばはん ヱホバの稜威のゆゑをもて海より歡びよばはん
24:15この故になんぢら東にてヱホバをあがめ 海のしまじまにてイスラエルの神ヱホバの名をあがむべし
24:16われら地の極より歌をきけり いはく榮光はただしきものに歸すと/われ云らく我やせおとろへたり我やせおとろへたり 我はわざはひなるかな 欺騙者はあざむき欺騙者はいつはりをもて欺むけり
24:17地にすむものよ恐怖と陷阱と罟とはなんぢに臨めり
24:18おそれの聲をのがるる者はおとしあなに陷り おとしあなの中よりいづるものは罟にかかるべし そは高處の窓ひらけ地の基ふるひうごけばなり
24:19地は碎けにくだけ地はやぶれにやぶれ地は搖にゆれ
24:20地はゑへる者のごとく蹌きによろめき仮廬のごとくふりうごく その罪はそのうへにおもく遂にたふれて再びおくることなし
24:21その日ヱホバはたかき處にて高きところの軍兵を征め 地にて地のもろもろの王を征めたまはん
24:22かれらは囚人が阱にあつめらるるごとく集められて 獄中にとざされ多くの日をへてのち刑せらるべし
24:23かくて萬軍のヱホバ、シオンの山およびヱルサレムにて統治め かつその長老たちのまへに榮光あるべければ 月は面あからみ日ははぢて色かはるべし
第25章
25:1ヱホバよ汝はわが神なり 我なんぢを崇めなんぢの名をほめたたへん 汝さきに妙なる事をおこなひ 古時より定めたることを眞實をもて成たまひたればなり
25:2なんぢ邑をかへて石堆となし 堅固なる城を荒墟となし 外人の京都を邑とならしめず永遠にたつることを得ざらしめたまへり
25:3この故につよき民はなんぢをあがめ 暴びたる國々の城はなんぢをおそるべし
25:4そはなんぢ弱きものの保砦となり 乏しきものの難のときの保砦となり 雨風のふききたりて垣をうつごとく暴ぶるものの荒きたるときの避所となり 熱をさくる蔭となりたまへり
25:5なんぢ外人の喧嘩をおさへて旱ける地より熱をとりのぞく如くならしめ 暴ぶるものの凱歌をとどめて雪の陰をもて熱をとどむる如くならしめたまはん
25:6萬軍のヱホバこの山にてもろもろの民のために肥たるものをもて宴をまうけ 久しくたくはへたる葡萄酒をもて宴をまうく 膸おほき肥たるもの久しくたくはへたる清るぶだう酒の宴なり
25:7又この山にてもろもろの民のかぶれる面帕と もろもろの國のおほへる外帔をとりのぞき
25:8とこしへまで死を呑たまはん 主ヱホバはすべての面より涙をぬぐひ 全地のうへよりその民の凌辱をのぞき給はん これはヱホバの語りたまへるなり
25:9その日此如いはん これはわれらの神なり われら俟望めり 彼われらを救ひたまはん 是ヱホバなり われらまちのぞめり 我儕そのすくひを歡びたのしむべしと
25:10ヱホバの手はこの山にとどまり モアブはその處にてあくたの水のなかにふまるる藁のごとく蹂躙られん
25:11彼そのなかにて游者のおよがんとして手をのばすが如く己が手をのばさん 然どヱホバその手の脆計とともにその傲慢を伏たまはん
25:12なんぢの垣たかき堅固なる城はヱホバかたぶけたふし 地におとして塵にまじへたまはん
第26章
26:1その日ユダの國にてこの歌をうたはん われらに堅固なる邑あり 神すくひをもてその垣その藩となしたまふべし
26:2なんぢら門をひらきて忠信を守るただしき國民をいれよ
26:3なんぢは平康にやすきをもて心志かたき者をまもりたまふ 彼はなんぢに依頼めばなり
26:4なんぢら常盤にエホバによりたのめ 主ヱホバはとこしへの巌なり
26:5たかきに居るものを仆し そびえたる城をふせしめ 地にふせしめて塵にまじへ給へり
26:6かくて足これをふまん 苦しむものは足にて之をふみ 貧しき者はその上をあゆまん
26:7義きものの道は直からざるなし なんぢ義きものの途を直く平らかにし給ふ
26:8ヱホバよ審判をおこなひたまふ道にてわれら汝をまちのぞめり われらの心はなんぢの名となんぢの記念の名とをしたふなり
26:9わがこころ夜なんぢを慕ひたり わがうちなる靈あしたに汝をもとめん そは汝のさばき地におこなはるるとき世にすめるもの正義をまなぶべし
26:10惡者はめぐまるれども公義をまなばず 直き地にありてなほ不義をおこなひヱホバの稜威を見ることをこのまず
26:11ヱホバよなんぢの手たかく擧れどもかれら顧みず 然どなんぢが民をすくひたまふ熱心を見ばはぢをいだかん 火なんぢの敵をやきつくすべし
26:12ヱホバよ汝はわれらのために平和をまうけたまはん 我儕のおこなひしことは皆なんぢの成たまへるなり
26:13ヱホバわれらの神よなんぢにあらぬ他の主ども曩にわれらを治めたり 然どわれらはただ汝によりて汝の名をかたりつげん
26:14かれら死たればまたいきず 亡靈となりたればまた復らず なんぢかれらを糺してこれを滅ぼし その記念の名をさへ悉くうせしめたまへり
26:15ヱホバよなんぢこの國民をましたまへり此くにびとを増たまへり なんぢは尊ばれたまふ なんぢ地の界をことごとく擴めたまへり
26:16ヱホバよかれら苦難のときに汝をあふぎのぞめり 彼等なんぢの懲罰にあへるとき切になんぢに禱告せり
26:17ヱホバよわれらは孕める婦のうむとき近づきてくるしみ その痛みによりて叫ぶがごとく汝のまへに然ありき
26:18われらは孕みまた苦しみたれどその產るところは風ににたり われら救を地にほどこさず世にすむ者うまれいでざりき
