詩篇
第73篇
アサフのうた
73:1神はイスラエルにむかひ心のきよきものに對ひてまことに惠あり
73:2然はあれどわれはわが足つまづくばかりわが歩すべるばかりにてありき
73:3こはわれ惡きものの榮ゆるを見てその誇れる者をねたみしによる
73:4かれらは死るに苦しみなくそのちからは反てかたし
73:5かれらは人のごとく憂にをらず人のごとく患難にあふことなし
73:6このゆゑに傲慢は妝飾のごとくその頸をめぐり強暴はころものごとく彼等をおほへり
73:7かれら肥ふとりてその目とびいで心の欲にまさりて物をうるなり
73:8また嘲笑をなし惡をもて暴虐のことばをいだし高ぶりてものいふ
73:9その口を天におきその舌を地にあまねく往しむ
73:10このゆゑにかれの民はここにかへり水のみちたる杯をしぼりいだして
73:11いへらく神いかで知たまはんや至上者に知識あらんやと
73:12視よかれらは惡きものなるに常にやすらかにしてその富ましくははれり
73:13誠に我はいたづらに心をきよめ罪ををかさずして手をあらひたり
73:14そはわれ終日なやみにあひ朝ごとに責をうけしなり
73:15われもし斯ることを述んといひしならば我なんぢが子輩の代をあやまらせしならん
73:16われこれらの道理をしらんとして思ひめぐらししにわが眼いたく痛たり
73:17われ神の聖所にゆきてかれらの結局をふかく思へるまでは然りき
73:18誠になんぢはかれらを滑かなるところにおきかれらを滅亡におとしいれ給ふ
73:19かれらは瞬間にやぶれたるかな彼等は恐怖をもてことごとく滅びたり
73:20主よなんぢ目をさましてかれらが像をかろしめたまはんときは夢みし人の目さめたるがごとし
73:21わが心はうれへ わが腎はさされたり
73:22われおろかにして知覺なし聖前にありて獣にひとしかりき
73:23されど我つねになんぢとともにあり汝わが右手をたもちたまへり
73:24なんぢその訓諭をもて我をみちびき後またわれをうけて榮光のうちに入たまはん
73:25汝のほかに我たれをか天にもたん地にはなんぢの他にわが慕ふものなし
73:26わが身とわが心とはおとろふ されど神はわがこころの磐わがとこしへの嗣業なり
73:27視よなんぢに遠きものは滅びん 汝をはなれて姦淫をおこなふ者はみななんぢ之をほろぼしたまひたり
73:28神にちかづき奉るは我によきことなり われは主ヱホバを避所としてそのもろもろの事跡をのべつたへん
第74篇
アサフの教訓のうた
74:1神よいかなれば汝われらをかぎりなく棄たまひしや 奈何ばなんぢの草苑の羊にみかいかりの煙あがれるや
74:2ねがはくは往昔なんぢが買求めたまへる公會ゆづりの支派となさんとて贖ひたまへるものを思ひいでたまへ又なんぢが住たまふシオンの山をおもひいで給へ
74:3とこしへの滅亡の跡にみあしを向たまへ仇は聖所にてもろもろの惡きわざをおこなへり
74:4なんぢの敵はなんぢの集のなかに吼たけびおのが旗をたてて誌とせり
74:5かれらは林のしげみにて斧をあぐる人の状にみゆ
74:6いま鉞と鎚とをもて聖所のなかなる彫刻めるものをことごとく毀ちおとせり
74:7かれらはなんぢの聖所に火をかけ名の居所をけがして地におとしたり
74:8かれら心のうちにいふ われらことごとく之をこぼちあらさんと かくて國内なる神のもろもろの會堂をやきつくせり
74:9われらの誌はみえず預言者も今はなし 斯ていくその時をかふべき われらのうちに知るものなし
74:10神よ敵はいくその時をふるまでそしるや 仇はなんぢの名をとこしへに汚すならんか
74:11いかなれば汝その手みぎの手をひきたまふや ねがはくは手をふところよりいだしてかれらを滅したまへ
74:12神はいにしへよりわが王なり すくひを世の中におこなひたまへり
74:13なんぢその力をもて海をわかち水のなかなる龍の首をくだき
74:14鰐のかうべをうちくだき野にすめる民にあたへて食となしたまへり
74:15なんぢは泉と水流とをひらき又もろもろの大河をからしたまへり
74:16晝はなんぢのもの夜も又汝のものなり なんぢは光と日とをそなへ
74:17あまねく地のもろもろの界をたて夏と冬とをつくりたまへり
74:18ヱホバよ仇はなんぢをそしり愚かなる民はなんぢの名をけがせり この事をおもひいでたまへ
74:19願くはなんぢの鴿のたましひを野のあらき獣にわたしたまふなかれ 苦しむものに命をとこしへに忘れたまふなかれ
74:20契約をかへりみたまへ地のくらきところは強暴の宅にて充たればなり
74:21ねがはくは虐げらるるものを慚退かしめ給ふなかれ 惱るものと苦しむものとに聖名をほめたたへしめたまへ
74:22神よおきてなんぢの訟をあげつらひ愚かなるものの終日なんぢを謗れるをみこころに記たまへ
74:23なんぢの敵の聲をわすれたまふなかれ 汝にさからひて起りたつ者のかしがましき聲はたえずあがれり
第75篇
「滅すなかれ」といふ調にあはせて伶長にうたはしめたるアサフの歌なり讃美なり
75:1神よわれら汝にかんしやす われら感謝すなんぢの名はちかく坐せばなり もろもろの人はなんぢの奇しき事跡をかたりあへり
75:2定りたる期いたらば我なほき審判をなさん
75:3地とすべての之にすむものと消去しとき我そのもろもろの柱をたてたりセラ
75:4われ誇れるものに誇りかにおこなふなかれといひ 惡きものに角をあぐるなかれといへり
75:5なんぢらの角をたかく挙るなかれ頸をかたくして高りいふなかれ
75:6挙ることは東よりにあらず西よりにあらずまた南よりにもあらざるなり
75:7ただ神のみ審士にましませば此をさげ彼をあげたまふ
75:8ヱホバの手にさかづきありて酒あわだてり その中にものまじりてみつ 神これをそそぎいだせり 誠にその滓は地のすべてのあしき者しぼりて飮むべし
75:9されど我はヤコブの神をのべつたへん とこしへに讃うたはん
75:10われ惡きもののすべての角をきりはなたん 義きものの角はあげらるべし
第76篇
琴にあはせて伶長にうたはしめたるアサフの歌なり讃美なり
76:1神はユダにしられたまへり その名はイスラエルに大なり
76:2またサレムの中にその幕屋あり その居所はシオンにあり
76:3彼所にてかれは弓の火矢ををり盾と劍と戦陣とをやぶりたまひきセラ
76:4なんぢ榮光あり掠めうばふ山よりもたふとし
76:5心のつよきものは掠めらる かれらは睡にしづみ勇ましきものは皆その手を見うしなへり
76:6ヤコブの神よなんぢの叱咤によりて戦車と馬とともに深睡につけり
76:7神よなんぢこそ懼るべきものなれ 一たび怒りたまふときは誰かみまへに立えんや
76:8 76:9なんぢ天より宣告をのりたまへり 地のへりくだる者をみなすくはんとて神のさばきに立たまへるとき地はおそれて黙したりセラ
76:10實に人のいかりは汝をほむべし 怒のあまりは汝おのれの帯としたまはん
76:11なんぢの神ヱホバにちかひをたてて償へ そのまはりなるすべての者はおそるべきヱホバに礼物をささぐべし
76:12ヱホバはもろもろの諸侯のたましひを絶たまはん ヱホバは地の王たちのおそるべき者なり
第77篇
エドトンの體にしたがひて伶長にうたはしめたるアサフのうた
77:1我わがこゑをあげて神によばはん われ聲を神にあげなばその耳をわれにかたぶけたまはん
77:2わがなやみの日にわれ主をたづねまつれり 夜わが手をのべてゆるむることなかりき わがたましひは慰めらるるをいなみたり
77:3われ神をおもひいでて打なやむ われ思ひなげきてわが霊魂おとろへぬセラ
77:4なんぢはわが眼をささへて閉がしめたまはず 我はものいふこと能はぬほどに惱みたり
77:5われむかしの日いにしへの年をおもへり
77:6われ夜わが歌をむもひいづ 我わが心にてふかくおもひわが霊魂はねもころに尋ねもとむ
77:7主はとこしへに棄たまふや 再びめぐみを垂たまはざるや
77:8その憐憫はのこりなく永遠にさり そのちかひは世々ながく廢れたるや
77:9神は恩をほどこすことを忘れたまふや 怒をもてそのあはれみを絨たまふやセラ
77:10斯るときに我いへらく此はただわが弱きがゆゑのみいで至上者のみぎの手のもろもろの年をおもひいでん
77:11われヤハの作爲をのべとなへん われ往古よりありし汝がくすしきみわざを思ひいたさん
77:12また我なんぢのすべての作爲をおもひいで汝のなしたまへることを深くおもはん
77:13神よなんぢの途はいときよし 神のごとく大なる神はたれぞや
77:14なんぢは奇きみわざをなしたまへる神なり もろもろの民のあひだにその大能をしめし
77:15その臂をもてヤコブ、ヨセフの子輩なんぢの民をあがなひたまへりセラ
77:16かみよ大水なんぢを見たり おほみづ汝をみてをののき淵もまたふるへり
77:17雲はみづをそそぎいだし空はひびきをいだし なんぢの矢ははしりいでたり
77:18なんぢの雷鳴のこゑは暴風のうちにありき 電光は世をてらし地はふるひうごけり
77:19なんぢの大道は海のなかにあり なんぢの徑はおほみづの中にあり なんぢの蹤跡はたづねがたかりき
77:20なんぢその民をモーセとアロンとの手によりて羊の群のごとくみちびきたまへり
第78篇
アサフの教訓のうた
78:1わが民よわが教訓をきき、わが口のことばになんぢらの耳をかたぶけよ
78:2われ口をひらきて譬喩をまうけ いにしへの玄幽なる語をかたりいでん
78:3是われらが曩にききしところ知しところ又われらが列祖のかたりつたへし所なり
78:4われら之をその子孫にかくさずヱホバのもろもろの頌美と能力とそのなしたまへる奇しき事跡とをきたらんとする世につげん
78:5そはヱホバ證詞をヤコブのうちにたて律法をイスラエルのうちに定めてその子孫にしらすべきことをわれらの列祖におほせたまひたればなり
78:6これ來らんとする代のちに生るる子孫がこれを知みづから起りてそのまた子孫につたへ
78:7かれらをして神によりたのみ神のみわざを忘れずその誡命をまもらしめん爲なり
78:8またその列祖のごとく頑固にしてそむくものの類となり そのこころ修まらず そのたましひ神に忠ならざる類とならざらん爲なり
78:9エフライムのこらは武具ととのへ弓をたづさへしに戦ひの日にうしろをそむけたり
78:10かれら神のちかひをまもらず そのおきてを履ことをいなみ
78:11ヱホバのなしたまへることとかれらに示したまへる奇しき事跡とをわすれたり
78:12神はエジプトの國にてゾアンの野にて妙なる事をかれらの列祖のまへになしたまへり
78:13すなはち海をさきてかれらを過ぎしめ水をつみて堆かくしたまへり
78:14ひるは雲をもてかれらをみちびき夜はよもすがら火の光をもてこれを導きたまへり
78:15神はあれのにて磐をさき大なる淵より汲がごとくにかれらに飮しめ
78:16また磐より流をひきて河のごとくに水をながれしめたまへり
78:17然るにかれら尚たえまなく罪ををかして神にさからひ荒野にて至上者にそむき
78:18またおのが慾のために食をもとめてその心のうちに神をこころみたり
78:19然のみならずかれらは神にさからひていへり 神は荒野にて筵をまうけたまふを得んや
78:20みよ神いはを撃たまへば水ほどばしりいで流あぶれたり 糧をもあたへたまふを得んや神はその民のために肉をそなへたまはんやと
78:21この故にヱホバこれを聞ていきどほりたまひき 火はヤコブにむかひてもえあがり怒はイスラエルにむかひて立騰れり
78:22こはかれら神を信ぜずその救にたのまざりし故なり
78:23されどなほ神はうへなる雲に命じて天の戸をひらき
78:24彼等のうへにマナをふらせて食はしめ天の穀物をあたへたまへり
78:25人みな勇士の糧をくらへり 神はかれらに食物をおくりて飽足らしめたまふ
78:26神は天に東風をふかせ大能もて南の風をみちびきたまへり
78:27神はかれらのうへに塵のごとく肉をふらせ海の沙のごとく翼ある鳥をふらせて
78:28その營のなかその住所のまはりに落したまへり
78:29斯てかれらは食ひて飽たりぬ 神はこれにその欲みしものを與へたまへり
78:30かれらが未だその慾をはなれず食物のなほ口のうちにあるほどに
78:31神のいかり既にかれらに對ひてたちのぼり彼等のうちにて最もこえたる者をころしイスラエルのわかき男をうちたふしたまへり
78:32これらの事ありしかど彼等はなほ罪ををかしてその奇しきみわざを信ぜざりしかば
78:33神はかれらの日を空しくすぐさせ その年をおそれつつ過させたまへり
78:34神かれらを殺したまへる時かれら神をたづね歸りきたりて懇ろに神をもとめたり
78:35かくて神はおのれの磐いとたかき神はおのれの贖主なることをおもひいでたり
78:36然はあれど彼等はただその口をもて神にへつらひその舌をもて神にいつはりをいひたりしのみ
78:37そはかれらのこころは神にむかひて堅からず その契約をまもるに忠信ならざりき