26:19なんぢの死者はいきわが民の屍はおきん 塵にふすものよ醒てうたうたふべし なんぢの露は草木をうるほす露のごとく地はなきたまをいださん
26:20わが民よゆけ なんぢの室にいり汝のうしろの戸をとぢて忿恚のすぎゆくまで暫時かくるべし
26:21視よヱホバはその處をいでて地にすむものの不義をただしたまはん 地はその上なる血をあらはにして殺されたるものをまた掩はざるべし
第27章
27:1その日ヱホバは硬く大いなるつよき劍をもて 疾走るへびレビヤタン曲りうねる蛇レビヤタンを罰しまた海にある鱷をころし給ふべし
27:2その日如此うたはん うるはしき葡萄園あり之をうたへよ
27:3われヱホバこれを護り をりをり水そそぎ 夜も晝もまもりて害ふものあらざらしめん
27:4我にいきどほりなし願はくは荊棘のわれと戰はんことを 然ばわれすすみ迎へて皆もろともに焚盡さん
27:5寧ろわが力にたよりて我とやはらぎを結べ われと平和をむすぶべし
27:6後にいたらばヤコブは根をはりイスラエルは芽をいだして花さきその實せかいの面にみちん
27:7ヤコブ主にうたるるといへども彼をうちしものの主にうたるるが如きことあらんや ヤコブの殺さるるは彼をころししものの殺さるるが如きことあらんや
27:8汝がヤコブを逐たまへる懲罰は度にかなひぬ 東風のふきし日なんぢあらき風をもてこれをうつし給へり
27:9斯るがゆゑにヤコブの不義はこれによりて潔められん これに因てむすぶ果は罪をのぞくことをせん 彼は祭壇のもろもろの石を碎けたる石灰のごとくになし アシラの像と日の像とをふたたび建ることなからしめん
27:10堅固なる邑はあれてすさまじく棄去れたる家のごとく また荒野のごとし 犢このところにて草をはみ此所にてふし 且そこなる樹のえだをくらはん
27:11その枝かるるとき折とらる 婦人きたりてこれを燒ん これは無知の民なるが故に之をつくれる者あはれまず これを形づくれるもの惠まざるべし
27:12その日なんぢらイスラエルの子輩よ ヱホバは打落したる果をあつむるごとく 大河の流よりエジプトの川にいたるまでなんぢらを一つ一つにあつめたまふべし
27:13その日大なるラッパ鳴ひびきアツスリヤの地にさすらひたる者 エジプトの地におひやられたる者 きたりてヱルサレムの聖山にてヱホバを拜むべし
第28章
28:1酔るものなるエフライム人よなんぢらの誇の冠はわざはひなるかな 酒におぼるるものよ肥たる谷の首にある凋んとする花のうるはしき飾はわざはひなるかな
28:2みよ主はひとりの力ある强剛者をもち給へり それは雹をまじへたる暴風のごとく壞りそこなふ狂風のごとく大水のあぶれ漲るごとく烈しくかれを地になげうつべし
28:3酔るものなるエフライム人のほこりの冠は足にて踐にじられん
28:4肥たる谷のかしらにある凋んとする花のうるはしきかざりは 夏こぬに熟したる初結の無花果のごとし 見るものこれをみて取る手おそしと呑いるるなり
28:5その日萬軍のヱホバその民ののこれる者のために榮のかんむりとなり美しき冠となり給はん
28:6さばきの席にざするものには審判の靈をあたへ軍を門よりおひかへす者には力をあたへ給ふべし
28:7然どかれらも酒によりてよろめき濃酒によりてよろぼひたり 祭司と預言者とは濃酒によりてよろめき 酒にのまれ濃酒によりてよろぼひ 而して默示をみるときにもよろめき審判をおこなふときにも躓けり
28:8すべて膳には吐たるものと穢とみちて潔きところなし
28:9かれは誰にをしへて知識をあたへんとするか 誰にしめして音信を暁らせんとするか 乳をたち懷をはなれたる者にするならんか
28:10そは誡命にいましめをくはへ誡命にいましめをくはへ 度にのりをくはへ度にのりをくはへ 此にもすこしく彼にもすこしく教ふ
28:11このゆゑに神あだし唇と異なる舌とをもてこの民にかたりたまはん
28:12曩にかれらに言たまひけるは此は安息なり疲困者にやすみをあたへよ 此は安慰なりと されど彼らは聞ことをせざりき
28:13斯るがゆゑにヱホバの言かれらにくだりて 誡命にいましめをくはへ誡命にいましめをくはへ 度にのりをくはへ度にのりをくはへ 此にもすこしく彼にも少しくをしへん 之によりて彼等すすみてうしろに仆れそこなはれ罟にかかりて捕へらるべし
28:14なんぢら此ヱルサレムにある民ををさむるところの輕慢者よヱホバの言をきけ
28:15なんぢらは云り 我ら死と契約をたて陰府とちぎりをむすべり 漲りあふるる禍害のすぐるときわれらに來らじ そはわれら虛僞をもて避所となし欺詐をもて身をかくしたればなりと
28:16このゆゑに神ヱホバかくいひ給ふ 視よわれシオンに一つの石をすゑてその基となせり これは試をへたる石たふとき隅石かたくすゑたる石なり これに依頼むものはあわつることなし
28:17われ公平を準繩とし正義を錘とす 斯て雹はいつはりにてつくれる避所をのぞきさり水はその匿れたるところに漲りあふれん
28:18汝らが死とたてし契約はきえうせ陰府とむすべるちぎりは成ことなし されば漲り溢るるわざはひのすぐるとき汝等はこれに踐たふさるべし
28:19その過るごとになんぢらを捕へん 朝々にすぎ晝も夜もすぐ この音信をきき わきまふるのみにても慴きをるなり
28:20その狀は床みじかくして身をのぶることあたはず 衾せまくして身をおほふこと能はざるが如し