78:38されど神はあはれみに充たまへばかれらの不義をゆるして亡したまはず屡ばそのみいかりを轉してことごとくは忿恚をふりおこし給はざりき
78:39又かれがただ肉にして過去ばふたたび歸りこぬ風なるをおもひいで給へり
78:40かれらは野にて神にそむき荒野にて神をうれへしめしこと幾次ぞや
78:41かれらかへすがへす神をこころみイスラエルの聖者をはづかしめたり
78:42かれらは神の手をも敵より贖ひたまひし日をもおもひいでざりき
78:43神はそのもろもろの豫兆をエジプトにあらはしその奇しき事をゾアンの野にあらはし
78:44かれらの河を血にかはらせてその流を飮あたはざらしめ
78:45また蝿の群をおくりてかれらをくはしめ蛙をおくりてかれらを亡させたまへり
78:46神はかれらの田産を蟊賊にわたし かれらの勤勞を蝗にあたへたまへり
78:47神は雹をもてかれらの葡萄の樹をからし霜をもてかれらの桑の樹をからし
78:48その家畜をへうにわたしその群をもゆる閃電にわたし
78:49かれらの上にはげしき怒といきどほりと怨恨となやみと禍害のつかひの群とをなげいだし給へり
78:50神はその怒をもらす道をまうけ かれらのたましひを死よりまぬかれしめず そのいのちを疫癘にわたし
78:51エジプトにてすべての初子をうちハムの幕屋にてかれらの力の始をうちたまへり
78:52されどおのれの民を羊のごとくに引いだし かれらを曠野にてけだものの群のごとくにみちびき
78:53かれらをともなひておそれなく安けからしめ給へり されど海はかれらの仇をおほへり
78:54神はその聖所のさかひ その右の手にて購たまへるこの山に彼らを携へたまへり
78:55又かれらの前にてもろもろの國人をおもひいだし準縄をもちゐ その地をわかちて嗣業となし イスラエルの族をかれらの幕屋にすまはせたまへり
78:56然はあれど彼等はいとたかき神をこころみ之にそむきてそのもろもろの證詞をまもらず
78:57叛きしりぞきてその列祖の如く眞實をうしなひ くるへる弓のごとくひるがへりて逸ゆけり
78:58高處をまうけて神のいきどほりをひき刻める像にて神の嫉妬をおこしたり
78:59神ききたまひて甚だしくいかり大にイスラエルを憎みたまひしかば
78:60人々の間におきたまひし幕屋なるシロのあげばりを棄さり
78:61その力をとりことならしめ その榮光を敵の手にわたし
78:62その民を劍にあたへ その嗣業にむかひて甚だしく怒りたまへり
78:63火はかれらのわかき男をやきつくし かれらの處女はその婚姻の歌によりて譽らるることなく
78:64かれらの祭司はつるぎにて仆れ かれらの寡婦は喪のなげきだにせざりき
78:65斯るときに主はねぶりし者のさめしごとく勇士の酒によりてさけぶがごとく目さめたまひて
78:66その敵をうちしりぞけ とこしへの辱をかれらに負せたまへり
78:67またヨセフの幕屋をいなみエフライムの族をえらばず
78:68ユダの族そのいつくしみたまふシオンの山をえらびたまへり
78:69その聖所を山のごとく永遠にさだめたまへる地のごとくに立たまへり
78:70またその僕ダビデをえらびて羊の牢のなかよりとり
78:71乳をあたふる牝羊にしたがひゆく勤のうちより携へきたりてその民ヤコブその嗣業イスラエルを牧はせたまへり
78:72斯てダビデはそのこころの完全にしたがひてかれらを牧ひ その手のたくみをもて之をみちびけり
第79篇
アサフのうた
79:1ああ神よもろもろの異邦人はなんぢの嗣業の地ををかし なんぢの聖宮をけがしヱルサレムをこぼちて礫堆となし
79:2なんぢの僕のしかばねをそらの鳥に與へて餌となし なんぢの聖徒の肉を地のけものにあたへ
79:3その血をヱルサレムのめぐりに水のごとく流したりされど之をはうむる人なし
79:4われらは隣人にそしられ四周のひとびとに侮られ嘲けらるるものとなれり
79:5ヱホバよ斯て幾何時をへたまふや 汝とこしへに怒たまふや なんぢのねたみは火のごとく燃るか
79:6願くはなんぢを識ざることくにびと聖名をよばざるもろもろの國のうへに烈怒をそそぎたまへ
79:7かれらはヤコブを呑その住處をあらしたればなり
79:8われらにむかひて先祖のよこしまなるわざを記念したまふなかれ願くはなんぢの憐憫をもて速かにわれらを迎へたまへ われらは貶されて甚だしく卑くなりたればなり
79:9われらのすくひの神よ名のえいくわうのために我儕をたすけ名のためにわれらを救ひ われらの罪をのぞきたまへ
79:10いかなれば異邦人はいふ かれらの神はいづくにありやと 願くはなんぢの僕等がながされし血の報をわれらの目前になして異邦人にしらしめたまへ
79:11ねがはくは汝のみまへにとらはれびとの嘆息のとどかんことを なんぢの大なる能力により死にさだめられし者をまもりて存へしめたまへ
79:12主よわれらの隣人のなんぢをそしりたる謗を七倍ましてその懐にむくいかへしたまへ
79:13然ばわれらなんぢの民なんぢの草苑のひつじは永遠になんぢに感謝しその頌辭を世々あらはさん
第80篇
證詞の百合花といへる調にあはせて伶長にうたはしめたるアサフの歌
80:1イスラエルの牧者よひつじの群のごとくヨセフを導きたまものよ 耳をかたぶけたまヘ ケルビムのうへに坐したまふものよ 光をはなちたまヘ
80:2エフライム、ベニヤミン、マナセの前になんぢの力をふりおこし來りてわれらを救ひたまへ
80:3神よふたたびわれらを復し なんぢの聖顔のひかりをてらしたまへ 然ばわれら救をえん
80:4ばんぐんの神ヱホバよなんぢその民の祈にむかひて何のときまで怒りたまふや
80:5汝かれらになみだの糧をくらはせ涙を量器にみちみつるほどあたへて飮しめ給へり
80:6汝われらを隣人のあひあらそふ種料となしたまふ われらの仇はたがひにあざわらへり
80:7萬軍の神よふたたびわれらを復したまへ 汝のみかほの光をてらしたまへ さらばわれら救をえん
80:8なんぢ葡萄の樹をエジプトより携へいだしもろもろの國人をむひしりぞけて之をうゑたまへり
80:9汝そのまへに地をまうけたまひしかば深く根して國にはびこれり
80:10その影はもろもろの山をおほひ そのえだは神の香柏のごとくにてありき
80:11その樹はえだを海にまでのべ その若枝を河にまでのべたり
80:12汝いかなればその垣をくづして路ゆくすべての人に嫡取らせたまふや
80:13はやしの猪はこれをあらし野のあらき獣はこれをくらふ
80:14ああ萬軍の神よねがはくは歸りたまへ 天より俯視てこの葡萄の樹をかへりみ
80:15なんぢが右の手にてうゑたまへるもの自己のために強くなしたまへる枝をまもりたまへ
80:16その樹は火にて焼れまた斫たふさる かれらは聖顔のいかりにて亡ぶ
80:17ねがはくはなんぢの手をその右の手の人のうへにおき自己のためにつよくなしたまへる人の子のうへにおきたまへ
80:18さらばわれら汝をしりぞき離るることなからん 願くはわれらを活したまへ われら名をよばん
80:19ああ萬軍の神ヱホバよふたたび我儕をかへしたまへ なんぢの聖顔のひかりを照したまへ 然ばわれら救をえん
第81篇
ギテトの琴にあはせて伶長にうたはしめたるアサフのうた
81:1われらの力なる神にむかひて高らかにうたひヤコブの神にむかひてよろこびの聲をあげよ
81:2歌をうたひ鼓とよき音のことと筝とをもちきたれ
81:3新月と満月とわれらの節會の日とにラッパをふきならせ
81:4これイスラエルの律法ヤコブのかみの格なり
81:5神さきにエジプトを攻たまひしときヨセフのなかに之をたてて證となしたまへり 我かしこにて未だしらざりし方言をきけり
81:6われかれの肩より重荷をのぞき かれの手を籃よりまぬかれしめたり
81:7汝なやめるとき呼しかば我なんぢをすくへり われ雷鳴のかくれたるところにて汝にこたヘメリバの水のほとりにて汝をこころみたりセラ
81:8わが民よきけ我なんぢに證せん イスラエルよ汝がわれに從はんことをもとむ
81:9汝のうちに他神あるべからず なんぢ他神ををがむべからず
81:10われはエジプトの國よりなんぢを携へいでたる汝の神ヱホバなり なんぢの口をひろくあけよ われ物をみたしめん
81:11されどわが民はわか聲にしたがはず イスラエルは我をこのまず
81:12このゆゑに我かれらが心のかたくななるにまかせ彼等がその任意にゆくにまかせたり
81:13われはわが民のわれに從ひイスフルのわが道にあゆまんことを求む
81:14さらば我すみやかにかれらの仇をしたがへ わが手をかれらの敵にむけん
81:15斯てヱホバをにくみし者もかれらに從ひ かれらの時はとこしへにつづかん
81:16神はむぎの最嘉をもてかれらをやしなひ 磐よりいでたる蜜をもて汝をあかしむべし
第82篇
アサフのうた
82:1かみは神のつどひの中にたちたまふ 神はもろもろの神のなかに審判をなしたまふ
82:2なんぢらは正からざる審判をなし あしきものの身をかたよりみて幾何時をへんとするやセラ
82:3よわきものと孤兒とのためにさばき苦しむものと乏しきものとのために公平をほどこせ
82:4弱きものと貧しきものとをすくひ彼等をあしきものの手よりたすけいだせ
82:5かれらは知ることなく悟ることなくして暗中をゆきめぐりぬ 地のもろもろの基はうごきたり
82:6我いへらく なんぢらは神なりなんぢらはみな至上者の子なりと
82:7然どなんぢらは人のごとくに死もろもろの侯のなかの一人のごとく仆れん
82:8神よおきて全地をさばきたまへ 汝もろもろの國を嗣たまふべければなり
第83篇
アサフの歌なり讃美なり
83:1神よもだしたまふなかれ神よものいはで寂静たまふなかれ
83:2視よなんぢの仇はかしがきしき聲をあげ汝をにくむものは首をあげたり
83:3かれらはたくみなる謀略をもてなんぢの民にむかひ相共にはかりて汝のかくれたる者にむかふ
83:4かれらいひたりき 來かれらを断滅してふたたび國をたつることを得ざらしめイスラエルの名をふたたび人にしられざらしめんと
83:5かれらは心を一つにしてともにはかり互にちかひをなしてなんぢに逆ふ
83:6こはエドムの幕屋にすめる人イシマエル人モアブ、ハガル人
83:7ゲバル、アンモン、アマレク、ペリシテおよびツロの民などなり
83:8アッスリヤも亦かれらにくみせり 斯てロトの子輩のたすけをなせりセラ
83:9なんぢ曩にミデアンになしたまへる如くキションの河にてシセラとヤビンとに作たまへるごとく彼等にもなしたまへ
83:10かれらはエンドルにてほろび地のために肥料となれり
83:11かれらの貴人をオレブ、ゼエブのごとくそのもろもろの侯をゼバ、ザルムンナのごとくなしたまへ
83:12かれらはいへり われら神の草苑をえてわが有とすべしと
83:13わが神よかれらをまきあげらるる塵のごとく風のまへの藁のごとくならしめたまへ
83:14林をやく火のごとく山をもやす熖のごとく
83:15なんぢの暴風をもてかれらを追ひなんぢの旋風をもてかれらを怖れしめたまへ
83:16かれらの面に恥をみたしめたまヘ ヱホバよ然ばかれらなんぢの名をもとめん
83:17かれらをとこしへに恥おそれしめ惶てまどひて亡びうせしめたまへ
83:18然ばかれらはヱホバてふ名をもちたまふ汝のみ全地をしろしめす至上者なることを知るべし
第84篇
ギテトの琴にあはせて伶長にうたはしめたるコラの子のうた
84:1萬軍のヱホバよなんぢの帷幄はいかに愛すべきかな
84:2わが霊魂はたえいるばかりにヱホバの大庭をしたひ わが心わが身はいける神にむかひて呼ふ
84:3誠やすずめは窩をえ燕子はその雛をいるる巣をえたり萬軍のヱホバわが王わが神よ これなんぢの祭壇なり
84:4なんぢの家にすむものは福ひなり かかるひとはつねに汝をたたへまつらんセラ
84:5その力なんじにあり その心シオンの大路にある者はさいはひなり
84:6かれらは涙の谷をすぐれども其處をおほくの泉あるところとなす また前の雨はもろもろの惠をもて之をおほへり
84:7かれらは力より力にすすみ遂におのおのシオンにいたりて神にまみゆ
84:8ばんぐんの神ヱホバよわが祈をききたまへ ヤコブの神よ耳をかたぶけたまへセラ
84:9われらの盾なる神よ みそなはして なんぢの受膏者の顔をかへりみたまへ
84:10なんぢの大庭にすまふ一日は千日にもまされり われ惡の幕屋にをらんよりは 寧ろわが神のいへの門守とならんことを欲ふなり
84:11そは神ヱホバは日なり盾なり ヱホバは恩とえいくわうとをあたへ直くあゆむものに善物をこばみたまふことなし
84:12萬軍のヱホバよなんぢに依頼むものはさいはひなり
第85篇
伶長にうたはしめたるコラの子のうた
85:1ヱホバよなんぢは御國にめぐみをそそぎたまへり なんぢヤコブの俘囚をかへしたまひき
85:2なんぢおのが民の不義をゆるしそのもろもろの罪をおほひたまひきセラ
85:3汝すべての怒をすてその烈しきいきどほりを遠けたまへり
85:4われらのすくひの神よかへりきたり我儕にむかひて忿怒をやめたまヘ
85:5なんぢ永遠にわれらをいかり萬世にみいかりをひきのべたまふや
85:6汝によりてなんぢの民の喜悦をえんが爲に我儕を活したまはざるか
85:7ヱホバよなんぢの憐憫をわれらにしめし汝のすくひを我儕にあたへたまへ
85:8わが神ヱホバのいたりたまふ事をきかん ヱホバはその民その聖徒に平和をかたりたまへばなり さればかれらは愚かなる行爲にふたたび歸るなかれ
85:9實にそのすくひは神をおそるる者にちかし かくて榮光はわれらの國にとどまらん
85:10あはれみと眞實とともにあひ義と平和とたがひに接吻せり
85:11まことは地よりはえ義は天よりみおろせり
85:12ヱホバ善物をあたへたまへばわれらの國は物産をいださん
85:13義はヱホバのまへにゆきヱホバのあゆみたまふ跡をわれに踏しめん
第86篇
ダビデの祈祷
86:1ヱホバよなんぢ耳をかたぶけて我にこたへたまへ 我はくるしみかつ乏しければなり
86:2ねがはくはわが霊魂をまもりたまへ われ神をうやまふ者なればなり わが神よなんぢに依頼める汝のしもべを救ひ給へ
86:3主よわれを憐みたまへ われ終日なんぢによばふ
86:4なんぢの僕のたましひを悦ばせたまへ 主よわが霊魂はなんぢを仰ぎのぞむ
86:5主よなんぢは惠ふかくまた赦をこのみたまふ 汝によばふ凡てのものを豊かにあはれみたまふ
86:6ヱホバよわがいのりに耳をかたぶけ わが懇求のこゑをききたまへ
86:7われわが患難の日になんぢに呼はん なんぢは我にこたへたまふべし
86:8主よもろもろの神のなかに汝にひとしきものはなく汝のみわざに侔しきものはなし
86:9主よなんぢの造れるもろもろの國はなんぢの前にきたりて伏拝まん かれらは聖名をあがむべし
86:10なんぢは大なり奇しき事跡をなしたまふ 唯なんぢのみ神にましませり
86:11ヱホバよなんぢの道をわれに教へたまへ我なんぢの眞理をあゆまん ねがはくは我をして心ひとつに聖名をおそれしめたまへ
86:12主わが神よ我心をつくして汝をほめたたへ とこしへに聖名をあがめまつらん
86:13そはなんぢの憐憫はわれに大なり わがたましひを陰府のふかき處より助けいだしたまへり
86:14神よたかぶれるものは我にさからひて起りたち暴ぶる人の會はわがたましひをもとめ 斯てなんぢを己がまへに置ざりき
86:15されど主よなんぢは憐憫とめぐみとにとみ怒をおそくし愛しみと眞實とにゆたかなる神にましませり
86:16我をかへりみ我をあはれみたまへ ねがはくは汝のしもべに能力を與へ汝のはしための子をすくひたまへ
86:17我にめぐみの憑據をあらはしたまへ 然ばわれをにくむ者これをみて恥をいだかん そはヱホバよなんぢ我をたすけ我をなぐさめたまへばなり
第87篇
コラの子のうたなり讃美なり
87:1ヱホバの基はきよき山にあり
87:2ヱホバはヤコブのすべての住居にまさりてシオンのもろちろの門を愛したまふ
87:3神の都よなんぢにつきておほくの榮光のことを語りはやせりセラ
87:4われはラハブ、バビロンをも我をしるものの中にあげん ペリシテ、ツロ、エテオピアを視よこの人はかしこに生れたりといはん
87:5シオンにつきては如此いはん 此もの彼ものその中にうまれたり至上者みづからシオンを立たまはんと
87:6ヱホバもろもろの民をしるしたまふ時このものは彼處にうまれたりと算へあげたまはんセラ
87:7うたふもの踊るもの皆いはん わがもろもろの泉はなんぢの中にありと
第88篇
マハラテ、レアノテの調にあはせて伶長にうたはしめたるコラの子のうたなり 讃美なり、エズフ人ヘマンのをしへの歌なり
88:1わがすくひの神ヱホバよわれ晝も夜もなんぢの前にさけべり
88:2願くはわが祈をみまへにいたらせ汝のみみをわが號呼のこゑにかたぶけたまへ
88:3わがたましひは患難にてみち我がいのちは陰府にちかづけり
88:4われは穴にいるものとともにかぞへられ依仗なき人のごとくなれり
88:5われ墓のうちなる殺されしもののごとく死者のうちにすてらる汝かれらを再びこころに記たまはず かれらは御手より断滅されしものなり
88:6なんぢ我をいとふかき穴 くらき處 ふかき淵におきたまひき
88:7なんぢの怒はいたくわれにせまれり なんぢそのもろもろの浪をもて我をくるしめ給へりセラ
88:8わが相識ものを我よりとほざけ我をかれらに憎ませたまへり われは錮閉されていづることあたはず
88:9わが眼はなやみの故をもておとろへぬ われ日ごとに汝をよべり ヱホバよなんぢに向ひてわが兩手をのべたり
88:10なんぢ死者にくすしき事跡をあらはしたまはんや 亡にしもの立てなんぢを讃たたへんやセラ
88:11汝のいつくしみは墓のうちに汝のまことは滅亡のなかに宣傳へられんや
88:12汝のくすしきみわざは幽暗になんぢの義は忘失のくにに知るることあらんや
88:13されどヱホバよ我なんぢに向ひてさけべり わがいのりは朝にみまへに達らん
88:14ヱホバよなんぢ何なればわが霊魂をすてたまふや何なればわれに面をかくしたまふや
88:15われ幼稚よりなやみて死るばかりなり我なんぢの恐嚇にあひてくるしみまどへり
88:16汝のはげしき怒わがうへをすぐ汝のおびやかし我をほろぼせり
88:17これらの事ひねもす大水のごとく我をめぐり ことごとく來りて我をかこみふさげり
88:18なんぢ我をいつくしむ者とわが友とをとほざけ わが相識るものを幽暗にいれたまへり
第89篇
エズラ人エタンのをしへの歌
89:1われヱホバの憐憫をとこしへにうたはん われ口もてヱホバの眞實をよろづ代につげしらせん
89:2われいふ あはれみは永遠にたてらる 汝はその眞實をかたく天にさだめたまはんと
89:3われわが撰びたるものと契約をむすびわが僕ダビデにちかひたり
89:4われなんぢの裔をとこしへに固うしなんぢの座位をたてて代々におよばしめんセラ
89:5エホバよもろもろの天はなんぢの奇しき事跡をほめん なんぢの眞實もまた潔きものの會にてほめらるべし
89:6蒼天にてたれかヱホバに類ふものあらんや 神の子のなかに誰かヱホバのごとき者あらんや
89:7神はきよきものの公會のなかにて畏むべきものなり その四周にあるすべての者にまさりて懼るべきものなり
89:8萬軍の神ヱホバよヤハよ汝のごとく大能あるものは誰ぞや なんぢの眞實はなんぢをめぐりたり
89:9なんぢ海のあるるををさめ その浪のたちあがらんときは之をしづめたまふなり
89:10なんぢラハブを殺されしもののごとく撃碎きおのれの仇どもを力ある腕をもて打散したまへり
89:11もろもろの天はなんぢのもの地もまた汝のものなり世界とその中にみつるものとはなんぢの基したまへるなり
89:12北と南はなんぢ造りたまへり タボル、ヘルモンはなんぢの名によりて歓びよばふ
89:13なんぢは大能のみうでをもちたまふ なんぢの手はつよく汝のみぎの手はたかし
89:14義と公平はなんぢの寳座のもとゐなり あはれみと眞實とは聖顔のまへにあらはれゆく
89:15よろこびの音をしる民はさいはひなり ヱホバよかれらはみかほの光のなかをあゆめり
89:16かれらは名によりて終日よろこび 汝の義によりて高くあげられたり
89:17かれらの力の榮光はなんぢなり 汝の惠によりてわれらの角はたかくあげられん
89:18そはわれらの盾はヱホバに屬われらの王はイスラエルの聖者につけり
89:19そのとき異象をもてなんぢの聖徒につげたまはく われ佑助をちからあるものに委ねたり わが民のなかより一人をえらびて高くあげたり
89:20われわが僕ダビデをえて之にわが聖膏をそそげり
89:21わが手はかれとともに堅くわが臂はかれを強くせん
89:22仇かれをしへたぐることなし惡の子かれを苦しむることなからん
89:23われかれの前にそのもろもろの敵をたふし彼をにくめるものを撃ん
89:24されどわが眞實とわが憐憫とはダビデとともに居り わが名によりてその角はたかくあげられん
89:25われ亦かれの手を海のうへにおき そのみぎの手を河のうへにおかん
89:26ダビデ我にむかひて汝はわが父わが神わがすくひの岩なりとよばん
89:27われまた彼をわが初子となし地の王たちのうち最もたかき者となさん
89:28われとこしへに憐憫をかれがためにたもち 之とたてし契約はかはることなかるべし
89:29われまたその裔をとこしへに存へ そのくらゐを天の日數のごとくながらへしめん
89:30もしその子わが法をはなれ わが審判にしたがひて歩まず
89:31わが律法をやぶりわが誡命をまもらずば
89:32われ杖をもてかれらの愆をただし鞭をもてその邪曲をただすべし
89:33されど彼よりわが憐憫をことごとくはとりさらず わが眞實をおとろへしむることなからん
89:34われおのれの契約をやぶらず己のくちびるより出しことをかへじ
89:35われ曩にわが聖をさして誓へり われダビデに虚偽をいはじ
89:36その裔はとこしへにつづきその座位は日のごとく恒にわが前にあらん
89:37また月のごとく永遠にたてられん空にある證人はまことなりセラ
89:38されどその受膏者をとほざけて棄たまへり なんぢ之をいきどほりたまへり
89:39なんぢ己がしもべの契約をいみ 其かんむりをけがして地にまでおとし給へり
89:40またその垣をことごとく倒し その保砦をあれすたれしめたまへり
89:41その道をすぐるすべての者にかすめられ隣人にののしらる
89:42なんぢかれが敵のみぎの手をたかく挙そのもろもろの仇をよろこばしめたまへり
89:43なんぢかれの劍の刃をふりかへして戦闘にたつに堪へざらしめたまひき
89:44またその光輝をけしその座位を地になげおとし
89:45その年若き日をちぢめ恥をそのうへに覆たまへりセラ
89:46ヱホバよかくて幾何時をへたまふや自己をとこしへに隠したまふや忿怒は火のもゆるごとくなるべきか
89:47ねがはくはわが時のいかに短かきかを思ひたまへ 汝いたづらにすべての人の子をつくりたまはんや
89:48誰かいきて死をみず又おのがたましひを陰府より救ひうるものあらんやセラ
89:49主よなんぢが眞實をもてダビデに誓ひたまへる昔日のあはれみはいづこにありや
89:50 89:51主よねがはくはなんぢの僕のうくる謗をみこころにとめたまヘ ヱホバよ汝のもろもろの仇はわれをそしりなんぢの受膏者のあしあとをそしれり 我もろもろの民のそしりをわが懐中にいだく
89:52ヱホバは永遠にほむべきかな アーメン アーメン
第90篇
神の人モーセの祈祷
90:1主よなんぢは往古より世々われらの居所にてましませり
90:2山いまだ生いでず汝いまだ地と世界とをつくりたまはざりしとき 永遠よりとこしへまでなんぢは神なり
90:3なんぢ人を塵にかへらしめて宣はく 人の子よなんぢら歸れと
90:4なんぢの目前には千年もすでにすぐる昨日のごとく また夜間のひとときにおなじ
90:5なんぢこれらを大水のごとく流去らしめたまふ かれらは一夜の寝のごとく朝にはえいづる青草のごとし
90:6朝にはえいでてさかえ夕にはかられて枯るなり
90:7われらはなんぢの怒によりて消うせ 汝のいきどほりによりて怖まどふ
90:8汝われらの不義をみまへに置 われらの隠れたるつみを聖顔のひかりのなかにおきたまへり
90:9われらのもろもろの日はなんぢの怒によりて過去り われらがすべての年のつくるは一息のごとし
90:10われらが年をふる日は七十歳にすぎず あるひは壮やかにして八十歳にいたらん されどその誇るところはただ勤労とかなしみとのみ その去ゆくこと速かにしてわれらもまた飛去れり
90:11誰かなんぢの怒のちからを知らんや たれか汝をおそるる畏にたくらべて汝のいきどほりをしらんや
90:12願くはわれらにおのが日をかぞふることををしへて智慧のこころを得しめたまヘ
90:13ヱホバよ歸りたまへ斯ていくそのときを歴たまふや ねがはくは汝のしもべらに係れるみこころを變へたまへ
90:14ねがはくは朝にわれらを汝のあはれみにてあきたらしめ 世をはるまで喜びたのしませたまへ
90:15汝がわれらを苦しめたまへるもろもろの日と われらが禍害にかかれるもろもろの年とにたくらべて我儕をたのしませたまへ
90:16なんぢの作爲をなんぢの僕等に なんぢの榮光をその子等にあらはしたまへ
90:17斯てわれらの神ヱホバの佳美をわれらのうへにのぞましめ われらの手のわざをわれらのうへに確からしめたまへ 願くはわれらの手のわざを確からしめたまへ
第91篇
91:1至上者のもとなる隠れたるところにすまふその人は全能者の蔭にやどらん
91:2われヱホバのことを宣て ヱホバはわが避所わが城わがよりたのむ神なりといはん
91:3そは神なんぢを狩人のわなと毒をながす疫癘よりたすけいだしたまふべければなり
91:4かれその翮をもてなんぢを庇ひたまはん なんぢその翼の下にかくれん その眞實は盾なり干なり
91:5夜はおどろくべきことあり晝はとびきたる矢あり