28:21そはヱホバ往昔ペラヂムの山にて起たまひしがごとくにたち ギベオンの谷にて忿恚をはなちたまひしが如くにいきどほり 而してその所爲をおこなひ給はん 奇しき所爲なり その工を成たまはん 異なる工なり
28:22この故になんぢら侮るなかれ 恐くはなんぢらの縲絏きびしくならん 我すでに全地のうへにさだまれる敗亡あるよしを主萬軍のヱホバより聞たればなり
28:23なんぢら耳をかたぶけてわが聲をきけ懇ろにわが言をきくべし
28:24農夫たねをまかんに何で日々たがへし日々その地をすき その土塊をくだくことのみを爲んや
28:25もし地の面をたひらかにせばいかで罌粟をまき 馬芹の種をおろし 小麥をうねにうゑ 大麥をさだめたる處にうゑ 粗麥を畔にうゑざらんや
28:26斯のごときはかれの神これに智慧をあたへて教へたまへるなり
28:27けしは連耞にてうたず 馬芹はそのうへに車輪をきしらせず罌栗をうつには杖をもちひ 馬芹をうつには棒をもちふ
28:28麥をくだくか否くるまにきしらせ馬にふませて落すことはすれども斷ずしかするにあらず これを碎くことをせざるべし
28:29此もまた萬軍のヱホバよりいづ その謀略はくすしくその智慧はすぐれたり
第29章
29:1ああアリエルよアリエルよ ああダビデの營をかまへたる邑よ としに年をくはへ節會まはりきたらば
29:2われアリエルをなやまし之にかなしみと歎息とあらしめん 彼をアリエルのごとき者となすべし
29:3われ汝のまはりに營をかまへ保砦をきづきて汝をかこみ櫓をたててなんぢを攻べし
29:4かくてなんぢは卑くせられ 地にふしてものいひ塵のなかより低聲をいだしてかたらん 汝のこゑは巫女のこゑのごとく地よりいで汝のことばは塵のなかより囀づるがごとし
29:5然どなんぢのあだの群衆はこまやかなる塵の如く あらぶるものの群衆はふきさらるる粃糠の如くならん 俄にまたたく間にこの事あるべし
29:6萬軍のヱホバはいかづち 地震 おほごゑ 暴風 つむじかぜ及びやきつくす火の燄をもて臨みたまふべし
29:7斯てアリエルを攻てたたかふ國々のもろもろ アリエルとその城とをせめたたかひて難ますものは みな夢のごとく夜のまぼろしの如くならん
29:8飢たるものの食ふことを夢みて醒きたればその心なほ空しきがごとく 渇けるものの飮ことを夢みて醒きたれば疲れかつ頻にのまんことを欲するがごとく シオンの山をせめて戰ふくにぐにの群衆もまた然あらん
29:9なんぢらためらへ而しておどろかん なんぢら放肆にせよ而して目くらまん かれらは酔りされど酒のゆゑにあらず かれらはよろめけりされど濃酒のゆゑにあらず
29:10そはヱホバ酣睡の靈をなんぢらの上にそそぎ 而してなんぢらの目をとぢ なんぢらの面をおほひたまへり その目は預言者そのかほは先知者なり
29:11かかるが故にすべての默示はなんぢらには封じたる書のことばのごとくなり 文字しれる人にわたして請これを讀といはんに答へて封じたるがゆゑによむこと能はずといはん
29:12また文字しらぬ人にわたして請これをよめといはんにこたへて文字しらざるなりといはん
29:13主いひ給はく この民は口をもて我にちかづき口唇をもてわれを敬へども その心はわれに遠かれり そのわれを畏みおそるるは人の誡命によりてをしへられしのみ
29:14この故にわれこの民のなかにて再びくすしき事をおこなはん そのわざは奇しくしていとあやし かれらの中なる智者のちゑはうせ聰明者のさときはかくれん
29:15己がはかりごとをヱホバに深くかくさんとする者はわざはひなるかな 暗中にありて事をおこなひていふ 誰かわれを見んや たれか我をしらんやと
29:16なんぢらは曲れり いかで陶工をみて土塊のごとくおもふ可んや 造られし者おのれを作れるものをさして我をつくれるにあらずといふをえんや 形づくられたる器はかたちづくりし者をさして智慧なしといふを得んや
29:17暫くしてレバノンはかはりて良田となり 良田は林のごとく見ゆるとききたるならずや
29:18その日聾者はこの書のことばをきき盲者の目はくらきより闇よりみることを得べし
29:19謙だるものはヱホバによりてその歡喜をまし 人のなかの貧きものはイスラエルの聖者によりて快樂をうべし
29:20暴るものはたえ 侮慢者はうせ 邪曲の機をうかがふ者はことごとく斷滅さるべければなり
29:21かれらは訟をきく時まげて人をつみし 邑門にていさむるものを謀略におとしいれ 虛しき語をかまへて義人をしりぞく
29:22この故にむかしアブラハムを贖ひたまひしヱホバはヤコブの家につきて如此いひたまふ ヤコブは今より恥をかうむらず その面はいまより色をうしなはず
29:23かれの子孫はその中にわがおこなふ手のわざをみん その時わが名を聖としヤコブの聖者を聖としてイスラエルの神をおそるべし
29:24心あやまれるものも知識をえ つぶやけるものも教誨をまなばん
第30章
30:1ヱホバのたまはく 悖るる子輩はわざはひなるかな かれら謀略をすれども我によりてせず 盟をむすべどもわが靈にしたがはず ますます罪につみをくはへん
30:2かれらわが口にとはずしてエジプトに下りゆきパロの力をかりておのれを强くしエジプトの蔭によらん
30:3パロのちからは反てなんぢらの恥となり エジプトの蔭によるは反てなんぢらの辱かしめとなるべし
30:4かれの君たちはゾアンにあり かれの使者たちはハネスにきたれり
30:5かれらは皆おのれを益することあたはざる民によりて恥をいだく かの民はたすけとならず益とならず かへりて恥となり謗となれり