91:6幽暗にはあゆむ疫癘あり日午にはそこなふ勵しき疾あり されどなんぢ畏るることあらじ
91:7千人はなんぢの左にたふれ萬人はなんぢの右にたふる されどその災害はなんぢに近づくことなからん
91:8なんぢの眼はただこの事をみるのみ なんぢ惡者のむくいを見ん
91:9なんぢ曩にいへりヱホバはわが避所なりと なんぢ至上者をその住居となしたれば
91:10災害なんぢにいたらず苦難なんぢの幕屋に近づかじ
91:11そは至上者なんぢのためにその使者輩におほせて 汝があゆむもろもろの道になんぢを守らせ給へばなり
91:12彼ら手にてなんぢの足の石にふれざらんために汝をささへん
91:13なんぢは獅と蝮とをふみ壮獅と蛇とを足の下にふみにじらん
91:14彼その愛をわれにそそげるがゆゑに我これを助けん かれわが名をしるがゆゑに我これを高處におかん
91:15かれ我をよはば我こたへん 我その苦難のときに偕にをりて之をたすけ之をあがめん
91:16われ長寿をもてかれを足はしめ且わが救をしめさん
第92篇
安息日にもちゐる歌なり 讃美なり
92:1いとたかき者よヱホバにかんしやし聖名をほめたたふるは善かな
92:2あしたに汝のいつくしみをあらはし 夜々なんぢの眞實をあらはすに
92:3十絃のなりものと筝とをもちゐ 琴の妙なる音をもちゐるはいと善かな
92:4そはヱホバよ なんぢその作爲をもて我をたのしませたまへり 我なんぢの手のわざをよろこびほこらん
92:5ヱホバよ汝のみわざは大なるかな汝のもろもろの思念はいとふかし
92:6無知者はしることなく愚なるものは之をさとらず
92:7惡きものは草のごとくもえいで 不義をおこなふ衆庶はさかゆるとも 遂にはとこしへにほろびん
92:8されどヱホバよ汝はとこしへに高處にましませり
92:9ヱホバよ吁なんぢの仇ああなんぢの仇はほろびん 不義をおこなふ者はことごとく散されん
92:10されど汝わが角をたかくあげて 野の牛のつののごとくならしめたまへり 我はあたらしき膏をそそがれたり
92:11又わが目はわが仇につきて願へることを見わが耳はわれにさからひておこりたつ惡をなすものにつきて願へることをききたり
92:12義しきものは棕櫚の樹のごとく榮え レバノンの香柏のごとくそだつべし
92:13ヱホバの宮にうゑられしものはわれらの神の大庭にさかえん
92:14かれらは年老てなほ果をむすび豊かにうるほひ緑の色みちみちて
92:15ヱホバの直きものなることを示すべし ヱホバはわが巌なりヱホバには不義なし
第93篇
93:1ヱホバは統治たまふ ヱホバは稜威をきたまへり ヱホバは能力をころもとなし帯となしたまへり さればまた世界もかたくたちて動かさるることなし
93:2なんぢの寳座はいにしへより堅くたちぬ 汝はとこしへより在せり
93:3大水はこゑをあげたり ヱホバよおほみづは聲をあげたり おほみづは浪をあぐ
93:4ヱホバは高處にいましてその威力はおほくの水のこゑ海のさかまくにまさりて盛んなり
93:5なんぢの證詞はいとかたし ヱホバよ聖潔はなんぢの家にとこしへまでも適應なり
第94篇
94:1ヱホバよ仇をかへすは汝にあり神よあたを報すはなんぢにあり ねがはくは光をはなちたまへ
94:2世をさばきたまふものよ 願くは起てたかぶる者にそのうくべき報をなしたまヘ
94:3ヱホバよ惡きもの幾何のときを經んとするや あしきもの勝誇りていくそのとしを經るや
94:4かれらはみだりに言をいだして誇りものいふ すべて不義をおこなふ者はみづから高ぶれり
94:5ヱホバよ彼等はなんぢの民をうちくだき なんぢの業をそこなふ
94:6かれらは嫠婦と旅人との生命をうしなひ孤子をころす
94:7かれらはいふ ヤハは見ずヤコブの神はさとらざるべしと
94:8民のなかなる無知よ なんぢらさとれ 愚かなる者よ いづれのときにか智からん
94:9みみを植るものきくことをせざらんや 目をつくれるもの見ることをせざらんや
94:10もろもろの國ををしふる者ただすことを爲ざらんや 人に知識をあたふる者しることなからんや
94:11ヱホバは人の思念のむなしきを知りたまふ
94:12ヤハよなんぢの懲めたまふ人なんぢの法ををしへらるる人は さいはひなるかな
94:13かかる人をわざはひの日よりのがれしめ 惡きもののために坑のほらるるまで これに平安をあたへたまはん
94:14そはヱホバその民をすてたまはず その嗣業をはなれたまはざるなり
94:15審判はただしきにかへり心のなほき者はみなその後にしたがはん
94:16誰かわがために起りたちて惡きものを責んや 誰か我がために立て不義をおこなふ者をせめんや
94:17もしヱホバ我をたすけたまはざりせば わが霊魂はとくに幽寂ところに住ひしならん
94:18されどわが足すべりぬといひしとき ヱホバよなんぢの憐憫われをささへたまへり
94:19わがうちに憂慮のみつる時 なんぢの安慰わがたましひを喜ばせたまふ
94:20律法をもて害ふことをはかる惡の位はなんぢに親むことを得んや
94:21彼等はあひかたらひて義人のたましひをせめ罪なき血をつみに定む
94:22然はあれどヱホバはわがたかき櫓 わが神はわが避所の磐なりき
94:23神はかれらの邪曲をその身におはしめ かれらをその惡き事のなかに滅したまはん われらの神ヱホバはこれを滅したまはん
第95篇
95:1率われらヱホバにむかひてうたひ すくひの磐にむかひてよろこばしき聲をあげん
95:2われら感謝をもてその前にゆき ヱホバにむかひ歌をもて歓ばしきこゑをあげん
95:3そはヱホバは大なる神なり もろもろの神にまされる大なる王なり
95:4地のふかき處みなその手にあり 山のいただきもまた神のものなり
95:5うみは神のものその造りたまふところ旱ける地もまたその手にて造りたまへり
95:6いざわれら拝みひれふし我儕をつくれる主ヱホパのみまへに曲跪くべし
95:7彼はわれらの神なり われらはその草苑の民その手のひつじなり 今日なんぢらがその聲をきかんことをのぞむ
95:8なんぢらメリバに在りしときのごとく 野なるマサにありし日の如く その心をかたくなにするなかれ
95:9その時なんぢらの列祖われをこころみ我をためし 又わがわざをみたり
95:10われその代のためにうれへて四十年を歴 われいへり かれらは心あやまれる民わが道を知ざりきと
95:11このゆゑに我いきどほりて彼等はわが安息にいるべからずと誓ひたり
第96篇
96:1あたらしき歌をヱホバにむかひてうたへ 全地よヱホバにむかひて謳ふべし
96:2ヱホバに向ひてうたひその名をほめよ 日ごとにその救をのべつたへよ
96:3もろもろの國のなかにその榮光をあらはし もろもろの民のなかにその奇しきみわざを顕すべし
96:4そはヱホバはおほいなり大にほめたたふべきものなり もろもろの神にまさりて畏るべきものなり
96:5もろもろの民のすべての神はことごとく虚し されどヱホバはもろもろの天をつくりたまへり
96:6尊貴と稜威とはその前にあり能と善美とはその聖所にあり
96:7もろもろの民のやからよ榮光とちからとをヱホバにあたへよヱホバにあたへよ
96:8その聖名にかなふ榮光をもてヱホバにあたへ 献物をたづさへてその大庭にきたれ
96:9きよき美しきものをもてヱホバををがめ 全地よその前にをののけ
96:10もろもろの國のなかにいヘ ヱホバは統治たまふ世界もかたくたちて動かさるることなし ヱホバは正直をもてすべての民をさばきたまはんと
96:11天はよろこび地はたのしみ海とそのなかに盈るものとはなりどよみ
96:12田畑とその中のすべての物とはよろこぶべし かくて林のもろもろの樹もまたヱホバの前によろこびうたはん
96:13ヱホバ來りたまふ地をさばかんとて來りたまふ 義をもて世界をさばきその眞實をもてもろもろの民をさばきたまはん
第97篇
97:1ヱホバは統治たまふ 全地はたのしみ多くの島々はよろこぶべし
97:2雲とくらきとはそり周環にあり 義と公平とはその寳座のもとゐなり
97:3火ありそのみまへにすすみ その四周の敵をやきつくす
97:4ヱホバのいなびかりは世界をてらす 地これを見てふるへり
97:5もろもろの山はヱホバのみまへ全地の主のみまへにて蝋のごとくとけぬ
97:6もろもろの天はその義をあらはし よろづの民はその榮光をみたり
97:7すべてきざめる像につかへ虚しきものによりてみづから誇るものは恥辱をうくべし もろもろの神よみなヱホバをふしをがめ
97:8ヱホバよなんぢの審判のゆゑによりシオンはききてよろこびユダの女輩はみな樂しめり
97:9ヱホバよなんぢ全地のうへにましまして至高く なんぢもろもろの神のうへにましまして至貴とし
97:10ヱホバを愛しむものよ惡をにくめ ヱホバはその聖徒のたましひをまもり 之をあしきものの手より助けいだしたまふ
97:11光はただしき人のためにまかれ 欣喜はこころ直きもののために播れたり
97:12義人よヱホバにより喜べ そのきよき名に感謝せよ
第98篇
歌なり
98:1あたらしき歌をヱホバにむかひてうたへ そは妙なる事をおこなひその右の手そのきよき臂をもて 己のために救をなし畢たまへり
98:2ヱホバはそのすくひを知しめ その義をもろもろの國人の目のまへにあらはし給へり
98:3又その憐憫と眞實とをイスラエルの家にむかひて記念したまふ 地の極もことごとくわが神のすくひを見たり
98:4全地よヱホバにむかひて歓ばしき聲をあげよ 聲をはなちてよろこびうたへ讃うたへ
98:5琴をもてヱホバをほめうたへ 琴の音と歌のこゑとをもてせよ
98:6ラッパと角笛をふきならし 王ヱホバのみまへによろこばしき聲をあげよ
98:7海とそのなかに盈るもの 世界とせかいにすむものと鳴響むべし
98:8大水はその手をうち もろもろの山はあひともにヱホバの前によろこびうたふべし
98:9ヱホバ地をさばかんために來りたまへばなり ヱホバ義をもて世界をさばき 公平をもてもろもろの民をさばきたまはん
第99篇
99:1ヱホバは統治たまふ もろもろの民はをののくべし ヱホバはケルビムの間にいます 地ふるはん
99:2ヱホバはシオンにましまして大なり もろもろの民にすぐれてたふとし
99:3かれらは汝のおほいなる畏るべき名をほめたたふべし ヱホバは聖なるかな
99:4王のちからは審判をこのみたまふ 汝はかたく公平をたてヤコブのなかに審判と公義とをおこなひたまふ
99:5われらの神ヱホバをあがめ その承足のもとにて拝みまつれ ヱホバは聖なるかな
99:6その祭司のなかにモーセとアロンとあり その名をよぶ者のなかにサムエルあり かれらヱホバをよびしに應へたまへり
99:7ヱホバ雲の柱のうちにましましてかれらに語りたまへり かれらはその證詞とその賜はりたる律法とを守りたりき
99:8われらの神ヱホバよなんぢ彼等にこたへたまへり かれらのなしし事にむくいたまひたれど また赦免をあたへたまへる神にてましませり
99:9われらの神ヱホバを崇めそのきよき山にてをがみまつれ そはわれらの神ヱホバは聖なるなり
第100篇
感謝のうた
100:1全地よヱホバにむかひて歡ばしき聲をあげよ
100:2欣喜をいだきてヱホバに事へ うたひつつその前にきたれ
100:3知れヱホバこそ神にますなれ われらを造りたまへるものはヱホバにましませば我儕はその屬なり われらはその民その草苑のひつじなり
100:4感謝しつつその門にいり ほめたたへつつその大庭にいれ 感謝してその名をほめたたへよ
100:5ヱホバはめぐみふかくその憐憫かぎりなく その眞實よろづ世におよぶべければなり
第101篇
ダビデのうた
101:1われ憐憫と審判とをうたはん ヱホバよ我なんぢを讃うたはん
101:2われ心をさとくして全き道をまもらん なんぢいづれの時われにきたりたまふや 我なほき心をもてわが家のうちをありかん
101:3われわが眼前にいやしき事をおかず われ叛くものの業をにくむ そのわざは我につかじ
101:4僻めるこころは我よりはなれん 惡きものを知ることをこのまず
101:5隠にその友をそしるものは我これをほろぼさん 高ぶる眼また驕れる心のものは我これをしのばじ
101:6わが眼は國のうちの忠なる者をみて之をわれとともに住はせん 全き道をあゆむ人はわれに事へん
101:7欺くことをなす者はわが家のうちに住むことをえず 虚偽をいふものはわが目前にたつことを得じ
101:8われ朝な朝なこの國のあしき者をことごとく滅し ヱホバの邑より不義をおこなふ者をことごとく絶除かん
第102篇
なやみたる者おもひくづほれてその歎息をヱホバの前にそそぎいだせるときの祈祷
102:1ヱホバよわが祈をききたまへ 願くはわが号呼のこゑの御前にいたらんことを
102:2わが窮苦の日みかほを蔽ひたまふなかれ なんぢの耳をわれにかたぶけ 我がよぶ日にすみやかに我にこたへたまへ
102:3わがもろもろの日は煙のごとくきえ わが骨はたきぎのごとく焚るるなり
102:4わがこころは草のごとく撃れてしほれたり われ糧をくらふを忘れしによる