30:6南のかたの牲畜にかかる重負のよげん 曰く/かれらその財貨を若き驢馬のかたにおはせ その寳物を駱駝の背におはせて 牝獅 牡獅 まむし及びとびかける蛇のいづる苦しみと艱難との國をすぎて 己をえきすること能はざる民にゆかん
30:7そのエジプトの助はいたづらにして虛し このゆゑに我はこれを休みをるラハブとよべり
30:8いま往てこれをその前にて牌にしるし書にのせ 後の世に傳へてとこしへに證とすべし
30:9これは悖れる民いつはりをいふ子輩ヱホバの律法をきくことをせざる子輩なり
30:10かれら見るものに對ひていふ見るなかれと 默示をうる者にむかひていふ直きことを示すなかれ 滑かなることをかたれ虛僞をしめせ
30:11なんぢら大道をさり逕をはなれ われらが前にイスラエルの聖者をあらしむるなかれと
30:12此によりてイスラエルの聖者かくいひ給ふ なんぢらこの言をあなどり暴虐と邪曲とをたのみて之にたよれり
30:13斯るがゆゑにこの不義なんぢらには凸出ておちんとするたかき垣のさけたるところのごとく その破壞にはかに暫しが間にきたらんと
30:14主これを破りあだかも陶工の瓶をくだきやぶるがごとくして惜みたまはず その碎のなかに爐より火をとり池より水をくむほどの一片だに見出すことなからん
30:15主ヱホバ、イスラエルの聖者かくいひたまへり なんぢら立かへりて靜かにせば救をえ 平穩にして依頼まば力をうべしと 然どなんぢらこの事をこのまざりき
30:16なんぢら反ていへり 否われら馬にのりて逃走らんと この故になんぢら逃走らん 又いへりわれら疾きものに乗んと この故になんぢらを追もの疾かるべし
30:17ひとり叱咤すれば千人にげはしり 五人しつたすればなんぢら逃走りて その遺るものは僅かに山嶺にある杆のごとく 岡のうへにある旗のごとくならん
30:18ヱホバこれにより俟てのち恩惠を汝等にほどこし これにより上りてのちなんぢらを憐れみたまはん ヱホバは公平の神にましませり 凡てこれを俟望むものは福ひなり
30:19シオンにをりヱルサレムにをる民よ なんぢは再びなくことあらじ そのよばはる聲に應じて必ずなんぢに惠をほどこしたまはん 主ききたまふとき直にこたへたまふべし
30:20主はなんぢらになやみの糧とくるしみの水とをあたへ給はん なんぢを教るもの再びかくれじ 汝の目はその教るものを恒にみるべし
30:21なんぢ右にゆくも左にゆくもその耳に これは道なりこれを歩むべしと後邊にてかたるをきかん
30:22又なんぢら白銀をおほひし刻める像 こがねをはりし鑄たる像をけがれとし 穢物のごとく打棄ていはん 去れと
30:23なんぢが地にまく種に主は雨をあたへ また地になりいづる糧をたまふ その土產こえて豐かならん その日なんぢの家畜はひろき牧場に草をはむべし
30:24地をたがへす牛と驢馬とは團扇にてあふぎ箕にてとほし塩をくはへたる飼料をくらはん
30:25大なる殺戮の日やぐらのたふるる時もろもろのたかき山もろもろのそびえたる嶺に河とみづの流とあるべし
30:26かくてヱホバその民のきずをつつみ そのうたれたる創痍をいやしたまふ日には月のひかりは日の光のごとく日のひかりは七倍をくはへて七の日のひかりの如くならん
30:27視よヱホバの名はとほき所よりきたり そのはげしき怒はもえあがる焰のごとく その唇はいきどほりにてみち その舌はやきつくす火のごとく
30:28その氣息はみなぎりて項にまでいたる流のごとし 且ほろびの篩にてもろもろの國をふるひ又まどはす韁をもろもろの民の口におきたまはん
30:29なんぢらは歌うたはん節會をまもる夜のごとし なんぢらは心によろこばん笛をならしヱホバの山にきたりイスラエルの磐につくときの如し
30:30ヱホバはその稜威のこゑをきかしめ 烈しき怒をはなちて燒つくす火のほのほと暴風と大雨と雹とをもて その臂のくだることを示したまはん
30:31ヱホバのこゑによりてアツスリヤ人はくじけん 主はこれを笞にてうち給ふべし
30:32ヱホバの豫じめさだめたまへる杖をアツスリヤのうへにくはへたまふごとに 鼓をならし琴をひかん 主はうごきふるふ戰闘をもてかれらとたたかひ給ふべし
30:33トペテは往古よりまうけられ また王のために備へられたり これを深くしこれを廣くしここに火とおほくの薪とをつみおきたり ヱホバの氣息これを硫黄のながれのごとくに燃さん
第31章
31:1助をえんとてエジプトにくだり馬によりたのむものは禍ひなるかな 戰車おほきが故にこれにたのみ騎兵はなはだ强きがゆゑに之にたのむ されどイスラエルの聖者をあふがずヱホバを求ることをせざるなり
31:2然はあれどもヱホバもまた智慧あるべし かならず禍害をくだしてその言をひるがへしたまはず 起てあしきものの家をせめ また不義を行ふ者の助をせめ給はん
31:3かのエジプト人は人にして神にあらずその馬は肉にして靈にあらず ヱホバその手をのばしたまはば助くるものも蹟き たすけらるる者もたふれてみなひとしく亡びん
31:4ヱホバ如此われにいひたまふ 獅のほえ壯獅の獲物をつかみてほえたけれるとき 許多のひつじかひ相呼つどひてむかひゆくとも その聲によりて挫けずその喧譁しきによりて臆せざるごとく 萬軍のヱホバくだりてシオンの山およびその岡にて戰ひ給ふべし
31:5鳥の雛をまもるがごとく萬軍のヱホバはヱルサレムをまもりたまはん これを護りてこれをすくひ踰越てこれを援けたまはん