102:5わが歎息のこゑによりてわが骨はわが肉につく
102:6われは野の鸅鸕のごとく荒たる跡のふくろふのごとくになりぬ
102:7われ醒てねぶらず ただ友なくして屋蓋にをる雀のごとくなれり
102:8わが仇はひねもす我をそしる 猖狂ひて我をせむるもの我をさして誓ふ
102:9われは糧をくらふごとくに灰をくらひ わが飮ものには涙をまじへたり
102:10こは皆なんぢの怒と忿恚とによりてなり なんぢ我をもたげてなげすて給へり
102:11わが齡はかたぶける日影のごとし またわれは草のごとく萎れたり
102:12されどヱホバよなんぢは永遠にながらへ その名はよろづ世にながらへん
102:13なんぢ起てシオンをあはれみたまはん そはシオンに恩惠をほどこしたまふときなり そのさだまれる期すでに來れり
102:14なんぢの僕はシオンの石をもよろこび その塵をさへ愛しむ
102:15もろもろの國はヱホバの名をおそれ 地のもろもろの王はその榮光をおそれん
102:16ヱホバはシオンをきづき榮光をもてあらはれたまへり
102:17ヱホバは乏しきものの祈をかへりみ彼等のいのりを藐しめたまはざりき
102:18來らんとするのちの世のためにこの事をしるさん 新しくつくられたる民はヤハをほめたたふべし
102:19ヱホバその聖所のたかき所よりみおろし天より地をみたまへり
102:20こは俘囚のなげきをきき死にさだまれる者をときはなち
102:21人々のシオンにてヱホバの名をあらはしヱルサレムにてその頌美をあらはさんが爲なり
102:22かかる時にもろもろの民もろもろの國つどひあつまりてヱホバに事へまつらん
102:23ヱホバはわがちからを途にておとろへしめ わが齢をみじかからしめ給へり
102:24我いへりねがはくはわが神よわがすべての日のなかばにて我をとりさりたまふなかれ 汝のよはひは世々かぎりなし
102:25汝いにしへ地の基をすゑたまへり 天もまたなんぢの手の工なり
102:26これらは亡びん されど汝はつねに存らへたまはん これらはみな衣のごとくふるびん 汝これらを袍のごとく更たまはん されば彼等はかはらん
102:27然れども汝はかはることなし なんぢの齢はをはらざるなり
102:28汝のしもべの子輩はながらへん その裔はかたく前にたてらるべし
第103篇
ダビデのうた
103:1わが霊魂よヱホバをほめまつれ わが衷なるすべてのものよそのきよき名をほめまつれ
103:2わがたましひよヱホバを讃まつれ そのすべての恩惠をわするるなかれ
103:3ヱホバはなんぢがすべての不義をゆるし汝のすべての疾をいやし
103:4なんぢの生命をほろびより贖ひいだし 仁慈と憐憫とを汝にかうぶらせ
103:5なんぢの口を嘉物にてあかしめたまふ 斯てなんぢは壮ぎて鷲のごとく新になるなり
103:6ヱホバはすべて虐げらるる者のために公義と審判とをおこなひたまふ
103:7おのれの途をモーセにしらしめ おのれの作爲をイスラエルの子輩にしらしめ給へり
103:8ヱホバはあはれみと恩惠にみちて怒りたまふことおそく仁慈ゆたかにましませり
103:9恒にせむることをせず永遠にいかりを懐きたまはざるなり
103:10ヱホバはわれらの罪の量にしたがひて我儕をあしらひたまはず われらの不義のかさにしたがひて報いたまはざりき
103:11ヱホバをおそるるものにヱホバの賜ふそのあはれみは大にして 天の地よりも高きがごとし
103:12そのわれらより愆をとほざけたまふことは東の西より遠きがごとし
103:13ヱホバの己をおそるる者をあはれみたまふことは父がその子をあはれむが如し
103:14ヱホバは我儕のつくられし状をしり われらの塵なることを念ひ給へばなり
103:15人のよはひは草のごとく その榮はのの花のごとし
103:16風すぐれば失てあとなくその生いでし處にとへど尚しらざるなり
103:17然はあれどヱホバの憐憫はとこしへより永遠まで ヱホバをおそるるものにいたり その公義は子孫のまた子孫にいたらん
103:18その契約をまもりその訓諭を心にとめて行ふものぞその人なる
103:19ヱホバはその寳座をもろもろの天にかたく置たまへり その政權はよろづのもののうへにあり
103:20ヱホバにつかふる使者よ ヱホバの聖言のこゑをきき その聖言をおこなふ勇士よ ヱホバをほめまつれ
103:21その萬軍よ その聖旨をおこなふ僕等よ ヱホバをほめまつれ
103:22その造りたまへる萬物よ ヱホバの政權の下なるすべての處にてヱホバをほめよ わがたましひよヱホバを讃まつれ
第104篇
104:1わが霊魂よヱホパをほめまつれ わが神ヱホバよなんぢは至大にして尊貴と稜威とを衣たまへり
104:2なんぢ光をころものごとくにまとひ天を幕のごとくにはり
104:3水のなかにおのれの殿の棟梁をおき 雲をおのれの車となし 風の翼にのりあるき
104:4かぜを使者となし熖のいづる火を僕となしたまふ
104:5ヱホバは地を基のうへにおきて 永遠にうごくことなからしめたまふ
104:6衣にておほふがごとく大水にて地をおほひたまへり 水たたへて山のうへをこゆ
104:7なんぢ叱咤すれば水しりぞき 汝いかづちの聲をはなてば水たちまち去ぬ
104:8あるひは山にのぼり或ひは谷にくだりて 汝のさだめたまへる所にゆけり
104:9なんぢ界をたてて之をこえしめず ふたたび地をおほふことなからしむ
104:10ヱホバはいづみを谷にわきいだし給ふ その流は山のあひだにはしる
104:11かくて野のもろもろの獣にのましむ 野の驢馬もその渇をやむ
104:12空の鳥もそのほとりにすみ 樹梢の間よりさえづりうたふ
104:13ヱホバはその殿よりもろもろの山に灌漑たまふ 地はなんぢのみわざの實によりて飽足ぬ
104:14ヱホバは草をはえしめて家畜にあたへ 田産をはえしめて人の使用にそなへたまふ かく地より食物をいだしたまふ
104:15人のこころを歓ばしむる葡萄酒 ひとの顔をつややかならしむるあぶら 人のこころを強からしむる糧どもなり
104:16ヱホバの樹とその植たまへるレバノンの香柏とは飽足ぬべし
104:17鳥はそのなかに巣をつくり鶴は松をその棲とせり
104:18たかき山は山羊のすまひ磐石は山鼠のかくるる所なり
104:19ヱホバは月をつくりて時をつかさどらせたまへり 日はその西にいることをしる
104:20なんぢ黒暗をつくりたまへば夜あり そのとき林のけものは皆しのびしのびに出きたる
104:21わかき獅ほえて餌をもとめ神にくひものをもとむ
104:22日いづれば退きてその穴にふす
104:23人はいでて工をとりその勤労はゆふべにまでいたる
104:24ヱホバよなんぢの事跡はいかに多なる これらは皆なんぢの智慧にてつくりたまへり 汝のもろもろの富は地にみつ
104:25かしこに大なるひろき海あり そのなかに數しられぬ匍ふもの小なる大なる生るものあり
104:26舟そのうへをはしり汝のつくりたまへる鰐そのうちにあそびたはぶる
104:27彼ら皆なんぢを俟望む なんぢ宜時にくひものを之にあたへたまふ
104:28彼等はなんぢの予へたまふ物をひろふ なんぢ手をひらきたまへばかれら嘉物にあきたりぬ
104:29なんぢ面をおほひたまへば彼等はあわてふためく 汝かれらの氣息をとりたまへばかれらは死て塵にかへる
104:30なんぢ霊をいだしたまへば百物みな造らるなんぢ地のおもてを新にしたまふ
104:31願くはヱホバの榮光とこしへにあらんことを ヱホバそのみわざを喜びたまはんことを
104:32ヱホバ地をみたまへば地ふるひ山にふれたまへば山は煙をいだす
104:33生るかぎりはヱホバに向ひてうたひ 我ながらふるほどはわが神をほめうたはん
104:34ヱホバをおもふわが思念はたのしみ深からん われヱホバによりて喜ぶべし
104:35罪人は地より絶滅され あしきものは復あらざるべし わが霊魂よヱホバをほめまつれヱホバを讃稱へよ
第105篇
105:1ヱホバに感謝してその名をよび そのなしたまへる事をもろもろの民輩のなかにしらしめよ
105:2ヱホバにむかひてうたヘヱホバを讃うたへ そのもろもろの妙なる事跡をかたれ
105:3そのきよき名をほこれ ヱホバをたづねもとむるものの心はよろこぶべし
105:4ヱホバとその能力とをたづねもとめよ つねにその聖顔をたづねよ
105:5 105:6その僕アブラムの裔よヤコブの子輩よ そのえらびたまひし所のものよ そのなしたまへる妙なるみわざと奇しき事跡とその口のさばきとを心にとむれ
105:7彼はわれらの神ヱホバなり そのみさばきは全地にあり
105:8ヱホバはたえずその契約をみこころに記たまへり 此はよろづ代に命じたまひし聖言なり
105:9アブラハムとむすびたまひし契約イサクに與へたまひし誓なり
105:10之をかたくしヤコブのために律法となし イスラエルのためにとこしへの契約となして
105:11言たまひけるは我なんぢにカナンの地をたまひてなんぢらの嗣業の分となさん
105:12この時かれらの數おほからず甚すくなくしてかしこにて旅人となり
105:13この國よりかの國にゆき この國よりほかの民にゆけり
105:14人のかれらを虐ぐるをゆるし給はず かれらの故によりて王たちを懲しめて
105:15宣給くわが受膏者たちにふるるなかれ わが預言者たちをそこなふなかれ
105:16ヱホバは饑饉たを地にまねき 人の杖とする糧をことごとく碎きたまへり
105:17又かれらの前にひとりを遣したまへり ヨセフはうられて僕となりぬ
105:18かれら足械をもてヨセフの足をそこなひ くろかねの鏈をもてその霊魂をつなげり
105:19斯てそのことばの験をうるまでに及ぶ ヱホバのみことば彼をこころみたまへり
105:20王は人をつかはしてこれを解き もろもろの民の長はこれをゆるし
105:21之をその家司となし その財寶をことごとく司どらせ
105:22その心のままにかの國のきみたちを縛しめ 長老たちに智慧ををしへしむ
105:23イスラエルも亦エジプトにゆき ヤコブはハムの地にやどれり
105:24ヱホバはその民を大にましくはへ之をその敵よりも強くしたまへり
105:25また敵のこころをかへておのれの民をにくましめ おのれの僕輩をあざむき待さしめたまへり
105:26又そのしもベモーセとその選びたまへるアロンとを遣したまへり
105:27かれらはヱホバの預兆をハムの地におこなひ またその國にくすしき事をおこなへり
105:28ヱホバは闇をつかはして暗くしたまへり かれらその聖言にそむくことをせざりき
105:29彼等のすべての水を血にかへてその魚をころしたまへり
105:30かれらの國は蛙むれいでて王の殿のうちにまでみちふさがりぬ
105:31ヱホバいひたまへば蝿むらがり蚤そのすべての境にいりきたりぬ
105:32また雨にかへて霰をかれらに與へもゆる火をかれらの國にふらし
105:33かれらの葡萄の樹といちじくの樹とをうちその境のもろちろの樹ををりくだきたまへり
105:34ヱホバいひたまへば算しられぬ蝗と蟊賊きたり
105:35かれらの國のすべての田産をはみつくしその地のすべての實を食つくせり
105:36ヱホバはかれらの國のすべての首出者をうち かれらのすべての力の始をうちたまへり
105:37しろかね黄金をたづさへて彼等をいでゆかしめたまへり その家族のうちに一人のよわき者もなかりき
105:38エジプトはかれらの出るをよろこべり かれらをおそるるの念そのうちにおこりたればなり
105:39ヱホバは雲をしきて蓋となし夜は火をもて照したまへり
105:40又かれらの求によりて鶉をきたらしめ天の餅にてかれらを飽しめたまへり
105:41磐をひらきたまへば水ほどばしりいで 潤ひなきところに川をなして流れいでたり
105:42ヱホバそのきよき聖言とその僕アブラハムとをおもひいでたまひたればなり
105:43その民をみちびきて歓びつついでしめ そのえらべる民をみちびきて謳ひつついでしめたまへり
105:44もろもろの國人の地をかれらに與へたまひしかば 彼等もろもろのたみの勤労をおのが有とせり
105:45こは彼等がその律にしたがひその法をまもらんが爲なり ヱホバをほめたたへよ
第106篇
106:1ヱホバをほめたたヘヱホバに感謝せよ そのめぐみはふかくその憐憫はかぎりなし
106:2たれかヱホバの力ある事跡をかたり その讃べきことを悉とくいひあらはし得んや
106:3審判をまもる人々つねに正義をおこなふ者はさいはひなり
106:4ヱホバよなんぢの民にたまふ惠をもて我をおぼえ なんぢの救をもてわれに臨みたまへ
106:5さらば我なんぢの撰びたまへる者のさいはひを見 なんぢの國の歓喜をよろこび なんぢの嗣業とともに誇ることをせん
106:6われら列祖とともに罪ををかせり 我儕よこしまをなし惡をおこなへり