31:6イスラエルの子輩よなんぢらさきには甚だしく主にそむけり 今たちかへるべし
31:7なんぢらおのが手につくりて罪ををかしし白銀のぐうざう黄金の偶像をその日おのおのなげすてん
31:8爰にアツスリヤびとは劍にてたふれん されど人のつるぎにあらず 劍かれらをほろぼさん されど世の人のつるぎにあらず かれら劍のまへより逃はしりその壯きものは役丁とならん
31:9かれらの磐はおそれによりて逝去り その君たちは旗をみてくじけん こはヱホバの御言なり ヱホバの火はシオンにありヱホバの爐はヱルサレムにあり
第32章
32:1茲にひとりの王あり 正義をもて統治め その君たちは公平をもて宰さどらん
32:2また人ありて風のさけどころ暴雨ののがれどころとなり 旱ける地にある水のながれのごとく 倦つかれたる地にある大なる岩陰の如くならん
32:3見るものの目はくらまず 聞ものの耳はかたぶけきくをうべし
32:4躁がしきものの心はさとりて知識をえ 吃者の舌はすみやけくあざやかに語るをうべし
32:5愚かなる者はふたたび尊貴とよばるることなく 狡猾なる者はふたたび大人とよばるることなかるべし
32:6そは愚なるものは愚なることをかたり その心に不義をかもし邪曲をおこなひ ヱホバにむかひて妄なることをかたり 飢たる者のこころを空しくし渇けるものの飮料をつきはてしむ
32:7狡猾なるものの用ゐる器はあしし 彼あしき企圖をまうけ虛僞のことばをもて苦しむ者をそこなひ 乏しき者のかたること正理なるも尚これを害へり
32:8たふとき人はたふとき謀略をまうけ恒にたふとき事をおこなふ
32:9安逸にをる婦等よおきてわが聲をきけ 思煩ひなき女等よわが言に耳を傾けよ
32:10思煩ひなきをんなたちよ一年あまりの日をすぎて摺きあわてん そは葡萄の収穫むなしく果ををさむる期きたるまじければなり
32:11やすらかにをる婦等よふるひおそれよ おもひわづらひなき者よをののきあわてよ 衣をぬぎ裸體になりて腰に麁服をまとへ
32:12かれら良田のため實りゆたかなる葡萄の樹のために胸をうたん
32:13棘と荊わが民の地にはえ 樂みの邑なるよろこびの家々にもはえん
32:14そは殿はすてられ にぎはひたる邑はあれすたれ オペルと櫓とはとこしへに洞穴となり 野の驢馬のたのしむところ羊のむれの草はむところとなるべし
32:15されど遂には靈うへより我儕にそそぎて 荒野はよき田となり 良田は林のごとく見ゆるとききたらん
32:16そのとき公平はあれのにすみ 正義はよき田にをらん
32:17かくて正義のいさをは平和 せいぎのむすぶ果はとこしへの平隱とやすきなり
32:18わが民はへいわの家にをり 思ひわづらひなき住所にをり 安らかなる休息所にをらん
32:19されどまづ雹ふりて林くだけ邑もことごとくたふるべし
32:20なんぢらもろもろの水のほとりに種をおろし 牛および驢馬の足をはなちおく者はさいはひなり
第33章
33:1禍ひなるかななんぢ害はれざるに人をそこなひ 欺かれざるに人をあざむけり なんぢが害ふこと終らば汝そこなはれ なんぢが欺くことはてなば汝あざむかるべし
33:2ヱホバよわれらを惠み給へわれらなんぢを俟望めり なんぢ朝ごとにわれらの臂となり また患難のときにわれらの救となりたまへ
33:3なりとどろく聲によりてもろもろの民にげはしり なんぢの起たまふによりてもろもろの國はちりうせぬ
33:4蟊賊のものをはみつくすがごとく人なんぢらの財をとり盡さん また蝗のとびつどふがごとく人なんぢらの財にとびつどふべし
33:5ヱホバは最たかし高處にすみたまふなり ヱホバはシオンに公正と正義とを充せたまひたり
33:6なんぢの代はかたくたち 救と智惠と知識とはゆたかにあらん ヱホバをおそるるは國の寳なり
33:7視よかれらの勇士は外にありてさけび 和をもとむる使者はいたく哭く
33:8大路あれすたれて旅客たえ 敵は契約をやぶり諸邑をなみし人をもののかずとせず
33:9地はうれへおとろヘ レバノンは恥らひて枯れ シヤロンはアラバの如くなり バシヤンとカルメルとはその葉をおとす
33:10ヱホバ言給はく われ今おきん今たたん 今みづからを高くせん
33:11なんぢらの孕むところは枇糠のごとく なんぢらの生ところは藁のごとし なんぢらの氣息は火となりてなんぢらを食ひつくさん
33:12もろもろの民はやかれて灰のごとくなり 荊のきられて火にもやされたるが如くならん
33:13なんぢら遠にあるものよ わが行ひしことをきけ なんぢら近にあるものよ わが能力をしれ
33:14シオンの罪人はおそる 戰慄はよこしまなる者にのぞめり われらの中たれか燒つくす火に止ることを得んや 我儕のうち誰かとこしへに燒るなかに止るをえんや
33:15義をおこなふもの直をかたるもの虐げてえたる利をいとひすつるもの手をふりて賄賂をとらざるもの 耳をふさぎて血をながす謀略をきかざるもの 目をとぢて惡をみざる者
33:16かかる人はたかき處にすみ かたき磐はその櫓となり その糧はあたへられその水はともしきことなからん
33:17なんぢの目ほうるはしき狀なる王を見 とほくひろき國をみるべし
33:18汝の心はかの懼しかりしことどもを思ひいでん 會計せし者はいづくにありや 貢をはかりし者はいづくにありや 櫓をかぞへし者はいづくにありや
33:19汝ふたたび暴民をみざるべし かの民の言語はふかくして悟りがたくその舌は異にして解がたし
33:20われらの節會の邑シオンを見よ なんぢの目はやすらかなる居所となれるヱルサレムを見ん ヱルサレムはうつさるることなき幕屋にして その杙はとこしへにぬかれず その繩は一すぢだに斷れざるなり
33:21ヱホバ我らとともに彼處にいまして稜威をあらはし給はん 斯てそのところはひろき川ひろき流あるところとなりて その中には漕舟もいらず巨艦もすぐることなかるべし
33:22ヱホバはわれらを鞫きたまふもの ヱホバはわれらに律法をたてたまひし者 ヱホバはわれらの王にましまして我儕をすくひ給ふべければなり
33:23なんぢの船纜はとけたり その桅杆のもとを結びかたむることあたはず 帆をあぐることあたはず その時おほくの財をわかち跛者までも掠物あらん
33:24かしこに住るものの中われ病りといふ者なし彼處にをる民の咎はゆるされん
第34章
34:1もろもろの國よちかづきてきけ もろもろの民よ耳をかたぶけよ 地と地にみつるもの世界とせかいより出るすべての者きけ
34:2ヱホバはよろづの國にむかひて怒り そのよろづの軍にむかひて忿恚り かれらをことごとく滅し かれらを屠らしめたまふ
34:3かれらは殺されて抛棄られ その屍の臭氣たちのぼり山はその血にて融されん
34:4天の萬象はきえうせ もろもろの天は書巻のごとくにまかれん その萬象のおつるは葡萄の葉のおつるがごとく無花果のかれたる葉のおつるが如くならん
34:5わが劍は天にてうるほひたり 視よエドムの上にくだり滅亡に定めたる民のうへにくだりて之をさばかん
34:6ヱホバの劍は血にてみち脂にてこえ小羊と山羊との血 牡羊の腎のあぶらにて肥ゆ ヱホバはボズラにて牲のけものをころしエドムの地にて大にほふることをなし給へり
34:7その屠場には野牛 こうし 牡牛もともに下る そのくには血にてうるほされ その塵はあぶらにて肥さるべし
34:8こはヱホバの仇をかへしたまふ日にしてシオンの訟のために報をなしたまふ年なり
34:9エドムのもろもろの河はかはりて樹脂となり その塵はかはりて硫磺となり その土はかはりてもゆる樹脂となり
34:10晝も夜もきえずその烟つくる期なく上騰らん かくて世々あれすたれ永遠までもその所をすぐる者なかるべし
34:11鵜と刺猬とそこを己がものとなし鷺と鴉とそこにすまん ヱホバそのうへに亂をおこす繩をはり空虛をきたらする錘をさげ給ふべし
34:12國をつぐべき者をたてんとて貴者ふたたび呼集ることをせじ もろもろの諸侯はみな失てなくなるべし
34:13その殿にはことごとく荊はえ 城にはことごとく刺草と薊とはえ 野犬のすみか駝鳥の場とならん
34:14野のけものと豺狼とここにあひ 牡山羊その友をよび 鴟鴞もまた宿りてここを安所とせん
34:15蛇ここに穴をつくり卵をうみてこれを孚しおのれの影の下に子をあつむ 鳶もまたその偶とともに此處にあつまらん
34:16なんぢらヱホバの書をつまびらかにたづねて讀べし これらのもの一つも缺ることなく又ひとつもその偶をかくものあらじ そはヱホバの口このことを命じ その靈これらを集めたまふべければなり
34:17ヱホバこれらのものに鬮をひかせ手づから繩をもて量り この地をわけあたへて永くかれらに保たしめ 世々にいたるまでここに住しめたまはん
第35章
35:1荒野とうるほひなき地とはたのしみ 沙漠はよろこびて番紅の花のごとくに咲かがやかん
35:2盛に咲かがやきてよろこび且よろこび且うたひ レバノンの榮をえカルメルおよびシヤロンの美しきを得ん かれらはヱホバのさかえを見われらの神のうるはしきを見るべし
35:3なんぢら萎たる手をつよくし弱りたる膝をすこやかにせよ
35:4心さわがしきものに對ていへ なんぢら雄々しかれ懼るるなかれ なんぢらの神をみよ 刑罰きたり神の報きたらん 神きたりてなんぢらを救ひたまふべし
35:5そのとき瞽者の目はひらけ聾者の耳はあくことを得べし
35:6そのとき跛者は鹿の如くにとびはしり唖者の舌はうたうたはん そは荒野に水わきいで沙漠に川ながるべければなり
35:7やけたる沙は池となり うるほひなき地はみづの源となり 野犬のふしたるすみかは蘆葦のしげりあふ所となるべし
35:8かしこに大路あり そのみちは聖道ととなへられん 穢れたるものはこれを過ることあたはず ただ主の民のために備へらる これを歩むものはおろかなりとも迷ふことなし
35:9かしこに獅をらず あらき獸もその路にのぼることなし 然ばそこにて之にあふ事なかるべし ただ贖はれたる者のみそこを歩まん
35:10ヱホバに贖ひすくはれし者うたうたひつつ歸てシオンにきたり その首にとこしへの歡喜をいただき樂とよろこびとをえん 而して悲哀となげきとは逃さるべし
第36章
36:1ヒゼキヤ王の十四年にアツスリヤの王セナケリブ上りきたりてユダのもろもろの堅固なる邑をせめとれり
36:2アツスリヤ王ラキシよりラブシヤケをヱルサレムに遣はし大軍をひきゐてヒゼキヤ王のもとに往しむ ラブシヤケ漂工の野のおほぢの傍なる上の池の樋にそひてたてり
36:3この時ヒゼキヤの子なる家司エリアキム 書記セブナ、アサフの子なる史官ヨア出てこれを迎ふ
36:4ラブシヤケかれらにいひけるは なんぢら今ヒゼキヤにいへ大王アツスリヤの王かくいへり なんぢの恃とするその恃むところは何なるか
36:5我いふ なんぢが説ところの軍のはかりごととその能力とはただ口唇のことばのみ 今なんぢ誰によりたのみて我にさかふことをなすや