106:7われらの列祖はなんぢがエジプトにてなしたまへる奇しき事跡をさとらず 汝のあはれみの豊かなるを心にとめず 海のほとり即ち紅海のほとりにて逆きたり
106:8されどヱホバはその名のゆゑをもて彼等をすくひたまへり こは大なる能力をしらしめんとてなり
106:9また紅海を叱咤したまひたれば乾きたり かくて民をみちびきて野をゆくがごとくに淵をすぎしめ
106:10恨むるものの手よりかれらをすくひ 仇の手よりかれらを贖ひたまへり
106:11水その敵をおほひたればその一人だにのこりし者なかりき
106:12このとき彼等そのみことばを信じその頌美をうたへり
106:13彼等しばしがほどにその事跡をわすれその訓誨をまたず
106:14野にていたくむさぼり荒野にて神をこころみたりき
106:15ヱホバはかれらの願欲をかなへたまひしかど その霊魂をやせしめたまへり
106:16たみは営のうちにてモーセを嫉みヱホパの聖者アロンをねたみしかば
106:17地ひらけてダタンを呑みアビラムの党類をおほひ
106:18火はこのともがらの中にもえおこり熖はあしき者をやきつくせり
106:19かれらはホレブの山にて犢をつくり鑄たる像ををがみたり
106:20かくの如くおのが榮光をかへて草をくらふ牛のかたちに似す
106:21救主なる神はエジプトにて大なるわざをなし
106:22ハムの地にて奇しき事跡をなし紅海のほとりにて懼るべきことを爲たまへり かれは斯る神をわすれたり
106:23この故にヱホバかれらを亡さんと宣まへり されど神のえらみたまへる者モーセやぶれの間隙にありてその前にたちその烈怒をひきかへして滅亡をまぬかれしめたり
106:24かれら美しき地を蔑しそのみことばを信ぜず
106:25剰さへその幕屋にてつぶやきヱホバの聲をもきかざりき
106:26この故に手をあげて彼等にむかひたまへり これ野にてかれらを斃れしめんとし
106:27又もろもろの國のうちにてその裔をたふれしめ もろもろの地にかれらを散さんとしたまへるなり
106:28彼らはバアルベオルにつきて死るものの祭物をくらひたり
106:29斯のごとくその行爲をもてヱホバの烈怒をひきいだしければえやみ侵しいりたり
106:30そのときピネハスたちて裁判をなせり かくて疫癘はやみぬ
106:31ピネハスは萬代までとこしへにこのことを義とせられたり
106:32民メリバの水のほとりにてヱホバの烈怒をひきおこししかば かれらの故によりてモーセも禍害にあへり
106:33かれら神の霊にそむきしかばモーセその口唇にて妄にものいひたればなり
106:34かれらはヱホバの命じたまへる事にしたがはずしてもろもろの民をほろぼさず
106:35反てもろもろの國人とまじりをりてその行爲にならひ
106:36おのが羂となりしその偶像につかへたり
106:37かれらはその子女を鬼にささぐ
106:38罪なき血すなはちカナンの偶像にささげたる己がむすこむすめの血をながしぬ 斯てくには血にてけがされたり
106:39またそのわざは自己をけがし そのおこなふところは姦淫なり
106:40このゆゑにヱホバの怒その民にむかひて起り その嗣業をにくみて
106:41かれらをもろもろの國の手にわたしたまへり 彼等はおのれを恨るものに制へられ
106:42おのれの仇にしへたげられ その手の下にうちふせられたり
106:43ヱホバはしばしば助けたまひしかどかれらは謀略をまうけて逆き そのよこしまに卑くせられたり
106:44されどヱホバはかれらの哭聲をききたまひしとき その患難をかへりみ
106:45その契約をかれらの爲におもひいだし その憐憫のゆたかなるにより聖意をかへさせ給ひて
106:46かれらを己がとりこにせられたる者どもに憐まるることを得しめたまへり
106:47われらの神ヱホバよ われらをすくひて列邦のなかより取集めたまへ われらは聖名に謝し なんぢのほむべき事をほこらん
106:48イスラエルの神エホバはとこしへより永遠までほむべきかな すべての民はアーメンととなふべし ヱホバを讃稱へよ
第107篇
107:1ヱホバに感謝せよ ヱホバは惠ふかくましましてその憐憫かぎりなし
107:2ヱホバの救贖をかうぶる者はみな然いふべきなり
107:3ヱホバは敵の手よりかれらを贖ひもろもろの地よ東西北南よりとりあつめたまへり
107:4かれら野にてあれはてたる路にさまよひその住ふべき邑にあはざりき
107:5かれら飢また渇きそのうちの霊魂おとろへたり
107:6斯てその困苦のうちにてヱホバをよばはりたればヱホバこれを患難よりたすけいだし
107:7住ふべき邑にゆかしめんとて直き路にみちびきたまへり
107:8願くはすべての人はヱホバの惠により人の子になしたまへる奇しき事跡によりてヱホバを讃稱へんことを
107:9ヱホバは渇きしたふ霊魂をたらはせ飢たるたましひを嘉物にてあかしめ給へばなり
107:10くらきと死の蔭とに居るもの患難とくろがねとに縛しめらるるもの
107:11神の言にそむき至高者のをしへを蔑しめけれぱ
107:12勤勞をもてその心をひくうしたまへり かれら仆れたれど助くるものもなかりき
107:13斯てその困苦のうちにてヱホバをよばはりたればヱホバこれを患難よりすくひ
107:14くらきと死のかげより彼等をみちびき出してその械をこぼちたまへり
107:15願くはすべての人はヱホバの惠により人の子になしたまへる奇しき事跡によりてヱホバを讃稱へんことを
107:16そはあかがねの門をこぼち くろがねの關木をたちきりたまへり
107:17愚かなる者はおのが愆の道により己がよこしまによりて惱めり
107:18かれらの霊魂はすべての食物をきらひて死の門にちかづく
107:19かくてその困苦のうちにてヱホバをよばふ ヱホバこれを患難よりすくひたまふ
107:20その聖言をつかはして之をいやし之をその滅亡よりたすけいだしたまふ
107:21願くはすべての人ヱホバのめぐみにより人の子になしたまへる奇しき事跡によりてヱホバをほめたたへんことを
107:22かれらは感謝のそなへものをささげ喜びうたひてその事跡をいひあらはすべし
107:23舟にて海にうかび大洋にて事をいとなむ者は
107:24ヱホバのみわざを見また淵にてその奇しき事跡をみる
107:25ヱホバ命じたまへばあらき風おこりてその浪をあぐ
107:26かれら天にのぼりまた淵にくだり患難によりてその霊魂とけさり
107:27左た右たにかたぶき酔たる者のごとく踉蹌てなす所をしらず
107:28かくてその困苦のうちにてヱホバをよばふ ヱホバこれを患難よりたづさへいで
107:29狂風をしづめて浪をおだやかになし給へり
107:30かれらはおのが静かなるをよろこぶ 斯てヱホバはかれらをその望むところの湊にみちびきたまふ
107:31願くはすべての人ヱホバの惠により人の子になしたまへる奇しき事跡によりてヱホバをほめたたへんことを
107:32かれら民の會にてこれをあがめ長老の座にてこれを讃稱ふべし
107:33ヱホバは河を野にかはらせ泉をかわける地に變らせ
107:34また豊かなる地にすめる民の惡によりてそこを鹵の地にかはらせ給ふ
107:35野を池にかはらせ乾ける地をいづみにかはらせ
107:36ここに餓たるものを住はせたまふ されば彼らは己がすまひの邑をたて
107:37畠にたねをまき葡萄園をまうけてそのむすべる實をえたり
107:38ヱホバはかれらの甚くふえひろごれるまでに惠をあたへ その牲畜のへることをも許したまはず
107:39されどまた虐待くるしみ悲哀によりて減ゆき且うなたれたり
107:40ヱホバもろもろの君に侮辱をそそぎ道なき荒地にさまよはせたまふ
107:41然はあれど貧しきものを患難のうちより挙てその家族をひつじの群のごとくならしめたまふ
107:42直きものは之をみて喜びもろもろの不義はその口をふさがん
107:43すべて慧者はこれらのことに心をよせヱホバの憐憫をさとるべし
第108篇
ダビデの歌なり讃美なり
108:1神よわが心はさだまれり われ謳ひまつらん 稱まつらん わが榮をもてたたへまつらん
108:2筝よ琴よさむべし われ黎明をよびさまさん
108:3ヱホバよ我もろもろの民のなかにてなんぢに感謝し もろもろの國のなかにてなんぢをほめうたはん
108:4そは汝のあはれみは大にして天のうへにあがり なんぢの眞實は雲にまでおよぶ
108:5神よねがはくはみづからを天よりもたかくし榮光を全地のうへに挙たまへ
108:6ねがはくは右の手をもて救をほどこし われらに答をなして愛しみたまふものに助をえしめたまへ
108:7神はその聖をもていひたまへり われ甚くよろこぱん我シケムをわかちスコテの谷をはからん
108:8ギレアデはわがものマナセはわが有なりエフライムも亦わが首のまもりなりユダはわが杖
108:9モアブはわが足盥なりエドムにはわが履をなげんペリシテよわが故によりて聲をあげよと
108:10誰かわれを堅固なる邑にすすましめんや 誰かわれをみちびきてエドムにゆきしや
108:11神よなんぢはわれらを棄たまひしにあらずや 神よなんぢはわれらの軍とともに出ゆきたまはず
108:12ねがはくは助をわれにあたへて敵にむかはしめたまへ 人のたすけは空しければなり
108:13われらは神によりて勇しくはたらかん われらの敵をふみたまふものは神なればなり
第109篇
伶長にうたはしめたるダビデのうた
109:1わが讃たたふる神よもだしたまふなかれ
109:2かれらは惡の口とあざむきの口とをあけて我にむかひ いつはりの舌をもて我にかたり
109:3うらみの言をもて我をかこみ ゆゑなく我をせめて闘ふことあればなり
109:4われ愛するにかれら反りてわが敵となる われただ祈るなり
109:5かれらは惡をもてわが善にむくい恨をもてわが愛にむくいたり
109:6ねがはくは彼のうへに惡人をたてその右方に敵をたたしめたまへ
109:7かれが鞫かるるときはその罪をあらはにせられ又そのいのりは罪となり
109:8その日はすくなく その職はほかの人にえられ
109:9その子輩はみなしごとなり その妻はやもめとなり
109:10その子輩はさすらひて乞丐 そのあれたる處よりいできたりて食をもとむべし
109:11彼のもてるすべてのものは債主にうばはれ かれの勤勞は外人にかすめらるべし
109:12かれに惠をあたふる人ひとりだになく かれの孤子をあはれむ者もなく
109:13その裔はたえその名はつぎの世にきえうすべし
109:14その父等のよこしまはヱホバのみこころに記され その母のつみはきえざるべし
109:15かれらは恒にヱホバの前におかれ その名は地より断るべし
109:16かかる人はあはれみを施すことをおもはず反りて貧しきもの乏しきもの心のいためる者をころさんとして攻たりき
109:17かかる人は詛ふことをこのむ この故にのろひ己にいたる惠むことをたのしまず この故にめぐみ己にとほざかれり
109:18かかる人はころものごとくに詛をきる この故にのろひ水のごとくにおのれの衷にいり油のごとくにおのれの骨にいれり
109:19ねがはくは詛をおのれのきたる衣のごとく帯のごとくなして恒にみづから纏はんことを
109:20これらの事はわが敵とわが霊魂にさからひて惡言をいふ者とにヱホバのあたへたまふ報なり
109:21されど主ヱホバよなんぢの名のゆゑをもて我をかへりみたまへ なんぢの憐憫はいとふかし ねがはくは我をたすけたまへ
109:22われは貧しくして乏し わが心うちにて傷をうく
109:23わがゆく状はゆふ日の影のごとく また蝗のごとく吹さらるるなり
109:24わが膝は断食によりてよろめき わが肉はやせおとろふ
109:25われは彼等にそしらるる者となれり かれら我をみるときは首をふる
109:26わが神ヱホバよねがはくは我をたすけその憐憫にしたがひて我をすくひたまヘ
109:27ヱホバよこれらは皆なんぢの手よりいで 汝のなしたまへることなるを彼等にしらしめたまへ
109:28かれらは詛へども汝はめぐみたまふ かれらの立ときは恥かしめらるれどもなんぢの僕はよろこばん
109:29わがもろもろの敵はあなどりを衣おのが恥を外袍のごとくにまとふべし
109:30われはわが口をもて大にヱホバに謝し おほくの人のなかにて讃まつらむ
109:31ヱホバはまづしきものの右にたちてその霊魂を罪せんとする者より之をすくひたまへり
第110篇
ダビデのうた
110:1ヱホバわが主にのたまふ 我なんぢの仇をなんぢの承足とするまではわが右にざすべし
110:2ヱホバはなんぢのちからの杖をシオンよりつきいださしめたまはん 汝はもろもろの仇のなかに王となるべし
110:3なんぢのいきほひの日になんぢの民は聖なるうるはしき衣をつけ 心よりよろこびて己をささげん なんぢは朝の胎よりいづる壮きものの露をもてり
110:4ヱホバ誓をたてて聖意をかへさせたまふことなし 汝はメルキセデクの状にひとしくとこしへに祭司たり
110:5主はなんぢの右にありてそのいかりの日に王等をうちたまへり