36:6視よなんぢエジプトに依頼めり これ傷める葦の杖によりたのめるがごとし もし人これに倚もたれなばその手をつきさされん エジプト王パロがすべて己によりたのむものに對するは斯のごとし
36:7汝われらはわれらの神ヱホバに依頼めりと我にいはんかそは曩にヒゼキヤが高きところと祭壇とをみな取去てユダとヱルサレムとにむかひ汝等ここなる一つの祭壇のまへにて拜すべしといへる夫ならずや
36:8いま請わが君アツスリヤ王に賭をせよ われ汝に二千の馬を與ふべければ汝よりこれに乗ものをいだせ 果して出しうべしや
36:9然ばいかで我君のいとちひさき僕の長一人をだに退くることを得んや なんぞエジプトによりたのみて戰車と騎兵とをえんとするや
36:10いま我のぼりきたりてこの國をせめほろぼすはヱホバの旨にあらざるべけんや ヱホバわれにいひたまはく のぼりゆきてこの國をせめぼろぼせと
36:11爰にエリアキムとセブナとヨアと共にラブシヤケにいひけるは請スリアの方言にて僕輩にかたれ我儕これをさとりうるなり石垣のうへなる民のきくところにてはユダヤの方言をもてわれらに語るなかれ
36:12ラブシヤケいひけるは わが君はこれらのことをなんぢの君となんぢとにのみ語らんために我をつかはししならんや なんぢらと共におのが糞をくらひおのが溺をのまんとする石垣のうへに坐する人々にも我をつかはししならずや
36:13斯てラブシヤケたちてユダヤの方言もて大聲によばはりいひけるは なんぢら大王アツスリヤ王のことばをきくべし
36:14王かくのたまへり なんぢらヒゼキヤに惑はさるるなかれ 彼なんぢらを救ふことあたはず
36:15ヒゼキヤがなんぢらをヱホバに頼しめんとする言にしたがふなかれ 彼いへらく ヱホバかならず我儕をすくひこの邑はアツスリヤ王の手にわたさるることなしと
36:16ヒゼキヤに聽從ふなかれ アツスリヤ王かくのたまへり なんぢらわれと親和をなし出できたりて我にくだれ おのおのその葡萄とその無花果とをくらひ かのおのその井の水をのむことを得べし
36:17遂には我きたりて汝等をほかの國にたづさへゆかん その國はなんぢの國のごとき國にして 穀物 ぶだう酒 パンおよび葡萄園あり
36:18おそらくはをヒゼキヤなんぢらに説てヱホバわれらを救ふべしといはん 然どももろもろの國の神等のなかにその國をアツスリヤ王の手より救へる者ありしや
36:19ハマテ、アルバデの神等いづこにありや セバルワイムの神等いづこにありや 又わが手よりサマリヤを救出しし神ありや
36:20これらの國のもろもろの神のなかに誰かその國をわが手よりすくひいだしし者ありや さればヱホバも何でわが手よりヱルサレムを救ひいだし得んと
36:21如此ありければ民は默して一言をもこたへざりき そは之にこたふるなかれとの王のおほせありつればなり
36:22そのときヒルキヤの子なる家司エリアキム書記セブナおよびアサフの子なる史官ヨアころもを裂てヒゼキヤにゆき之にラブシヤケの言をつげたり
第37章
37:1ヒゼキヤ王これをききてその衣をさき麁衣をまとひてヱホバの家にゆき
37:2家司エリアキム書記セブナおよび祭司のなかの長老等をして皆あらたへをまとはせてアモツの子預言者イザヤのもとにゆかしむ
37:3かれらイザヤにいひけるは ヒゼキヤ如此いへり けふは患難と責と辱かしめの日なり そは子うまれんとして之をうみいだすの力なし
37:4なんぢの神ヱホバあるひはラブシヤケがもろもろの言をききたまはん 彼はその君アツスリヤ王につかはされて活る神をそしれり なんぢの神ヱホバその言をききて或はせめたまふならん されば請なんぢこの遺れるもののために祈禱をささげよと
37:5かくてヒゼキヤ王の諸僕イザヤにいたる
37:6イザヤかれらに言けるは なんぢらの君につげよ ヱホバ斯いひたまへり曰く アツスリヤ王のしもべら我をののしりけがせり なんぢらその聞しことばによりて懼るるなかれ
37:7視よわれかれが意をうごかすべければ 一つの風聲をききておのが國にかへらん かれをその國にて劍にたふれしむべし
37:8爰にラブシヤケはアツスリヤ王がラキシを離れさりしとききて歸りけるとき際しも王はリブナを攻をれり
37:9このときエテオピアの王テルハカの事についてきけり云く かれいでて汝とたたかふべしと このことをききて使者をヒゼキヤに遣していふ
37:10なんぢらユダの王ヒゼキヤにつげて如此いへ なんぢが頼める神なんぢを欺きてヱルサレムはアツスリヤ王の手にわたされじといふを聽ことなかれ
37:11視よアツスリヤの王等もろもろの國にいかなることをおこなひ如何してこれを悉くほろぼししかを汝ききしならん されば汝すくはるることを得んや
37:12わが先祖たちの滅ぼししゴザン、ハラン、レゼフおよびテラサルなるエデンの族など此等のくにぐにの神はその國をすくひたりしや
37:13ハマテの王アルバデの王セバルワイムの都の王ヘナの王およびイワの王はいづこにありやと
37:14ヒゼキヤつかひの手より書をうけて之を讀り しかしてヒゼキヤ、ヱホバの宮にのぼりゆきヱホバの前にこのふみを展ぶ
37:15ヒゼキヤ、ヱホバに祈ていひけるは
37:16ケルビムの上に坐したまふ萬軍のヱホバ、イスラエルの神よ ただ汝のみ地のうへなるよろづの國の神なり なんぢは天地をつくりたまへり