110:6主はもろもろの國のなかにて審判をおこなひたまはん 此處にも彼處にも屍をみたしめ 寛濶なる地をすぶる首領をうちたまへり
110:7かれ道のほとりの川より汲てのみ斯てかうべを挙ん
第111篇
111:1ヱホバを讃たたへよ 我はなほきものの會あるひは公會にて心をつくしてヱホバに感謝せん
111:2ヱホバのみわざは大なりすべてその事跡をしたふものは之をかんがへ究む
111:3その行ひたまふところは榮光ありまた稜威あり その公義はとこしへに失することなし
111:4ヱホバはその奇しきみわざを人のこころに記しめたまへり ヱホバはめぐみと憐憫とにて充たまふ
111:5ヱホバは己をおそるるものに糧をあたへたまへり またその契約をとこしへに心にとめたまはん
111:6ヱホバはもろもろの國の所領をおのれの民にあたへてその作爲のちからを之にあらはしたまへり
111:7その手のみわざは眞實なり公義なり そのもろもろの訓諭はかたし
111:8これらは世々かぎりなく堅くたち眞實と正直とにてなれり
111:9ヱホバはそのたみに救贖をほどこし その契約をとこしへに立たまへり ヱホバの名は聖にしてあがむべきなり
111:10ヱホバをおそるるは智慧のはじめなり これらを行ふものは皆あきらかなる聰ある人なり ヱホバの頌美はとこしへに失ることなし
第112篇
112:1ヱホバを讃まつれヱホバを畏れてそのもろもろの誡命をいたく喜ぶものはさいはひなり
112:2かかる人のすゑは地にてつよく直きものの類はさいはひを得ん
112:3富と財とはその家にあり その公義はとこしへにうすることなし
112:4直き者のために暗きなかにも光あらはる 彼は惠ゆたかに憐憫にみつる義しきものなり
112:5惠をほどこし貸ことをなす者はさいはひなり かかる人は審判をうくるときおのが訴をささへうべし
112:6又とこしへまで動かさるることなからん義者はながく忘れらるることなかるべし
112:7彼はあしき音信によりて畏れず その心ヱホバに依頼みてさだまれり
112:8その心かたくたちて懼るることなく敵につきての願望をつひに見ん
112:9彼はちらして貧者にあたふ その正義はとこしへにうすることなし その角はあがめをうけて挙られん
112:10惡者はこれを見てうれへもだえ切歯しつつ消さらん また惡きものの願望はほろぶべし
第113篇
113:1ヱホバをほめまつれ汝等ヱホバの僕よほめまつれヱホバの名をほめまつれ
113:2今より永遠にいたるまでヱホバの名はほむべきかな
113:3日のいづる處より日のいる處までヱホバの名はほめらるべし
113:4ヱホバはもろもろの國の上にありてたかく その榮光は天よりもたかし
113:5 113:6われらの神ヱホバにたぐふべき者はたれぞや 寳座をその高處にすゑ己をひくくして天と地とをかへりみ給ふ
113:7まづしきものを塵よりあげ乏しきものを糞土よりあげて
113:8もろもろの諸侯とともにすわらせ その民のきみたちと共にすわらせたまはん
113:9又はらみなき婦に家をまもらせ おほくの子女のよろこばしき母たらしめたまふ ヱホバを讃まつれ
第114篇
114:1イスラエルの民エジプトをいで ヤコブのいへ異言の民をはなれしとき
114:2ユダはヱホバの聖所となりイスラエルはヱホバの所領となれり
114:3海はこれを見てにげヨルダンは後にしりぞき
114:4山は牡羊のごとくをどり小山はこひつじのごとく躍れり
114:5海よなんぢ何とてにぐるやヨルダンよなんぢ何とて後にしりぞくや
114:6山よなにとて牡羊のごとくをどるや小山よなにとて小羊のごとく躍るや
114:7地よ主のみまへヤコブの神の前にをののけ
114:8主はいはを池にかはらせ石をいづみに變らせたまへり
第115篇
115:1ヱホバよ榮光をわれらに歸するなかれ われらに歸するなかれ なんぢのあはれみと汝のまこととの故によりてただ名にのみ歸したまへ
115:2もろもろの國人はいかなればいふ 今かれらの神はいづくにありやと
115:3然どわれらの神は天にいます 神はみこころのままにすべての事をおこなひ給へり
115:4かれらの偶像はしろかねと金にして人の手のわざなり
115:5その偶像は口あれどいはず目あれどみず
115:6耳あれどきかず鼻あれどかがず
115:7手あれどとらず脚あれどあゆまず喉より聲をいだすことなし
115:8此をつくる者とこれに依頼むものとは皆これにひとしからん
115:9イスラエルよなんぢヱホバに依頼め ヱホバはかれらの助かれらの盾なり
115:10アロンの家よなんぢらヱホバによりたのめ ヱホバはかれらの助かれらの盾なり
115:11ヱホバを畏るるものよヱホバに依頼め ヱホバはかれらの助かれらの盾なり
115:12ヱホバは我儕をみこころに記たまへり われらを惠みイスラエルの家をめぐみアロンのいへをめぐみ
115:13また小なるも大なるもヱホバをおそるる者をめぐみたまはん
115:14願くはヱホバなんぢらを増加へ なんぢらとなんぢらの子孫とをましくはへ給はんことを
115:15なんぢらは天地をつくりたまへるヱホバに惠まるる者なり
115:16天はヱホバの天なり されど地は人の子にあたへたまへり
115:17死人も幽寂ところに下れるものもヤハを讃稱ふることなし
115:18然どわれらは今より永遠にいたるまでヱホバを讃まつらむ 汝等ヱホバをほめたたへよ
第116篇
116:1われヱホバを愛しむ そはわが聲とわが願望とをききたまへばなり
116:2ヱホバみみを我にかたぶけたまひしが故に われ世にあらんかぎりヱホバを呼まつらむ
116:3死の繩われをまとひ陰府のくるしみ我にのぞめり われは患難とうれへとにあへり
116:4その時われヱホバの名をよべり ヱホバよ願くはわが霊魂をすくひたまへと
116:5ヱホバは恩惠ゆたかにして公義ましませり われらの神はあはれみ深し
116:6ヱホバは愚かなるものを護りたまふ われ卑くせられしがヱホバ我をすくひたまへり
116:7わが霊魂よなんぢの平安にかへれ ヱホバは豊かになんぢを待ひたまへばなり
116:8汝はわがたましひを死より わが目をなみだより わが足を顛蹶よりたすけいだしたまひき
116:9われは活るものの國にてヱホバの前にあゆまん
116:10われ大になやめりといひつつもなほ信じたり
116:11われ惶てしときに云らく すべての人はいつはりなりと
116:12我いかにしてその賜へるもろもろの恩惠をヱホバにむくいんや
116:13われ救のさかづきをとりてヱホバの名をよびまつらむ
116:14我すべての民のまへにてヱホバにわが誓をつくのはん
116:15ヱホバの聖徒の死はそのみまへにて貴とし
116:16ヱホバよ誠にわれはなんぢの僕なり われはなんぢの婢女の子にして汝のしもべなり なんぢわが縲絏をときたまへり
116:17われ感謝をそなへものとして汝にささげん われヱホバの名をよばん
116:18我すべての民のまへにてヱホバにわがちかひを償はん
116:19ヱルサレムよ汝のなかにてヱホバのいへの大庭のなかにて此をつくのふべし ヱホバを讃まつれ
第117篇
117:1もろもろの國よなんぢらヱホバを讃まつれ もろもろの民よなんぢらヱホバを稱へまつれ
117:2そはわれらに賜ふその憐憫はおほいなり ヱホバの眞實はとこしへに絶ることなし ヱホバをほめまつれ
第118篇
118:1ヱホバに感謝せよヱホバは恩惠ふかくその憐憫とこしへに絶ることなし
118:2イスラエルは率いふべし その憐憫はとこしへにたゆることなしと
118:3アロンの家はいざ言ふべし そのあはれみは永遠にたゆることなしと
118:4ヱホバを畏るるものは率いふべし その憐憫はとこしへにたゆることなしと
118:5われ患難のなかよりヱホバをよべば ヱホバこたへて我をひろき處におきたまへり
118:6ヱホバわが方にいませばわれにおそれなし 人われに何をなしえんや
118:7ヱホバはわれを助くるものとともに我がかたに坐す この故にわれを憎むものにつきての願望をわれ見ることをえん
118:8ヱホバに依頼むは人にたよるよりも勝りてよし
118:9ヱホバによりたのむはもろもろの侯にたよるよりも勝りてよし
118:10もろもろの國はわれを圍めり われヱホバの名によりて彼等をほろぼさん
118:11かれらは我をかこめり我をかこめりヱホバの名によりて彼等をほろぼさん
118:12かれらは蜂のごとく我をかこめり かれらは荊の火のごとく消たり われはヱホバの名によりてかれらを滅さん
118:13汝われを倒さんとしていたく剌つれど ヱホバわれを助けたまへり
118:14ヱホバはわが力わが歌にしてわが救となりたまへり
118:15歓喜とすくひとの聲はただしきものの幕屋にあり ヱホバのみぎの手はいさましき動作をなしたまふ
118:16ヱホバのみぎの手はたかくあがりヱホバの右の手はいさましき動作をなしたまふ
118:17われは死ることなからん 存へてヤハの事跡をいひあらはさん
118:18ヤハはいたく我をこらしたまひしかど死には付したまはざりき
118:19わがために義の門をひらけ 我そのうちにいりてヤハに感謝せん
118:20こはヱホバの門なりただしきものはその内にいるべし
118:21われ汝に感謝せん なんぢ我にこたへてわが救となりたまへばなり
118:22工師のすてたる石はすみの首石となれり
118:23これヱホバの成たまへる事にしてわれらの目にあやしとする所なり
118:24これヱホバの設けたまへる日なり われらはこの日によろこびたのしまん
118:25ヱホバよねがはくはわれらを今すくひたまへ ヱホバよねがはくは我儕をいま榮えしめたまヘ
118:26ヱホバの名によりて來るものは福ひなり われらヱホバの家よりなんぢらを祝せり
118:27ヱホバは神なり われらに光をあたへたまへり 繩をもて祭壇の角にいけにへをつなげ
118:28なんぢはわが神なり我なんぢに感謝せん なんぢはわが神なり我なんぢを崇めまつらん
118:29ヱホバにかんしやせよ ヱホバは恩惠ふかくその憐憫とこしへに絶ることなし
第119篇
アレフ
119:1おのが道をなほくしてヱホバの律法をあゆむ者はさいはひなり
119:2ヱホバのもろもろの證詞をまもり 心をつくしてヱホバを尋求むるものは福ひなり
119:3かかる人は不義をおこなはずしてヱホバの道をあゆむなり
119:4ヱホバよなんぢ訓諭をわれらに命じてねんごろに守らせたまふ
119:5なんぢわが道をかたくたててその律法をまもらせたまはんことを
119:6われ汝のもろもろの誡命にこころをとむるときは恥ることあらじ
119:7われ汝のただしき審判をまなばば 直き心をもてなんぢに感謝せん
119:8われは律法をまもらん われを棄はてたまふなかれ
○ベテ
119:9わかき人はなにによりてかその道をきよめん 聖言にしたがひて愼むのほかぞなき
119:10われ心をつくして汝をたづねもとめたり 願くはなんぢの誡命より迷ひいださしめ給ふなかれ
119:11われ汝にむかひて罪ををかすまじき爲になんぢの言をわが心のうちに蔵へたり
119:12讃べきかなヱホバよねがはくは律法をわれに教へたまへ
119:13われわが口唇をもてなんぢの口よりいでしもろもろの審判をのべつたへたり
119:14我もろもろの財貨をよろこぶごとくに汝のあかしの道をよろこべり
119:15我なんぢの訓諭をおもひ汝のみちに心をとめん
119:16われは律法をよろこび聖言をわするることなからん
○ギメル
119:17ねがはくは汝のしもべを豊にあしらひて存へしめたまへ さらばわれ聖言をまもらん
119:18なんぢわが眼をひらき なんぢの法のうちなる奇しきことを我にみせたまへ
119:19われは世にある旅客なり 我になんぢの誡命をかくしたまふなかれ
119:20断るときなくなんぢの審判をしたふが故にわが霊魂はくだくるなり
119:21汝はたかぶる者をせめたまへり なんぢの誡命よりまよひづる者はのろはる
119:22我なんぢの證詞をまもりたり 我より謗とあなどりとを取去たまへ
119:23又もろもろの侯は坐して相語りわれをそこなはんとせり 然はあれど汝のしもべは律法をふかく思へり
119:24汝のもろもろの證詞はわれをよろこばせわれをさとす者なり
○ダレテ
119:25わが霊魂は塵につきぬ なんぢの言にしたがひて我をいかしたまへ
119:26我わがふめる道をあらはししかば汝こたへを我になしたまへり なんぢの律法をわれに教へたまへ
119:27なんぢの訓諭のみちを我にわきまへしめたまへ われ汝のくすしき事跡をふかく思はん
119:28わがたましひ痛めるによりてとけゆく ねがはくは聖言にしたがひて我にちからを予へたまへ
119:29願くはいつはりの道をわれより遠ざけ なんぢの法をもて我をめぐみたまへ
119:30われは眞實のみちをえらび 恒になんぢのもろもろの審判をわが前におけり
119:31我なんぢの證詞をしたひて離れず ヱホバよねがはくは我をはづかしめ給ふなかれ