37:17ヱホバよ耳をかたむけて聽たまヘ エホバよ目をひらきて視たまヘ セナケリブ使者して活る神をそしらしめし言をことごとくききたまへ
37:18ヱホバよ實にアツスリヤの王等はもろもろの國民とその地とをあらし毀ち
37:19かれらの神たちを火になげいれたり これらのものは神にあらず 人の手の工にして あるひは木あるひは石なり 斯るがゆゑに滅ぼされたり
37:20さればわれらの神エホバよ 今われらをアツスリヤ王の手より救ひいだして 地のもろもろの國にただ汝のみヱホバなることを知しめたまへ
37:21ここにアモツの子イザヤ人をつかはしてヒゼキヤにいはせけるは イスラエルの神ヱホバかくいひたまふ 汝はアツスリヤ王セナケリブのことにつきて我にいのれり
37:22ヱホバが彼のことにつきて語り給へるみことばは是なり いはくシオンの處女はなんぢを侮りなんぢをあざけり ヱルサレムの女子はなんぢの背後より頭をふれり
37:23汝がそしりかつ罵れるものは誰ぞ なんぢが聲をあげ目をたかく向てさからひたるものはたれぞ イスラエルの聖者ならずや
37:24なんぢその使者によりて主をそしりていふ 我はおほくの戰車をひきゐて山々のいただきに登りレバノンの奧にまでいりぬ 我はたけたかき香柏とうるはしき松樹とをきり またその境なるたかき處にゆき腴たる地の林にゆかん
37:25我は井をほりて水をのみたり われは足跖をもてエジプトの河々をからさんと
37:26なんぢ聞ずや これらのことはわが昔よりなす所 いにしへの日よりさだめし所なり 今なんぢがこの堅城をこぼちあらして石堆となすも亦わがきたらしし所なり
37:27そのなかの民はちから弱くをののきて恥をいだき 野草のごとく青き菜のごとく屋蓋の草のごとく未だそだたざる苗のごとし
37:28我なんぢが居ること出入すること又われにむかひて怒りさけべることをしる
37:29なんぢが我にむかひて怒りさけべると汝がほこれる言とわが耳にいりたれば我なんぢの鼻に環をはめ汝のくちびるに鑣をつけて汝がきたれる路よりかへらしめん
37:30ヒゼキヤよ我がなんぢにたまふ徴はこれなり なんぢら今年は落穂より生たるものを食ひ 明年は糵生より出たるものを食はん 三年にあたりては種ことをなし收ことをなし 葡萄ぞのを作りてその果を食ふべし
37:31ユダの家ののがれて遺れる者はふたたび下は根をはり上は果を結ぶべし
37:32そは遺るものはヱルサレムよりいで脱るるものはシオンの山よりいづるなり 萬軍のヱホバの熱心これを成たまふべし
37:33この故にヱホバ、アツスリヤの王については如此いひたまふ 彼はこの城にいらず ここに箭をはなたず盾を城のまへにならべず 壘をきづきて攻ることなし
37:34かれはそのきたりし道よりかへりてこの城にいらず
37:35我おのれの故によりて僕ダビデの故によりて この城をまもり この城をすくはん これヱホバ宣給るなり
37:36ヱホバの使者いできたりアツスリヤの陣營のなかにて十八萬五千人をうちころせり早晨におきいでて見ればみな死てかばねとなれり
37:37アツスリヤ王セナケリブ起てかへりゆきニネベにとどまる
37:38一日おのが神ニスロクのみやにて禮拜をなし居しにその子アデランメレクとシヤレゼルと劍をもて彼をころし而してアララテの地ににげゆけり かれが子エサルハドンつぎて王となりぬ
第38章
38:1そのころヒゼキヤやみて死んとせしにアモツの子預言者イザヤきたりて彼にいふ ヱホバ如此いひたまはく なんぢ家に遺言をとどめよ 汝しにて活ることあたはざればなり
38:2爰にヒゼキヤ面を壁にむけてヱホバに祈りいひけるは
38:3ああヱホバよ 願くはわがなんぢの前に眞實をもて一心をもてあゆみ なんぢの目によきことを行ひたるをおもひいでたまへ 斯てヒゼキヤ甚くなきぬ
38:4ヱホバの言イザヤにのぞみて曰く
38:5なんぢ往てヒゼキヤにいへ なんぢの祖ダビデの神ヱホバかくいひ給はく 我なんぢの禱告をききなんぢの涙をみたり 我なんぢの齢を十五年ましくはへ
38:6且なんぢとこの城とを救ひてアツスリヤわうの手をのがれしめん又われこの城をまもるべし
38:7ヱホバ語りたまひたる此事を成たまふ證にこの徴をなんぢに賜ふ
38:8視よわれアハズの日晷にすすみたる日影を十度しりぞかしめんといひければ乃ちひばかりにすすみたる日影十度しりぞきぬ
38:9ユダの王ヒゼキヤ病にかかりてその病のいえしのち記しし書は左のごとし
38:10我いへり わが齢ひの全盛のとき陰府の門にいりわが餘年をうしなはんと
38:11我いへり われ再びヱホバを見奉ることあらじ再びいけるものの地にてヱホバを見奉ることあらじ われは無ものの中にいりてふたたび人を見ることあらじ
38:12わが住所はうつされて牧人の幕屋をとりさるごとくに我をはなる わがいのちは織工の布をまきをはりて機より翦はなすごとくならん なんぢ朝夕のあひだに我をたえしめたまはん
38:13われは天明におよぶまで己をおさへてしづめたり 主は獅のごとくに我もろもろの骨を碎きたまふ なんぢ朝夕の間にわれを絶しめたまはん
38:14われは燕のごとく鶴のごとくに哀みなき鳩のごとくにうめき わが眼はうへを視ておとろふ ヱホバよわれは迫りくるしめらる 願くはわが中保となりたまへ
38:15主はわれとものいひ且そのごとくみづから成たまへり われ何をいふべきか わが世にある間わが靈魂の苦しめる故によりて愼みてゆかん
38:16主よこれらの事によりて人は活るなり わが靈魂のいのち