119:32われ汝のいましめの道をはしらん その時なんぢわが心をひろく爲たまふべし
○へ
119:33ヱホバよ願くはなんぢの律法のみちを我にをしへたまへ われ終にいたるまで之をまもらん
119:34われに智慧をあたへ給へ さらば我なんぢの法をまもり心をつくして之にしたがはん
119:35われに汝のいましめの道をふましめたまへ われその道をたのしめばなり
119:36わが心をなんぢの證詞にかたぶかしめて 貪利にかたぶかしめ給ふなかれ
119:37わが眼をほかにむけて虚しきことを見ざらしめ 我をなんぢの途にて活し給へ
119:38ひたすらに汝をおそるる汝のしもべに 聖言をかたくしたまへ
119:39わがおそるる謗をのぞきたまへ そはなんぢの審判はきはめて善し
119:40我なんぢの訓諭をしたへり 願くはなんぢの義をもて我をいかしたまへ
○ワウ
119:41ヱホバよ聖言にしたがひてなんぢの憐憫なんぢの拯救を我にのぞませたまへ
119:42さらば我われを謗るものに答ふることをえん われ聖言によりたのめばなり
119:43又わが口より眞理のことばをことごとく除き給ふなかれ われなんぢの審判をのぞみたればなり
119:44われたえずいや永久になんぢの法をまもらん
119:45われなんぢの訓諭をもとめたるにより障なくしてあゆまん
119:46われまた王たちの前になんぢの證詞をかたりて恥ることあらじ
119:47我わが愛するなんぢの誡命をもて己をたのしましめん
119:48われ手をわがあいする汝のいましめに挙げ なんぢの律法をふかく思はん
○ザイン
119:49ねがはくは汝のしもべに宣ひたる聖言をおもひいだしたまへ 汝われに之をのぞましめ給へり
119:50なんぢの聖言はわれを活ししがゆゑに 今もなほわが艱難のときの安慰なり
119:51高ぶる者おほいに我をあざわらへり されど我なんぢの法をはなれざりき
119:52ヱホバよわれ汝がふるき往昔よりの審判をおもひいだして自から慰めたり
119:53なんぢの法をすつる惡者のゆゑによりて 我はげしき怒をおこしたり
119:54なんぢの律法はわが旅の家にてわが歌となれり
119:55ヱホバよわれ夜間になんぢの名をおもひいだして なんぢの法をまもれり
119:56われ汝のさとしを守りしによりてこの事をえたるなり
○ヘテ
119:57ヱホバはわがうくべき有なり われ汝のもろもろの言をまもらんといへり
119:58われ心をつくして汝のめぐみを請求めたり ねがはくは聖言にしたがひて我をあはれみたまへ
119:59我わがすべての途をおもひ 足をかへしてなんぢの證詞にむけたり
119:60我なんぢの誡命をまもるに速けくしてたゆたはざりき
119:61惡きものの繩われに纏ひたれども 我なんぢの法をわすれざりき
119:62我なんぢのただしき審判のゆゑに 夜半におきてなんぢに感謝せん
119:63われは汝をおそるる者 またなんぢの訓諭をまもるものの侶なり
119:64ヱホバよ汝のあはれみは地にみちたり 願くはなんぢの律法をわれにをしへたまへ
○テテ
119:65ヱホバよなんぢ聖言にしたがひ惠をもてその僕をあしらひたまへり
119:66われ汝のいましめを信ず ねがはくはわれに聡明と智識とををしへたまへ
119:67われ苦しまざる前にはまよひいでぬ されど今はわれ聖言をまもる
119:68なんぢは善にして善をおこなひたまふ ねがはくは汝のおきてを我にをしへたまへ
119:69高ぶるもの虚偽をくはだてて我にさからへり われ心をつくしてなんぢの訓諭をまもらん
119:70かれらの心はこえふとりて脂のごとし されど我はなんぢの法をたのしむ
119:71困苦にあひたりしは我によきことなり 此によりて我なんぢの律法をまなびえたり
119:72なんぢの口の法はわがためには千々のこがね白銀にもまされり
○ヨーデ
119:73なんぢの手はわれを造りわれを形づくれり ねがはくは智慧をあたへて我になんぢの誡命をまなばしめたまへ
119:74なんぢを畏るるものは我をみて喜ばん われ聖言によりて望をいたきたればなり
119:75ヱホバよ我はなんぢの審判のただしく又なんぢが眞實をもて我をくるしめたまひしを知る
119:76ねがはくは汝のしもべに宣ひたる聖言にしたがひて 汝の仁慈をわが安慰となしたまへ
119:77なんぢの憐憫をわれに臨ませたまへ さらばわれ生ん なんぢの法はわが樂しめるところなり
119:78高ぶるものに恥をかうぷらせたまへ かれらは虚偽をもて我をくつがへしたればなり されど我なんぢの訓諭をふかくおもはん
119:79汝をおそるる者となんぢの證詞をしるものとを我にかへらしめたまへ
119:80わがこころを全くして汝のおきてを守らしめたまへ さらばわれ恥をかうぶらじ
○カフ
119:81わが霊魂はなんぢの救をしたひてたえいるばかりなり 然どわれなほ聖言によりて望をいだく
119:82なんぢ何のとき我をなぐさむるやといひつつ 我みことばを慕ふによりて眼おとろふ
119:83我は煙のなかの革嚢のごとくなりぬれども 尚なんぢの律法をわすれず
119:84汝のしもべの日は幾何ありや 汝いづれのとき我をせむるものに審判をおこなひたまふや
119:85たかぶる者われを害はんとて阱をほれり かれらはなんぢの法にしたがはず
119:86なんぢの誡命はみな眞實なり かれらは虚偽をもて我をせむ ねがはくは我をたすけたまへ
119:87かれらは地にてほとんど我をほろぼせり されど我はなんぢの訓諭をすてざりき
119:88願くはなんぢの仁慈にしたがひて我をいかしたまへ 然ばわれ御口よりいづる證詞をまもらん
○ラメテ
119:89ヱホバよみことばは天にてとこしえに定まり
119:90なんぢの眞實はよろづ世におよぶ なんぢ地をかたく立たまへば地はつねにあり
119:91これらのものはなんぢの命令にしたがひ 恒にありて今日にいたる 萬のものは皆なんぢの僕なればなり
119:92なんぢの法わがたのしみとならざりしならば我はつひに患難のうちに滅びたるならん
119:93われ恒になんぢの訓諭をわすれじ 汝これをもて我をいかしたまへばなり
119:94我はなんぢの有なりねがはくは我をすくひたまへ われ汝のさとしを求めたり
119:95惡きものは我をほろぼさんとして窺ひぬ われは唯なんぢのもろもろの證詞をおもはん
119:96我もろもろの純全に限あるをみたり されど汝のいましめはいと廣し
○メム
119:97われなんぢの法をいつくしむこといかばかりぞや われ終日これを深くおもふ
119:98なんぢの誡命はつねに我とともにありて 我をわが仇にまさりて慧からしむ
119:99我はなんぢの證詞をふかくおもふが故に わがすべての師にまさりて智慧おほし
119:100我はなんぢの訓諭をまもるがゆゑに 老たる者にまさりて事をわきまふるなり
119:101われ聖言をまもらんために わが足をとどめてもろもろのあしき途にゆかしめず
119:102なんぢ我ををしへたまひしによりて 我なんぢの審判をはなれざりき
119:103みことばの滋味はわが腭にあまきこといかばかりぞや 蜜のわが口に甘きにまされり
119:104我なんぢの訓諭によりて智慧をえたり このゆゑに虚偽のすべての途をにくむ
○ヌン
119:105なんぢの聖言はわがあしの燈火わが路のひかりなり
119:106われなんぢのただしき審判をまもらんことをちかひ且かたくせり
119:107われ甚いたく苦しめり ヱホバよねがはくは聖言にしたがひて我をいかしたまヘ
119:108ヱホバよねがはくは誠意よりするわが口の献物をうけて なんぢの審判ををしへたまへ
119:109わが霊魂はつねに危険ををかす されど我なんぢの法をわすれず
119:110あしき者わがために羂をまうけたり されどわれ汝のさとしより迷ひいでざりき
119:111われ汝のもろもろの證詞をとこしへにわが嗣業とせり これらの證詞はわが心をよろこばしむ
119:112われ汝のおきてを終までとこしへに守らんとて之にこころを傾けたり
○サメク
119:113われ二心のものをにくみ汝のおきてを愛しむ
119:114なんぢはわが匿るべき所わが盾なり われ聖言によりて望をいだく
119:115惡きをなすものよ我をはなれされ われわが神のいましめを守らん
119:116聖言にしたがひ我をささへて生存しめたまへ わが望につきて恥なからしめたまへ
119:117われを支へたまへ さらばわれ安けかるべし われ恒になんぢの律法にこころをそそがん
119:118すべて律法よりまよひいづるものを汝かろしめたまへり かれらの欺詐はむなしければなり
119:119なんぢは地のすべての惡きものを渣滓のごとく除きさりたまふ この故にわれ汝のあかしを愛す
119:120わが肉體なんぢを懼るるによりてふるふ 我はなんぢの審判をおそる
○アイン
119:121われは審判と公義とをおこなふ 我をすてて虐ぐるものに委ねたまふなかれ
119:122汝のしもべの中保となりて福祉をえしめたまへ 高ぶるものの我をしへたぐるを容したまふなかれ
119:123わが眼はなんぢの救となんぢのただしき聖言とをしたふによりておとろふ
119:124ねがはくはなんぢの憐憫にしたがひてなんぢの僕をあしらひ 我になんぢの律法ををしへたまへ
119:125我はなんぢの僕なり われに智慧をあたへてなんぢの證詞をしらしめたまへ
119:126彼等はなんぢの法をすてたり 今はヱホバのはたらきたまふべき時なり
119:127この故にわれ金よりもまじりなき金よりもまさりて汝のいましめを愛す
119:128この故にもろもろのことに係るなんぢの一切のさとしを正しとおもふ 我すべてのいつはりの途をにくむ
○べ
119:129汝のあかしは妙なり かかるが故にわが霊魂これをまもる
119:130聖言うちひらくれば光をはなちて 愚かなるものをさとからしむ
119:131我なんぢの誡命をしたふが故に わが口をひろくあけて喘ぎもとめたり
119:132ねがはくは聖名を愛するものに恒になしたまふごとく身をかへして我をあはれみたまへ
119:133聖言をもてわが歩履をととのへ もろもろの邪曲をわれに主たらしめたまふなかれ
119:134われを人のしへたげより贖ひたまへ さらばわれ訓諭をまもらん
119:135ねがはくは聖顔をなんぢの僕のうへにてらし 汝のおきてを我にをしへ給へ
119:136人なんぢの法をまもらざるによりて わが眼のなみだ河のごとくに流る
○ツァデー
119:137ヱホバよなんぢは義しくなんぢの審判はなほし
119:138汝ただしきと此上なき眞實とをもて その證詞を命じ給へり
119:139わが敵なんぢの聖言をわすれたるをもて わが熱心われをほろぼせり
119:140なんぢの聖言はいときよし 此故になんぢの僕はこれを愛す
119:141われは微なるものにて人にあなどらるれども汝のさとしを忘れず
119:142なんぢの義はとこしへの義なり汝ののりは眞理なり
119:143われ患難と憂とにかかれども 汝のいましめはわが喜樂なり
119:144なんぢの證詞はとこしへに義し ねがはくはわれに智慧をたまへ 我ながらふることを得ん
○コフ
119:145われ心をつくしてよばはれり ヱホバよ我にこたへたまへ 我なんぢの律法をまもらん
119:146われ汝をよばはれり ねがはくはわれを救ひ給へ 我なんぢの證詞をまもらん
119:147われ詰朝おきいでて呼はれり われ聖言によりて望をいだけり
119:148夜の更のきたらぬに先だち わが眼はさめて汝のみことばを深くおもふ
119:149ねがはくはなんぢの仁慈にしたがひてわが聲をききたまへ ヱホバよなんぢの審判にしたがひて我をいかしたまへ
119:150惡をおひもとむるものは我にちかづけり 彼等はなんぢの法にとほくはなる
119:151ヱホバよ汝はわれに近くましませり なんぢのすべての誡命はまことなり
119:152われ早くよりなんぢの證詞によりて汝がこれを永遠にたてたまへることを知れり
○レシ
119:153ねがはくはわが患難をみて我をすくひたまへ 我なんぢの法をわすれざればなり
119:154ねがはくはわが訟をあげつらひて我をあがなひ 聖言にしたがひて我をいかしたまへ
119:155すくひは惡きものより遠くはなる かれらはなんぢの律法をもとめざればなり
119:156ヱホバよなんぢの憐憫はおほいなり 願くはなんぢの審判にしたがひて我をいかしたまへ
119:157我をせむる者われに敵するものおほし 我なんぢの證詞をはなるることなかりき
119:158虚偽をおこなふもの汝のみことばを守らざるにより 我かれらを見てうれへたり
119:159ねがはくはわが汝のさとしを愛すること幾何なるをかへりみたまヘ ヱホバよなんぢの仁慈にしたがひて我をいかしたまへ
119:160なんぢのみことばの総計はまことなり 汝のただしき審判はとこしへにいたるまで皆たゆることなし
○シン
119:161もろ